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ダンディー少佐 エクステンデッド・バージョン [DVD]

4.5 5つ星のうち4.5 820個の評価

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新品 中古品
DVD 通常版
¥1,551 ¥228
DVD 1枚組 ¥3,165 ¥2,801
DVD 通常版 ¥1
DVD 通常版
¥1,669
DVD 通常版
¥6,799
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フォーマット 色, 字幕付き, ワイドスクリーン
コントリビュータ チャールトン・ヘストン, ハリー・ジュリアン・フィンク, リチャード・ハリス, サム・ペキンパー, ジェームズ・コバーン, ウォーレン・オーツ
稼働時間 2 時間 16 分

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商品の説明

サム・ペキンパー監督がこだわったストーリー
チャールトン・ヘストンが入れ込んだ世界観究極の名作がここに復活!



【ストーリー】
1864年、南北戦争末期。
チャリバ率いるアパッチの奇襲を受け部下を虐殺された北軍の騎兵隊士官ダンディー少佐は、民間の囚人や、南軍の捕虜からも志願者を募り、討伐隊を編成。
その中には、かつて親友であった南軍大尉タイリーンもいた。
ダンディーの裏切りで軍を追放されたことを逆恨みする彼は、一時的に手を組むことを決めるのだが…。
友情と憎悪が入り混じり、二人の男が火花を散らす。


【映像・音声特典】
●サム・ペキンパー監督に関する著書をもつ作家らによる音声解説ドキュメンタリー:『PASSION&POETRY THE BALLAD OF SAMPECKINPAH』からの抜粋
●ヴィンテージ映像
●未公開映像集●2005年公開時予告編
●1965年公開時予告編
●宣伝用秘蔵フィルム
●フォト&ポスター集
●関連作品予告編集


【スタッフ&キャスト】
《製作》 ジェリー・プレスラー
《監督》 サム・ペキンパー
《脚本》 サム・ペキンパー、ハリー・ジュリアン・フィンク
《出演》 チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、ジム・ハットン、ジェームズ・コバーン

【Copy Right】 (C)1964, RENEWED 1992, ©2005 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

※ジャケット写真、商品仕様、映像特典などは予告なく変更となる場合がございますのでご了承ください。

登録情報

  • メーカーにより製造中止になりました ‏ : ‎ いいえ
  • EAN ‏ : ‎ 4547462059024
  • 監督 ‏ : ‎ サム・ペキンパー
  • メディア形式 ‏ : ‎ 色, 字幕付き, ワイドスクリーン
  • 時間 ‏ : ‎ 2 時間 16 分
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/8/5
  • 出演 ‏ : ‎ チャールトン・ヘストン, リチャード・ハリス, ジェームズ・コバーン, ウォーレン・オーツ
  • 販売元 ‏ : ‎ ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • ASIN ‏ : ‎ B002AEG0G2
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 820個の評価

