名作ホラー映画「ゾンビ」のサウンドトラックです。「ゾンビ」のサントラは数バージョン存在しますが、こちらはダリオ・アルジェント監修版に使用された楽曲が収められています。日本で劇場公開されたのもアルジェント版がベースなので、当時劇場で見てる人はこのサントラがしっくりくるはず。 私は小学生の時にテレビで見たのが最初だったのですが、幼かったこともあって音楽の記憶はほとんどありません。物心付いてからまともに見たのは、高校生になってCICビクターから発売されたビデオを買ったとき。それが北米公開バージョンだったのと、今持っている各バージョンのDVDの中でもやはり北米公開版が気に入ってるので、実はアルジェント版「ゾンビ」にはあまり馴染みがありませんでした。ですので印象のない曲も何曲か入っていました。でもこのアルジェント版のサントラからも多数の曲が北米公開版で使われ強い印象を残しているので充分楽しめました。 演奏しているロックバンド「ゴブリン」は、バンド結成当時からアルジェントが深く関わっており、アルジェントの映像作品に通じる様式美的恐怖感が強く感じられます。鬼気迫るスリリングな曲は、数あるホラー映画のサントラの中でも恐怖度が高く、不安感を煽ります。時に激しく、時に美しく、その使い分けが見事です。 ちなみに北米版のサントラDawn of the Deadにはゴブリンは入っていません。収められている曲はゴブリンのような曲らしい曲ではなく、単調な音の繰り返しを繋ぎ合わせたようなBGM的な曲が中心です。それはそれでのそのそ歩くゾンビのような静かな不気味さはありますが、音楽として聞いて楽しいのはゴブリンのアルジェント版だと思いました。ただ、北米公開版にはスーパーマーケットで流れる「パラッパッパ、パラッパッパ、パラッパパラパラパッパッパ」という妙に陽気なあの曲が収められています。 ファンならばきっとこのどちらか片方を買ったら、絶対にもう片方も欲しくなると思います。。。