戦後<現代思想>界の名編集長三浦雅士が再度デスクに座り、硬軟取混ぜたテーマで、15年にわたり71冊刊行された現代思想雑誌。雑誌「現代思想」は今の健在である。日本でも硬派の総合雑誌が廃刊に追い込まれているのは、インターネット広告の影響力による。本誌もそのあおりを受けての廃刊だと噂される。その情況を皮肉るかのごとき、最後の特集は「ニヒリズムの現在」である。色々な領域におけるニヒリズムとの色々な情況を分析的に詳論する。東洋的な<無>の世界とは一線を隔す<ニヒリズム>は、ニーチェが大きな役割を果たして、19世紀以降の思想界に大きな影響を与えた痕跡を描いた論文集でもある。野家啓一氏の「生態学的ニヒリズムの行方」はその思想史的意義を跡付けている。他にも現代の情況を象徴する著者佐伯啓思、松原隆一郎、仲正昌樹、三嶋憲一、貫成人、石井洋二郎などの著者が様ざま観点から議論しており、刺激的な論文集となっている。
なお最終号であるため総目次を付し、その有終の美を飾る1冊でもある。
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大航海 2009年 07月号 [雑誌] 雑誌
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