カスタマーレビュー

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主にバージョンと音楽の相違について(2005年邦盤DVD、Extended Version.)
4 星
主にバージョンと音楽の相違について(2005年邦盤DVD、Extended Version.)
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100(2005年邦盤DVD, ソニー・ピクチャーズ社)のレビュー。ご注意ください。原題:Major Dundee, 1965年、米、カラー、123分(劇場発公開時。バージョンは本文参照)、サム・ペキンパー監督。チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、センタ・バーガー、ジェームズ・コバーン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、R・G・アームストロング、L・Q・ジョーンズ出演。キャプチャー画像、オリジナルデータ、簡単な商品仕様・他商品情報は文末にあります。〇本作にはおおまかに言って3種のバージョンがあるという(内外DB、サイトより。内外のペキンパー本数種は未読。なおスペイン公開117分版除く)。1. 123 min(65年、米も含め内外で劇場公開された版。ただしプレミア上映は次の2. の136分版)も本国文献を読む限り、編集・音楽ともに最もペキンパーの意図から外れたもの。ミッチ・ミラーの歌がOPに流れる。2. 136 min(2005 restoredされたもの。現在内外に出回っているソフトはこれ。パケには「Extended Version」と書かれている。本国ではexpanded versionと呼ばれ、2005年に劇場公開もされた模様)。後述のようにこれもペキンパーが関与せず反対したもの。いわゆる「ディレクターズ・カット」と日本で呼ばれている版ではなく、呼ぶことも適切ではない。3. 152 min。米国でも2017年現在未ソフト化(米の各DBでは「unreleased director's cut」 と書かれている。156分とするサイトもある)。ただしこれもペキンパーの考える「最終版」か否かは断言できない。ラフ・カットは278分だったらしい。本レビュー(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100邦盤DVD)は、上記2.の136分版を2種収録(音楽のみ異なる二つの136分版)。ひとつは「リニューアル・サウンド版」(新作曲スコア、プレイヤーカウント本編134分半)。他方は「オリジナル・サウンド版」(65年劇場版スコア、プレイヤーカウント本編134分半)とメニューに表示されている。映像部分は同じ(音楽については後述)。どちらの版も2005年に復元と同時にフィルム修復されたようでDVDとしては美麗。〇以下、主に海外TCMdbのJeremy Arnoldに依れば、本作は「偉大なるアンバーソン家」のようなものであり(原典:英Uncut誌)、映画史家のJim Kitsesが本作を「one of Hollywood's great broken monuments」(ハリウッドのもっとも破壊された偉大なるモニュメントのひとつ)と言ったと紹介する。これは本作の方向性・編集を巡るペキンパーと製作者・スタジオの軋轢と闘いの結果を指していると思われる。ペキンパーは彼のオリジナル・バージョン(おそらく上記の3か、それより長いバージョン)を「possibly the best film I ever made in my life」(おそらく私が生涯で撮った映画の中最高の作品のひとつ)と言ったらしい。撮影2日前に予算と期間を大幅に削られた(ペキンパーにも飲酒やスタッフ解雇等の原因があったようだが)。(上記の3. とは違う尺だが)結局ペキンパーは164分(一部のdbでは161分)版として仕上げたが、プロデューサーのJ・ブレスラーが大幅にカットし、ペキンパーが嫌悪したDaniele Amfitheatrofのスコア(とミッチ・ミラーの歌)を付けた(上記2。135分程度)。削除部分には、OPのマスカーの多くのシーン、映画に大きな影響を与えるキャラクタの描写が含まれていたらしい。次にブレスラーの与り知らないところでスタジオはさらに12分をカットし123分とした(上記1の劇場世界公開版)。2005年になって件の12分が見つかり、136分版が復元されたが、おそらくペキンパーが望んだ164分版はおそらく永久に失われたままだろうと書かれている。136分版でもいまだ作品の出来として不十分と指摘する海外サイトもあるが、Jeremy Arnold が引用するGlenn Ericksonによれば物語として一貫性が改善され、よくわからない部分が減っているというようなことを言っている。この一連の経験を監督は「one of the most painful things that ever happened in my life.」生涯で最も苦痛に満ちた経験のひとつ、と言ったらしい。ペキンパーは「アラビアのロレンス」規模の作品として仕上げる気概だったが(モニュメンタルな作品という意味でと思う)・・。〇上記のバージョンの2. (136分版)は単にブレスラーがカットしたフッテージが戻されたというだけではない。Christopher Caliendoの「a brand-new score」(まったく新規のスコア)が使用された。これは適切な措置と考えられるとJeremy Arnoldは言う。なぜなら(ペキンパー本人に留まらず)ほとんどのペキンパー愛好家が、劇場公開された際の音楽を大仰で時に的外れと考えているからと言う(米ではそのようだ)。新規スコアの音楽の量は少なく、効果的なものであるが、ただ技術上の問題か、ときに小さく響くとも書かれている。なお映画本編で、2005年の136分版のOPクレジットの作曲者表記はChristopher Caliendoになっている。本DVD(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100)はこれと併せて、ミッチ・ミラーの歌を含むDaniele Amfitheatrofのスコアの136分版も収録している。〇どちらのスコアが本作にマッチしているか。2005年スコアはもちろん劇場公開時のものではなく、基本的には後年に音楽を差替えるべきではないけれど、合う、合わないだけで言えば合っているのは2005年の新スコアの方(後付け音楽といわれるかもしれまいが、劇場公開版の全スコアにもペキンパーは関与していないし、反対し嫌っていた)。ただし批判もあって、123分版においてスコアがつけられていた部分にスコアが付いていないとか、完璧ではないとか(これらは批判の名に値しない内容)。しかし相対的には123分版スコアよりは良いというのが大勢の模様(英Wiki)。個人的にはミッチ・ミラーはミスマッチで、このメロを元にした旧スコアは内容と比して過剰に勇ましく響き、後半にそぐわない。特に最後の戦いではまったく浮いている。〇本作は南北戦争の脇道を背景としている。襲撃された村民の敵討ちと、さらわれた小さい男子の奪還、そしてメキシコでの仏軍との戦いが描かれる(史実との齟齬については置いておきたい)。これにとりつかれ、権限を逸脱するやや傲慢な北軍のヘストンが、旧知の元友で今は南軍のハリスらの力を借りて戦う。しかし南北戦争は後ろに下がり、任務でもなく、大義なく、かといって私怨とも言い切れない戦い。そんな迷路の中で、最終的に人は相容れないという分断、暴力の不毛が描かれる。これが微妙な距離感の北軍のダンディー(ヘストン)と南軍のタイリーン(ハリス)に表されている。この辺りは多くのフォード作品とかなり異なる。反面、目的地を失ったことに気付かずに進む男たちの立場を超えた奇妙な連帯と滅びは、次作「ワイルド・バンチ」の片鱗をうかがわせる。海外批評ではヘストンのオブセッションについて「白鯨」との類似が指摘されている模様(ダンディーがエイハブ、タイリーンがスターバック、ライアンがシュマエル、チャリバが白鯨等)。加えて設定やキャラの点で、ジョン・フォード作品の「捜索者」「アパッチ砦」、ホークスの「赤い河」、アルドリッチの「ヴェラクルス」、そして前述の「アラビアのロレンス」との類似点も指摘されている(英Wiki)。しかしこれにとらわれて本作を鑑賞・評価することは適切ではない。〇素晴らしい骨太さや質感ある表現がある。「ワイルド・バンチ」以降の表現の先鋭さ、スローモーションの多用は本作では(カットの事情を鑑みても)まだはっきりとは顕在化していない。他方、ペキンパーに関する著書は未読で、どこかのサイトか友人から聞いたと思うが、ペキンパーへの黒澤明の影響を感じた。先行レビュアー様も書かれている。ダイナミックな自然の動きの変化をワンショットに入れ込む、土煙、炎、水などの使用、引きの構図の嵌りっぷり、質感描写、スコープサイズの使い方等々はなかなか。〇そしてペキンパー作品はときおり女性が重要な役割を果たす(例えば「ケーブルホーグ~」「わらの犬」「ガルシアの首」)。本作では美しきセンタ・バーガー(「さらばベルリンの灯」「戦争のはらわた」等)。ペキンパーは基本的に女性に聖母か女神を見ているのか、と思うときがある。そこまででなくとも男には必要な存在として描かれているのでは。本作の女性たちは男を救い、癒す。そして本作でも核心にはからまないが、子供らの短いショット群が何回も登場し、不思議と印象深いものばかり。ペキンパーの側面、いや本質がうかがわれる。〇ただヘストンのキャラが説得力に欠ける印象で、鮮烈なハリスのそれと比してやや弱い。ハリスは高潔かつ男臭い役どころでヘストンを喰いがち、というか食う。オーツと隻腕のコバーンは相変わらずの存在感。90分頃から俄然、エモーションが沸々と湧き出てくる。戦局を超えた、戦いへのオブセッション。しかし全体として各キャラの存在感、俳優の底力引き出し、緩急等どれもあと半歩の感がある。センタ・バーガー処理も喰い足りない気が。そしてラストがなんというかちぐはぐな感がある。これも脚本や撮影の軋轢の影響のせいなのだろうか。残念な点があるが「ワイルド・バンチ」前夜の前夜。ペキンパー好きは観るべき映画。以下、データ★オリジナルデータ(本国劇場初上映時):Major Dundee, 1965, US, 123min. Columbia Pictures, Theatrical aspect ratio (=オリジナル)2.35:1, Panavision (anamorphic), Panavision Cameras and Lenses, Color (Eastmancolor), Mono, 35mm film★ASIN:B000BM6I1M(2005年邦DVD, ユニヴァーサル、TSDD10147)について:2005年レストア済み。ショットによりパラ・ちらつきがまれにあるが前述のように平均的に良い画質。32型テレビで観る限り、製作年代を考えてもストレスはない。ひと肌がやや赤いが自然かつシック、色乗りのいい画調。名撮影監督サム・リーヴィット(「恐怖の岬」「クリムゾン・キモノ」、プレミンジャー作品)の腕が冴える。リージョン2対応、NTSC プレス盤映像仕様は16:9 LB、画面アスペクト比は2.35:1(劇場公開時=オリジナル通りのスコープ)片面 2層、136min、Color音声:英語, 日本語(吹き替えは納谷悟朗(ヘストン)日下武史or城達也(ハリス)ではないソフトオリジナル)とも5.1chサラウンド,どの音声トラックも Dolby Digital字幕:日本語、英語。on・off可メインメニューあり、チャプターメニューあり〇映像特典:1. ドキュメンタリー「Passion and Poetry, The Ballad of Sam Peckinpah」からの抜粋(本作の関連人物のインタビュー中心。22分。カラーでインタビュー部分は良い画質。4:3。本商品のみに収録されたものではないと思うが不明。内容は貴重な証言)。ペキンパーの肉声も聞ける。出演者がみなペキンパーを今でも慕っていることがわかる。そして現在のアクション映画もどき、大手スタジオを一刀両断に言うさまは爽快。コバーンが現在のアクション映画はアクションしかない「Boyの映画」というのに同意。またペキンパーは暴力描写を使い、非暴力を伝えていることを皆、看破している。みなペキンパー魂を受けついでいるようで嬉しくなる。2. ヴィンテージ映像:「『ダンディー少佐』で活躍したスタントマンらを描いた65年のメイキング映像「勇敢なスタントマン」。ほとんど同じもののカラー版とモノクロ版を収録。6分強と7分弱。4:3で画質はまさにヴィンテージ画質。いまひとつ。3. 関連作品予告編集3つ。まったく関連がない。4. 未公開映像集:4種〇ナイフでの格闘シーン(4:3でヴィスタ、字幕あり、3分30秒、画質まあまあ)〇少佐とテレサの泳ぎのシーン(4:3でヴィスタ、セリフなし、40秒、画質はあまりよくない)〇無音声素材集(4:3でスコープ、字幕あり、4分20秒、画質あまりよくない。ショットの切れ端のようなもの集)〇アートワーク(5種、米国ポスター集)。ナイフの格闘シーンのコバーンぐらいがみものか。〇音声特典:ペキンパー関連の著書ある作家たち4人による。OnにするとExtended Versionが自動に選択される。本作解説とトラブル、バージョン違いの経過を語る。(日本語字幕あり)貴重。付属物:なし発売・販売:日 ソニー・ピクチャーズ2005年★本サイトで買える他の商品(DVDカテゴリでMajor Dundeeで検索):〇邦盤BD:1種、2014年。ASIN: B00JK63ZNE。詳細は当該頁で。136分版らしいけれど、スコアが異なる2種の版を収録せず、新スコアの136分版のみを収録の模様。BDとDVDのレビューは今のところ結合されていないので参照ください。〇邦盤DVD:本レビューASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100を含めて安く、内容、マスターに相違はない模様。〇import DVD:邦盤が割と安いために略。〇import BD: ASIN:B00LG4IS62、ASIN:B00K2UY3N8(ともに欧州盤)のパケ裏には字幕・言語に日本語ありと表記(リージョンはA・B・C)とあるが確証はない。収録バージョンは不明。馬上のヘストンのパケの米盤BD(Twilightレーベル)は言語・字幕も含め、仕様は不明。下の画像は商品とは関係ない。
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上位レビュー、対象国: 日本

