長年世話になったワーナーとの契約を解除し、キャピトルに移籍した理由は知らないが、ワーナー時代の軽快なダンサブルナンバー中心だったアルバム構成が移籍によりアーバン・ミディアム中心と変化した。
勿論ブラック・コンテンポラリー・ミュージック(すっかり死語)が主流となった80年代前半と言う時代を反映した事もあるが、個人的にはワーナー時代のウキウキダンスミュージックの方が好きだ。
とは言えこのデュオはどんな音楽をやらせても素晴らしいのに変わりはなく、本アルバムもオペラなんて言う仰々しいタイトルは付いているが、実に心地良いブラコンアルバムに仕上がっている。
CDでは1曲目から9曲目まで通しで聴く事が可能だが、本アルバムがLPとしてリリースされた際にはA面B面に分かれ、B面にはアルバムタイトルにある様5曲目以降は"Street Opera"と言うコンセプトに括られており
出来れば4曲目終了後一旦ポーズして、5曲目以降を改めて聴くことをお薦めする(但し英語歌詞がよく解らないと余り意味ないが)。
アルバムトップを飾る"Love It Away"はセカンドシングルになっただけあって、ヒット・ポテンシャルの高いアーバン・ミディアム。ソウルチャートでは最高位20位を記録している。
2曲目も同様のアーバン・ミディアム。3曲目は若干ダンサブルだが、ワーナー時代のダンサブルナンバーのような華やかさはない。
4曲目はしっとりスロー。奥さんのソウルフルではないが美しい歌声が映える映える。旦那さんのサポートも実に堂に入ってます。流石オシドリ夫婦。
5曲目からは上述の様にコンセプト形式になっていて、曲間の切れ目がないが、パート2からパート3への流れが実にカッコイイ。
"Street Corner"はファースト・シングルだからキャッチーなのは当たり前だが、ハンドクラップが入ったりしてアルバム中最もファンク・テイストが感じられる。ワーナー時代とは明らかに違う音だが。
8曲目は歌詞は悲しい結末なのに、何気にゴージャスなバックのスロウ・ナンバーだが曲的にはアルバム中最も地味な存在。
惜しむらくは次作"High Rise"に収録された"Experience(Love Had No Face)"の様な痺れる傑作ミディアム・ナンバーがなかった点か。