BBC版ニコラ・パジェット主演とキイラ・ナイトレイ主演の2本も見ました。
一番好きなのが、このソフィ・マルソー主演、バーナード・ローズ監督で映画化された作品です。
とにかく洗練された画面とセリフ、そしてロシアで撮影されただけあり、
冬の夜の寒さまでよく表現されていて、臨場感が伝わってきます。
風景が情景としての役割を見事に雄弁に果たしているだけでなく、室内装飾や衣装、美術も
当時のロシア文化を可視化していて、素晴らしい!!
イザベル・アジャーニもソフィー・マルソーも、フランス女優は
目の演技とともに、セリフのない演技がとても上手です。
夫カレーニンとのせめぎ合いのシーンはセリフとともに洗練されて秀でていると、
監督を改めて調べたら、脚本もバーナード・ローズ監督が手がけていました。
だから、作品全体に統一感があり、完成度高いものに仕上がったのではないでしょうか。
見終わったあとに、「アンナ・カレーニナ」の原作者トルストイがリアリズムの巨匠と評価され、
この作品でも厳密な言葉の選択と修辞学を排した直截的な文体が用いられたとあり、
見事に原作の素晴らしさを伝えることのできた、この映画化の成功を実感しました。
アンナそのもののようなリアリティを感じさせるソフィー・マルソーの演技と、
自殺寸前に幼少時の記憶が挿入される編集には、感動して、心に余韻として残りました。
恋するヴロンスキー伯爵を演じたショーン・ヴィーンよりも、
BBC版のスチュワート・ウィルソンの演技のほうが、魅力的な人物として映りました。
特に、初めて恋心を列車の外で打ち明けるときに、青年将校とはいえ、
大人同士の恋愛関係へ踏み切る告白にふさわしいように感じました。
一方、ショーン・ヴィーンは、苦悩する不倫関係に陥っていく様子を上手に演じていて、
キャスティングの成功が伺えます。
アンナが列車の中で、本をペーパーナイフでページを切り離している場面を見て、
私が幼少の頃、亡き実父も、取り寄せた洋書を同じように
ペーパーナイフで1ページづつ切り離してから読んでいたことを思い出しました。
亡父も海外の映画を食い入るように見て、ファッションや室内装飾や、当時の所作や礼儀作法を、
知識として吸収していたことを思い出しました。間違いなく、秀作です。
アンナ・カレーニナ [DVD]
¥4,490 ¥4,490 税込
フォーマット | 色, ドルビー, 字幕付き |
コントリビュータ | ソフィー・マルソー, バーナード・ローズ, アルフレッド・モリーナ, ショーン・ビーン |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 48 分 |
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商品の説明
◇アンナ・カレーニナ
10月23日発売■VMSS-10■税込2,940円■税抜2,800円■POS:4537243500104
1997年イキ゛リス・アメリカ■カラー■音声:英語 ト゛ルヒ゛ーテ゛シ゛タルステレオ■字幕:日本語■片面1層■画面サイス4:3■収録分数108分
発売元:エムスリイエンタテインメント
(C) 1997 ANNA K. PRODUCTION C.V.