2022年3月22日に日本でレビュー済み
出演∶チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、センタ・バーガー、ジェームズ・コバーン
監督∶サム・ペキンパー

なぜか、この西部劇映画が好きだ。

自分が最も敬愛するサム・ペキンパー監督の作品。"最後の西部劇監督"と言われる彼は、まさに遅れてきた巨匠だが、これは決して彼の最良の作品というわけではない。

西部劇がハリウッドの時代遅れ路線になってきた60年代半ばに作られたこの作品、主演は『十戒』『ベン・ハー』『北京の55日』などの歴史スペクタクル映画の大スター、チャールトン・ヘストン。共演は『キャメロット』『ジャガーノート』『ハリー・ポッター』シリーズなどのイギリス演技派スター、リチャード・ハリス。

大型西部劇だが、内容的には正統派西部劇とは一線を画するアンチヒーロー物である。ファンとしては、ジェームズ・コバーンを始め、ペキンパー映画の常連であるスリム・ピケンズ、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、L.Q.ジョーンズ、R.G.アームストロングらクセモノ俳優が勢ぞろいし、オーストリア女優センタ・バーガー(当時の言葉で言えば"グラマー女優"←死語?)が出演しているのが嬉しいかぎり。

1860年代、南北戦争末期、北軍騎兵隊指揮官ダンディー少佐(C.ヘストン)は、刑務所兼捕虜収容所の警備の業務に左遷され、くすぶっていた。

ある日、チャリバ酋長率いる凶暴なインディアン(アパッチ族)の襲撃で近隣の民間人たちと多くの騎兵隊員たちの命が失われ、民間人の数名の子供たちがさらわれてしまう。少佐は、そのカタキ討ちと子供の奪回のために警備任務を逸脱して、アパッチ討伐隊を編成する。

その討伐隊の面々が面白い。なんせ多くの部下が失われたあとなので手が足りない。畑違いの砲兵隊士官やらラッパ手の新兵やら武闘派の牧師(!?)、さらには刑務所の囚人たちからも志願兵を募り、馬泥棒には騎馬用の馬の"調達"を任せ、部下に命じて他の部隊に補給されるはずの武器弾薬まで掠奪いや"調達"させる始末。

隊の統率のために必要な従軍経験者として、捕虜の南軍士官や兵士を志願させ、さらに北軍によって奴隷から解放されたばかりの黒人の兵士たちも参加を希望して、チョー波乱含みのメンツで追撃開始!

副官に任命した南軍捕虜のタイリーン大尉(R.ハリス)はダンディー少佐のかつての盟友であり、ある事件を契機に敵味方となったワケアリ関係であった。途中、北軍兵・南軍兵が険悪になったり、南軍兵と黒人兵が火花を散らしたり、呉越同舟の寄せ集め軍団は前途多難!

アパッチを追って、メキシコ国境の川も越えてしまい、革命真っ最中のメキシコに駐屯するフランス軍とトラブルを起こして一戦を交えたり、戦乱に苦しむ村の人々を助けて感謝されたり、村で医療に従事するヨーロッパ女性にうつつをぬかしたり、新兵がメキシコ娘と恋に落ちて童貞卒業したり、脱走兵が出たりで混迷の極み!

もちろんアパッチ族も、自分たちが追われていることを承知していて、討伐隊に反撃を仕掛けてくる。

ヒーローとはほど遠い男たちが迷走の果てに、命がけで数々の戦いに身を投じていくハメになる……というストーリーです。

よく言えば「波瀾万丈」、悪く言えば「行き当たりバッタリ」の物語。ペキンパー監督のファンですら"名作"とは言うまいが、一見の価値アリの異色西部劇だと思う。

西部劇としてはかなり大掛かりで製作費も相当額かかっていると思われる。ペキンパー監督と製作サイドとの間にも予算をめぐってスッタモンダの"迷走"があったようで、予算や製作日数の大幅超過のせいでペキンパーはこのあとしばらく監督業を干されたらしい。

しかし、ペキンパー監督の"出世作"『昼下りの決斗』の次に作られたこの『ダンディー少佐』が、数年後にペキンパーが作ることになる傑作西部劇『ワイルドバンチ』への布石になっている気がしてならないのです。

彼がいくつもの作品で描こうとしてきた"アンチヒーロー"。カッコ悪い彼らが、カッコつけなければならないハメになり、ある者はカッコよく散り、またある者はカッコ悪く生き残ってしまう。そんな男たちへの鎮魂歌……と言ったらカッコ良すぎかな…w
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年11月12日に日本でレビュー済み
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やっぱり西部劇はいいなぁ
久しぶりに見直したがチャールストンヘストンはかっこよかった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年10月14日に日本でレビュー済み
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仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100(2005年邦盤DVD, ソニー・ピクチャーズ社)のレビュー。ご注意ください。
原題:Major Dundee, 1965年、米、カラー、123分(劇場発公開時。バージョンは本文参照)、サム・ペキンパー監督。チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、センタ・バーガー、ジェームズ・コバーン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、R・G・アームストロング、L・Q・ジョーンズ出演。キャプチャー画像、オリジナルデータ、簡単な商品仕様・他商品情報は文末にあります。

〇本作にはおおまかに言って3種のバージョンがあるという(内外DB、サイトより。内外のペキンパー本数種は未読。なおスペイン公開117分版除く)。
1. 123 min(65年、米も含め内外で劇場公開された版。ただしプレミア上映は次の2. の136分版)も本国文献を読む限り、編集・音楽ともに最もペキンパーの意図から外れたもの。ミッチ・ミラーの歌がOPに流れる。

2. 136 min(2005 restoredされたもの。現在内外に出回っているソフトはこれ。パケには「Extended Version」と書かれている。本国ではexpanded versionと呼ばれ、2005年に劇場公開もされた模様)。後述のようにこれもペキンパーが関与せず反対したもの。いわゆる「ディレクターズ・カット」と日本で呼ばれている版ではなく、呼ぶことも適切ではない。

3. 152 min。米国でも2017年現在未ソフト化(米の各DBでは「unreleased director's cut」 と書かれている。156分とするサイトもある)。ただしこれもペキンパーの考える「最終版」か否かは断言できない。ラフ・カットは278分だったらしい。

本レビュー(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100邦盤DVD)は、上記2.の136分版を2種収録(音楽のみ異なる二つの136分版)。ひとつは「リニューアル・サウンド版」(新作曲スコア、プレイヤーカウント本編134分半)。他方は「オリジナル・サウンド版」(65年劇場版スコア、プレイヤーカウント本編134分半)とメニューに表示されている。映像部分は同じ(音楽については後述)。どちらの版も2005年に復元と同時にフィルム修復されたようでDVDとしては美麗。

〇以下、主に海外TCMdbのJeremy Arnoldに依れば、本作は「偉大なるアンバーソン家」のようなものであり(原典:英Uncut誌)、映画史家のJim Kitsesが本作を「one of Hollywood's great broken monuments」(ハリウッドのもっとも破壊された偉大なるモニュメントのひとつ)と言ったと紹介する。これは本作の方向性・編集を巡るペキンパーと製作者・スタジオの軋轢と闘いの結果を指していると思われる。ペキンパーは彼のオリジナル・バージョン(おそらく上記の3か、それより長いバージョン)を「possibly the best film I ever made in my life」(おそらく私が生涯で撮った映画の中最高の作品のひとつ)と言ったらしい。

撮影2日前に予算と期間を大幅に削られた(ペキンパーにも飲酒やスタッフ解雇等の原因があったようだが)。(上記の3. とは違う尺だが)結局ペキンパーは164分(一部のdbでは161分)版として仕上げたが、プロデューサーのJ・ブレスラーが大幅にカットし、ペキンパーが嫌悪したDaniele Amfitheatrofのスコア(とミッチ・ミラーの歌)を付けた(上記2。135分程度)。削除部分には、OPのマスカーの多くのシーン、映画に大きな影響を与えるキャラクタの描写が含まれていたらしい。次にブレスラーの与り知らないところでスタジオはさらに12分をカットし123分とした(上記1の劇場世界公開版)。2005年になって件の12分が見つかり、136分版が復元されたが、おそらくペキンパーが望んだ164分版はおそらく永久に失われたままだろうと書かれている。136分版でもいまだ作品の出来として不十分と指摘する海外サイトもあるが、Jeremy Arnold が引用するGlenn Ericksonによれば物語として一貫性が改善され、よくわからない部分が減っているというようなことを言っている。この一連の経験を監督は「one of the most painful things that ever happened in my life.」生涯で最も苦痛に満ちた経験のひとつ、と言ったらしい。ペキンパーは「アラビアのロレンス」規模の作品として仕上げる気概だったが(モニュメンタルな作品という意味でと思う)・・。

〇上記のバージョンの2. (136分版)は単にブレスラーがカットしたフッテージが戻されたというだけではない。Christopher Caliendoの「a brand-new score」(まったく新規のスコア)が使用された。これは適切な措置と考えられるとJeremy Arnoldは言う。なぜなら(ペキンパー本人に留まらず)ほとんどのペキンパー愛好家が、劇場公開された際の音楽を大仰で時に的外れと考えているからと言う(米ではそのようだ)。新規スコアの音楽の量は少なく、効果的なものであるが、ただ技術上の問題か、ときに小さく響くとも書かれている。なお映画本編で、2005年の136分版のOPクレジットの作曲者表記はChristopher Caliendoになっている。本DVD(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100)はこれと併せて、ミッチ・ミラーの歌を含むDaniele Amfitheatrofのスコアの136分版も収録している。

〇どちらのスコアが本作にマッチしているか。2005年スコアはもちろん劇場公開時のものではなく、基本的には後年に音楽を差替えるべきではないけれど、合う、合わないだけで言えば合っているのは2005年の新スコアの方(後付け音楽といわれるかもしれまいが、劇場公開版の全スコアにもペキンパーは関与していないし、反対し嫌っていた)。ただし批判もあって、123分版においてスコアがつけられていた部分にスコアが付いていないとか、完璧ではないとか(これらは批判の名に値しない内容)。しかし相対的には123分版スコアよりは良いというのが大勢の模様(英Wiki)。個人的にはミッチ・ミラーはミスマッチで、このメロを元にした旧スコアは内容と比して過剰に勇ましく響き、後半にそぐわない。特に最後の戦いではまったく浮いている。

〇本作は南北戦争の脇道を背景としている。襲撃された村民の敵討ちと、さらわれた小さい男子の奪還、そしてメキシコでの仏軍との戦いが描かれる(史実との齟齬については置いておきたい)。これにとりつかれ、権限を逸脱するやや傲慢な北軍のヘストンが、旧知の元友で今は南軍のハリスらの力を借りて戦う。しかし南北戦争は後ろに下がり、任務でもなく、大義なく、かといって私怨とも言い切れない戦い。そんな迷路の中で、最終的に人は相容れないという分断、暴力の不毛が描かれる。これが微妙な距離感の北軍のダンディー(ヘストン)と南軍のタイリーン(ハリス)に表されている。この辺りは多くのフォード作品とかなり異なる。反面、目的地を失ったことに気付かずに進む男たちの立場を超えた奇妙な連帯と滅びは、次作「ワイルド・バンチ」の片鱗をうかがわせる。

海外批評ではヘストンのオブセッションについて「白鯨」との類似が指摘されている模様(ダンディーがエイハブ、タイリーンがスターバック、ライアンがシュマエル、チャリバが白鯨等)。加えて設定やキャラの点で、ジョン・フォード作品の「捜索者」「アパッチ砦」、ホークスの「赤い河」、アルドリッチの「ヴェラクルス」、そして前述の「アラビアのロレンス」との類似点も指摘されている(英Wiki)。しかしこれにとらわれて本作を鑑賞・評価することは適切ではない。

〇素晴らしい骨太さや質感ある表現がある。「ワイルド・バンチ」以降の表現の先鋭さ、スローモーションの多用は本作では(カットの事情を鑑みても)まだはっきりとは顕在化していない。他方、ペキンパーに関する著書は未読で、どこかのサイトか友人から聞いたと思うが、ペキンパーへの黒澤明の影響を感じた。先行レビュアー様も書かれている。ダイナミックな自然の動きの変化をワンショットに入れ込む、土煙、炎、水などの使用、引きの構図の嵌りっぷり、質感描写、スコープサイズの使い方等々はなかなか。

〇そしてペキンパー作品はときおり女性が重要な役割を果たす(例えば「ケーブルホーグ~」「わらの犬」「ガルシアの首」)。本作では美しきセンタ・バーガー(「さらばベルリンの灯」「戦争のはらわた」等)。ペキンパーは基本的に女性に聖母か女神を見ているのか、と思うときがある。そこまででなくとも男には必要な存在として描かれているのでは。本作の女性たちは男を救い、癒す。そして本作でも核心にはからまないが、子供らの短いショット群が何回も登場し、不思議と印象深いものばかり。ペキンパーの側面、いや本質がうかがわれる。

〇ただヘストンのキャラが説得力に欠ける印象で、鮮烈なハリスのそれと比してやや弱い。ハリスは高潔かつ男臭い役どころでヘストンを喰いがち、というか食う。オーツと隻腕のコバーンは相変わらずの存在感。90分頃から俄然、エモーションが沸々と湧き出てくる。戦局を超えた、戦いへのオブセッション。しかし全体として各キャラの存在感、俳優の底力引き出し、緩急等どれもあと半歩の感がある。センタ・バーガー処理も喰い足りない気が。そしてラストがなんというかちぐはぐな感がある。これも脚本や撮影の軋轢の影響のせいなのだろうか。残念な点があるが「ワイルド・バンチ」前夜の前夜。ペキンパー好きは観るべき映画。

以下、データ
★オリジナルデータ(本国劇場初上映時):
Major Dundee, 1965, US, 123min. Columbia Pictures, Theatrical aspect ratio (=オリジナル)2.35:1, Panavision (anamorphic), Panavision Cameras and Lenses, Color (Eastmancolor), Mono, 35mm film

★ASIN:B000BM6I1M(2005年邦DVD, ユニヴァーサル、TSDD10147)について:
2005年レストア済み。ショットによりパラ・ちらつきがまれにあるが前述のように平均的に良い画質。32型テレビで観る限り、製作年代を考えてもストレスはない。ひと肌がやや赤いが自然かつシック、色乗りのいい画調。名撮影監督サム・リーヴィット(「恐怖の岬」「クリムゾン・キモノ」、プレミンジャー作品)の腕が冴える。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9 LB、画面アスペクト比は2.35:1(劇場公開時=オリジナル通りのスコープ)片面 2層、136min、Color

音声:英語, 日本語(吹き替えは納谷悟朗(ヘストン)日下武史or城達也(ハリス)ではないソフトオリジナル)とも5.1chサラウンド,どの音声トラックも Dolby Digital
字幕:日本語、英語。on・off可
メインメニューあり、チャプターメニューあり

〇映像特典:
1. ドキュメンタリー「Passion and Poetry, The Ballad of Sam Peckinpah」からの抜粋(本作の関連人物のインタビュー中心。22分。カラーでインタビュー部分は良い画質。4:3。本商品のみに収録されたものではないと思うが不明。内容は貴重な証言)。ペキンパーの肉声も聞ける。出演者がみなペキンパーを今でも慕っていることがわかる。そして現在のアクション映画もどき、大手スタジオを一刀両断に言うさまは爽快。コバーンが現在のアクション映画はアクションしかない「Boyの映画」というのに同意。またペキンパーは暴力描写を使い、非暴力を伝えていることを皆、看破している。みなペキンパー魂を受けついでいるようで嬉しくなる。

2. ヴィンテージ映像:「『ダンディー少佐』で活躍したスタントマンらを描いた65年のメイキング映像「勇敢なスタントマン」。ほとんど同じもののカラー版とモノクロ版を収録。6分強と7分弱。4:3で画質はまさにヴィンテージ画質。いまひとつ。

3. 関連作品予告編集3つ。まったく関連がない。

4. 未公開映像集:4種
〇ナイフでの格闘シーン(4:3でヴィスタ、字幕あり、3分30秒、画質まあまあ)
〇少佐とテレサの泳ぎのシーン(4:3でヴィスタ、セリフなし、40秒、画質はあまりよくない)
〇無音声素材集(4:3でスコープ、字幕あり、4分20秒、画質あまりよくない。ショットの切れ端のようなもの集)
〇アートワーク(5種、米国ポスター集)。
ナイフの格闘シーンのコバーンぐらいがみものか。

〇音声特典:
ペキンパー関連の著書ある作家たち4人による。OnにするとExtended Versionが自動に選択される。本作解説とトラブル、バージョン違いの経過を語る。(日本語字幕あり)貴重。
付属物:なし
発売・販売:日 ソニー・ピクチャーズ2005年

★本サイトで買える他の商品(DVDカテゴリでMajor Dundeeで検索):
〇邦盤BD:1種、2014年。ASIN: B00JK63ZNE。詳細は当該頁で。136分版らしいけれど、スコアが異なる2種の版を収録せず、新スコアの136分版のみを収録の模様。BDとDVDのレビューは今のところ結合されていないので参照ください。
〇邦盤DVD:本レビューASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100を含めて安く、内容、マスターに相違はない模様。
〇import DVD:邦盤が割と安いために略。
〇import BD: ASIN:B00LG4IS62、ASIN:B00K2UY3N8(ともに欧州盤)のパケ裏には字幕・言語に日本語ありと表記(リージョンはA・B・C)とあるが確証はない。収録バージョンは不明。馬上のヘストンのパケの米盤BD(Twilightレーベル)は言語・字幕も含め、仕様は不明。
下の画像は商品とは関係ない。
カスタマー画像
5つ星のうち4.0 主にバージョンと音楽の相違について(2005年邦盤DVD、Extended Version.)
2017年10月14日に日本でレビュー済み
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100(2005年邦盤DVD, ソニー・ピクチャーズ社)のレビュー。ご注意ください。
原題:Major Dundee, 1965年、米、カラー、123分(劇場発公開時。バージョンは本文参照)、サム・ペキンパー監督。チャールトン・ヘストン、リチャード・ハリス、センタ・バーガー、ジェームズ・コバーン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、R・G・アームストロング、L・Q・ジョーンズ出演。キャプチャー画像、オリジナルデータ、簡単な商品仕様・他商品情報は文末にあります。

〇本作にはおおまかに言って3種のバージョンがあるという(内外DB、サイトより。内外のペキンパー本数種は未読。なおスペイン公開117分版除く)。
1. 123 min(65年、米も含め内外で劇場公開された版。ただしプレミア上映は次の2. の136分版)も本国文献を読む限り、編集・音楽ともに最もペキンパーの意図から外れたもの。ミッチ・ミラーの歌がOPに流れる。

2. 136 min(2005 restoredされたもの。現在内外に出回っているソフトはこれ。パケには「Extended Version」と書かれている。本国ではexpanded versionと呼ばれ、2005年に劇場公開もされた模様)。後述のようにこれもペキンパーが関与せず反対したもの。いわゆる「ディレクターズ・カット」と日本で呼ばれている版ではなく、呼ぶことも適切ではない。

3. 152 min。米国でも2017年現在未ソフト化(米の各DBでは「unreleased director's cut」 と書かれている。156分とするサイトもある)。ただしこれもペキンパーの考える「最終版」か否かは断言できない。ラフ・カットは278分だったらしい。

本レビュー(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100邦盤DVD)は、上記2.の136分版を2種収録(音楽のみ異なる二つの136分版)。ひとつは「リニューアル・サウンド版」(新作曲スコア、プレイヤーカウント本編134分半)。他方は「オリジナル・サウンド版」(65年劇場版スコア、プレイヤーカウント本編134分半)とメニューに表示されている。映像部分は同じ(音楽については後述)。どちらの版も2005年に復元と同時にフィルム修復されたようでDVDとしては美麗。

〇以下、主に海外TCMdbのJeremy Arnoldに依れば、本作は「偉大なるアンバーソン家」のようなものであり(原典:英Uncut誌)、映画史家のJim Kitsesが本作を「one of Hollywood's great broken monuments」(ハリウッドのもっとも破壊された偉大なるモニュメントのひとつ)と言ったと紹介する。これは本作の方向性・編集を巡るペキンパーと製作者・スタジオの軋轢と闘いの結果を指していると思われる。ペキンパーは彼のオリジナル・バージョン(おそらく上記の3か、それより長いバージョン)を「possibly the best film I ever made in my life」(おそらく私が生涯で撮った映画の中最高の作品のひとつ)と言ったらしい。

撮影2日前に予算と期間を大幅に削られた(ペキンパーにも飲酒やスタッフ解雇等の原因があったようだが)。(上記の3. とは違う尺だが)結局ペキンパーは164分(一部のdbでは161分)版として仕上げたが、プロデューサーのJ・ブレスラーが大幅にカットし、ペキンパーが嫌悪したDaniele Amfitheatrofのスコア(とミッチ・ミラーの歌)を付けた(上記2。135分程度)。削除部分には、OPのマスカーの多くのシーン、映画に大きな影響を与えるキャラクタの描写が含まれていたらしい。次にブレスラーの与り知らないところでスタジオはさらに12分をカットし123分とした(上記1の劇場世界公開版)。2005年になって件の12分が見つかり、136分版が復元されたが、おそらくペキンパーが望んだ164分版はおそらく永久に失われたままだろうと書かれている。136分版でもいまだ作品の出来として不十分と指摘する海外サイトもあるが、Jeremy Arnold が引用するGlenn Ericksonによれば物語として一貫性が改善され、よくわからない部分が減っているというようなことを言っている。この一連の経験を監督は「one of the most painful things that ever happened in my life.」生涯で最も苦痛に満ちた経験のひとつ、と言ったらしい。ペキンパーは「アラビアのロレンス」規模の作品として仕上げる気概だったが(モニュメンタルな作品という意味でと思う)・・。

〇上記のバージョンの2. (136分版)は単にブレスラーがカットしたフッテージが戻されたというだけではない。Christopher Caliendoの「a brand-new score」(まったく新規のスコア)が使用された。これは適切な措置と考えられるとJeremy Arnoldは言う。なぜなら(ペキンパー本人に留まらず)ほとんどのペキンパー愛好家が、劇場公開された際の音楽を大仰で時に的外れと考えているからと言う(米ではそのようだ)。新規スコアの音楽の量は少なく、効果的なものであるが、ただ技術上の問題か、ときに小さく響くとも書かれている。なお映画本編で、2005年の136分版のOPクレジットの作曲者表記はChristopher Caliendoになっている。本DVD(ASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100)はこれと併せて、ミッチ・ミラーの歌を含むDaniele Amfitheatrofのスコアの136分版も収録している。

〇どちらのスコアが本作にマッチしているか。2005年スコアはもちろん劇場公開時のものではなく、基本的には後年に音楽を差替えるべきではないけれど、合う、合わないだけで言えば合っているのは2005年の新スコアの方(後付け音楽といわれるかもしれまいが、劇場公開版の全スコアにもペキンパーは関与していないし、反対し嫌っていた)。ただし批判もあって、123分版においてスコアがつけられていた部分にスコアが付いていないとか、完璧ではないとか(これらは批判の名に値しない内容)。しかし相対的には123分版スコアよりは良いというのが大勢の模様(英Wiki)。個人的にはミッチ・ミラーはミスマッチで、このメロを元にした旧スコアは内容と比して過剰に勇ましく響き、後半にそぐわない。特に最後の戦いではまったく浮いている。

〇本作は南北戦争の脇道を背景としている。襲撃された村民の敵討ちと、さらわれた小さい男子の奪還、そしてメキシコでの仏軍との戦いが描かれる(史実との齟齬については置いておきたい)。これにとりつかれ、権限を逸脱するやや傲慢な北軍のヘストンが、旧知の元友で今は南軍のハリスらの力を借りて戦う。しかし南北戦争は後ろに下がり、任務でもなく、大義なく、かといって私怨とも言い切れない戦い。そんな迷路の中で、最終的に人は相容れないという分断、暴力の不毛が描かれる。これが微妙な距離感の北軍のダンディー(ヘストン)と南軍のタイリーン(ハリス)に表されている。この辺りは多くのフォード作品とかなり異なる。反面、目的地を失ったことに気付かずに進む男たちの立場を超えた奇妙な連帯と滅びは、次作「ワイルド・バンチ」の片鱗をうかがわせる。

海外批評ではヘストンのオブセッションについて「白鯨」との類似が指摘されている模様(ダンディーがエイハブ、タイリーンがスターバック、ライアンがシュマエル、チャリバが白鯨等)。加えて設定やキャラの点で、ジョン・フォード作品の「捜索者」「アパッチ砦」、ホークスの「赤い河」、アルドリッチの「ヴェラクルス」、そして前述の「アラビアのロレンス」との類似点も指摘されている(英Wiki)。しかしこれにとらわれて本作を鑑賞・評価することは適切ではない。

〇素晴らしい骨太さや質感ある表現がある。「ワイルド・バンチ」以降の表現の先鋭さ、スローモーションの多用は本作では(カットの事情を鑑みても)まだはっきりとは顕在化していない。他方、ペキンパーに関する著書は未読で、どこかのサイトか友人から聞いたと思うが、ペキンパーへの黒澤明の影響を感じた。先行レビュアー様も書かれている。ダイナミックな自然の動きの変化をワンショットに入れ込む、土煙、炎、水などの使用、引きの構図の嵌りっぷり、質感描写、スコープサイズの使い方等々はなかなか。

〇そしてペキンパー作品はときおり女性が重要な役割を果たす(例えば「ケーブルホーグ~」「わらの犬」「ガルシアの首」)。本作では美しきセンタ・バーガー(「さらばベルリンの灯」「戦争のはらわた」等)。ペキンパーは基本的に女性に聖母か女神を見ているのか、と思うときがある。そこまででなくとも男には必要な存在として描かれているのでは。本作の女性たちは男を救い、癒す。そして本作でも核心にはからまないが、子供らの短いショット群が何回も登場し、不思議と印象深いものばかり。ペキンパーの側面、いや本質がうかがわれる。

〇ただヘストンのキャラが説得力に欠ける印象で、鮮烈なハリスのそれと比してやや弱い。ハリスは高潔かつ男臭い役どころでヘストンを喰いがち、というか食う。オーツと隻腕のコバーンは相変わらずの存在感。90分頃から俄然、エモーションが沸々と湧き出てくる。戦局を超えた、戦いへのオブセッション。しかし全体として各キャラの存在感、俳優の底力引き出し、緩急等どれもあと半歩の感がある。センタ・バーガー処理も喰い足りない気が。そしてラストがなんというかちぐはぐな感がある。これも脚本や撮影の軋轢の影響のせいなのだろうか。残念な点があるが「ワイルド・バンチ」前夜の前夜。ペキンパー好きは観るべき映画。

以下、データ
★オリジナルデータ(本国劇場初上映時):
Major Dundee, 1965, US, 123min. Columbia Pictures, Theatrical aspect ratio (=オリジナル)2.35:1, Panavision (anamorphic), Panavision Cameras and Lenses, Color (Eastmancolor), Mono, 35mm film

★ASIN:B000BM6I1M(2005年邦DVD, ユニヴァーサル、TSDD10147)について:
2005年レストア済み。ショットによりパラ・ちらつきがまれにあるが前述のように平均的に良い画質。32型テレビで観る限り、製作年代を考えてもストレスはない。ひと肌がやや赤いが自然かつシック、色乗りのいい画調。名撮影監督サム・リーヴィット(「恐怖の岬」「クリムゾン・キモノ」、プレミンジャー作品)の腕が冴える。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9 LB、画面アスペクト比は2.35:1(劇場公開時=オリジナル通りのスコープ)片面 2層、136min、Color

音声:英語, 日本語(吹き替えは納谷悟朗(ヘストン)日下武史or城達也(ハリス)ではないソフトオリジナル)とも5.1chサラウンド,どの音声トラックも Dolby Digital
字幕:日本語、英語。on・off可
メインメニューあり、チャプターメニューあり

〇映像特典:
1. ドキュメンタリー「Passion and Poetry, The Ballad of Sam Peckinpah」からの抜粋(本作の関連人物のインタビュー中心。22分。カラーでインタビュー部分は良い画質。4:3。本商品のみに収録されたものではないと思うが不明。内容は貴重な証言)。ペキンパーの肉声も聞ける。出演者がみなペキンパーを今でも慕っていることがわかる。そして現在のアクション映画もどき、大手スタジオを一刀両断に言うさまは爽快。コバーンが現在のアクション映画はアクションしかない「Boyの映画」というのに同意。またペキンパーは暴力描写を使い、非暴力を伝えていることを皆、看破している。みなペキンパー魂を受けついでいるようで嬉しくなる。

2. ヴィンテージ映像:「『ダンディー少佐』で活躍したスタントマンらを描いた65年のメイキング映像「勇敢なスタントマン」。ほとんど同じもののカラー版とモノクロ版を収録。6分強と7分弱。4:3で画質はまさにヴィンテージ画質。いまひとつ。

3. 関連作品予告編集3つ。まったく関連がない。

4. 未公開映像集:4種
〇ナイフでの格闘シーン(4:3でヴィスタ、字幕あり、3分30秒、画質まあまあ)
〇少佐とテレサの泳ぎのシーン(4:3でヴィスタ、セリフなし、40秒、画質はあまりよくない)
〇無音声素材集(4:3でスコープ、字幕あり、4分20秒、画質あまりよくない。ショットの切れ端のようなもの集)
〇アートワーク(5種、米国ポスター集)。
ナイフの格闘シーンのコバーンぐらいがみものか。

〇音声特典:
ペキンパー関連の著書ある作家たち4人による。OnにするとExtended Versionが自動に選択される。本作解説とトラブル、バージョン違いの経過を語る。(日本語字幕あり)貴重。
付属物:なし
発売・販売:日 ソニー・ピクチャーズ2005年

★本サイトで買える他の商品(DVDカテゴリでMajor Dundeeで検索):
〇邦盤BD:1種、2014年。ASIN: B00JK63ZNE。詳細は当該頁で。136分版らしいけれど、スコアが異なる2種の版を収録せず、新スコアの136分版のみを収録の模様。BDとDVDのレビューは今のところ結合されていないので参照ください。
〇邦盤DVD:本レビューASIN:B000BM6I1M、JAN 4547462023100を含めて安く、内容、マスターに相違はない模様。
〇import DVD:邦盤が割と安いために略。
〇import BD: ASIN:B00LG4IS62、ASIN:B00K2UY3N8(ともに欧州盤)のパケ裏には字幕・言語に日本語ありと表記(リージョンはA・B・C)とあるが確証はない。収録バージョンは不明。馬上のヘストンのパケの米盤BD(Twilightレーベル)は言語・字幕も含め、仕様は不明。
下の画像は商品とは関係ない。
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18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2013年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
チャールトン・ヘストンの映画は良く見る。
これがレンタルの店に無かったので注文した。
2013年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
30数年前に一度テレビ映画で見て面白かったので、久しぶりに見て感動しました。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年8月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アマゾンさんには関係ないのですが、ヘストンだから期待して観た。
ガックリするほどの内容。こんな映画はもう買わない。
2013年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ダンディ少佐役のチャールトン・ヘストンを完全に食っている(負かしている)イギリスの俳優のリチャード
・ハリスが素晴らしい!!!最後の戦いでフランス龍騎兵に突撃するシーンは勇猛な南軍の意気込みを見せつける。またアパッチ・インディアンとの戦いも凄絶である。この延長版は監督サム・ペキンパーの精神であろう。この映画に勝る西部劇は現れないであろう。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アパッチ族インデアンに誘拐された子供たちを、ダンデイー少佐が指揮する北軍と南軍捕虜などで編成された騎兵隊がメキシコまで救出に向かう物語。
アパッチ族が悪者にされている(当時の映画として仕方ないか…)が、ダンデイー少佐と南軍大尉との因縁(確執)やフランス軍槍騎兵との戦闘シーンなど見ごたえがあった。チャールトン・ヘストンやリチャード・ハリスの演技はさすがに素晴らしい。
日本語字幕がおかしい部分(例えば、駐屯地で北軍の大尉が上官であるダンデイー少佐に命令口調やため口)がなければ星5つです。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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他の国からのトップレビュー

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Angela J Crocker
5つ星のうち5.0 Top-notch presentation of MAJOR DUNDEE from Arrow Video.
2022年5月14日にアメリカ合衆国でレビュー済み
Amazonで購入
This review is for the Arrow Video disc released February of 2022.
I won't talk about the movie much because most anyone who reads this probably has seen MAJOR DUNDEE already.
Arrow Video released a two disc movie package quite awhile ago which I didn't purchase as I probably wouldn't have watched the theatrical presentation disc at all. Fortunately the extended version by Arrow came out recently by itself at a lesser price so I purchased that version only.
The picture and audio is excellent. You will most likely never see a better presentation of MAJOR DUNDEE than this product. I still have my old Sony DVD of the extended version and this is a significant upgrade. There are quite a few more commentaries and extras here also and I found them all to be worthwhile. Especially interesting were the stories of how the studio mangled the original cut presented by Peckinpah. On a lesser note, If you like to display your collection, as I do, you will also enjoy the original artwork provided, along with newly commissioned artwork, both very nice. The stories about the competing musical scores did not excite me that much, but the soundtrack presented here is fine. I only wonder sometimes how this epic might have been received at it's release if a worthy such as Ennio Morricone had composed the music.
Lastly, I am a fan of Sam Peckinpah and have collected most of his films. I only hope Arrow Video might someday be able to work their magic on THE GETAWAY, THE WILD BUNCH, PAT GARRETT & BILLY THE KID and especially CROSS OF IRON.
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Western Maven
5つ星のうち5.0 Flawed Masterpiece
2021年8月6日にカナダでレビュー済み
Amazonで購入
Major Dundee has a longstanding reputation as a flawed masterpiece; that is largely correct but, in spite of its flaws it is still a very good movie. It has a very strong storyline, almost epic, beautiful on-location (Mexico) scenery, and a very fine cast. Charlton Heston, not one of my favourite actors, nonetheless performs very well as Major Dundee as does Richard Harris as Captain Tyreen. Senta Berger is delightful and there is a fabulous cast of supporting actors. This blu-ray gives us three audio commentaries which add immeasurably to our understanding & enjoyment of the movie. There are also detailed interviews with several of the actors who give us a good idea of what filming Major Dundee with Sam Peckinpah was like & why the movie has so many strengths & weaknesses. This blu-ray seems to be the definitive version of Major Dundee & we are unlikely to ever see a better one. The blu-ray is pricy but I consider it worth every penny & recommend it highly.
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Cliente Amazon
5つ星のうち5.0 ottimo
2017年8月3日にイタリアでレビュー済み
Amazonで購入
ottima qualità per un bel film classico. I punti deboli si questi DVD sono gli extra, per il resto sempre bene
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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Harro Skapinskas
5つ星のうち4.0 Long but worth it.
2021年11月22日にオーストラリアでレビュー済み
Amazonで購入
An interesting story line that keeps you interested throughout the whole movie. Worth getting.
Dave Carter
5つ星のうち5.0 An excellent way to get Major Dundee in High Definition.
2016年11月7日に英国でレビュー済み
Amazonで購入
I found this Italian Sony Blu Ray to be fantastic value at around a fiver - everything on the disc reads and plays in English straight-off, and it is region-free. The picture quality is quite dazzlingly good, especially compared to what you may have experienced on past TV showings of Major Dundee. It has only the great new instrumental soundtrack (not the corny old one with all that terrible singing) which enhances the movie and sounds wonderful in 5.1 HD DTS. You also get all of the old extras from the dvd with just the exception of any feature commentary; still the Sierra Charriba Blu Ray is the real deal. And what a great cast! Go for it, Chuck.
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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