(キャスト)
ソフィー・マルソー ショーン・ビーン アルフレッド・モリーナ ミア・カーシュナー ジェームズ・フォックス
(スタッフ)
監督・脚本: バーナード・ローズ、原作: レオ・トルストイ
(ストーリー)
ロシアの生んだ世界的な文豪レオ・トルストイの不朽の名作、7度目の映画化。1880年のモスクワ。伯爵夫人のアンナは、軍人のブロンスキーと駅で出会い、そのまま恋に落ちてしまう。だが、二人の関係は事実上の不倫であり、当時の社会通念では決して許されるものではなかった。真実の愛を貫くため、アンナは離婚を決意するが、残酷な運命が彼女を襲う。文学史上に名高いヒロインにフランスの人気女優S・マルソーが扮し、青年将校との宿命的な恋をドラマティックに体現する超大作。
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4537243500104
- 監督 : バーナード・ローズ
- メディア形式 : 色, ドルビー, 字幕付き
- 時間 : 1 時間 48 分
- 発売日 : 2009/10/23
- 出演 : ソフィー・マルソー, ショーン・ビーン, アルフレッド・モリーナ
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
- 販売元 : ビクターエンタテインメント
- ASIN : B002HXO6OE
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 22,129位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 347位外国のラブロマンス映画
- - 1,923位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年10月15日に日本でレビュー済み
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2020年6月4日に日本でレビュー済み
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アンナ・カレーニナとヴロンスキーが再会する舞踏会の映像としての美しさが最高です。もっとも、踊るシーンの多くはキティです。キティはアンナの裏側の主役です。音楽がチャイコフスキーの白鳥の湖のワルツで、これも最高の組み合わせでしょう。ただ、音楽はショスタコビッチやハチャトリアンのワルツの方が良かったと思う。映画の後の方で、ヴロンスキーがチャイコフスキーのオペラ「エフゲニー・オネーギン」を見るシーンがあります。これは象徴的で、というのも、トルストイが「アンナ・カレーニナ」の執筆中にこのオペラが作られていて、それをトルストイは見ているからです。オペラの第3幕の冒頭に舞踏会があります。そもそも、「アンナ・カレーニナ」が「エフゲニー・オネーギン」の続編みたいなストーリーになっています。キティもアンナも「エフゲニー・オネーギン」のタチアナでしょう。
2014年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アンナ・カレーニナの映画化作品として、これが最高傑作です!(言い切った!)
全てがドラマチック。生涯、何度でも繰り返し観る作品です。もぅ、感動の嵐です…。
原作者と同じロシアのピョートル・イリノイッチ・チャイコフスキーの音楽が、悲しいほど美しく全編に響き渡ります。
駅でのシーンが幾つかあり、いずれもセリフがカッコ良く、演出もとても印象的です。
舞踏会、バレエ、競馬場、ヴロンスキィがアンナを抱いて階段を降り連れ去るシーン等々、華やかな見処ばかり。
監督バーナード・ローズの《ベートーヴェン不滅の恋》も大好きですが、甲乙つけがたいです。
(このアンナが好きな人は、《不滅の恋》も絶対に気に入る!)
私は、レフ・ニコラェウィッチ・トルストイの、原作の愛読者で、
ロシア語は分からないので、数人の訳で読み、北御門二郎版を一番気に入っているのですが、
アンナの映画化は、ほぼ観ました。中途半端に二人の恋愛模様に焦点を当てたメロドラマ要素の物が多いです。
間違い無く、ソフィー・マルソーが、最も深く強烈にアンナに共鳴(というか同化!)しており、他の女優では比較にもなりません。
そして、バーナード・ローズが、最も、トルストイの思想に寄り添っていると思えます。
日々の単調な繰り返しこそが幸せだ、というメッセージを示す、農耕のシーンを入れた処が、非常に意味深いのです。アンナを愛する作家ミラン・クンデラ(ノーベル賞に値すると思っているのですが)も、牧歌的という事を書いています。
ソフィー渾身の、魂を込めたアンナ。うなるほど素晴らしい…。
いつもは可愛く親しみ易いソフィーですが、気取った上品な仕草を身につけ、
優雅で朗らかな落ち着いた貴婦人ぶりは、原作のアンナそのものでした。
華麗な舞踏会のシーンでは、シックな衣装の選択も絶妙。可憐な愛くるしいキティ嬢が、小気味良い程に引き立て役になってしまって、痛快です(笑)うら若く可愛いみんなのアイドルが、目一杯飾り立てて来たというのに、ことさら目立たない様に振る舞うアンナの、隠しきれない色香や耀く魅力に気圧されてしまう。ヴロンスキィが心を移すのも仕方なし、と納得です。ほんとに原作に忠実ですよ。
ショーン・ビーンの、ソフィー・マルソーの最高傑作。
全てがドラマチック。生涯、何度でも繰り返し観る作品です。もぅ、感動の嵐です…。
原作者と同じロシアのピョートル・イリノイッチ・チャイコフスキーの音楽が、悲しいほど美しく全編に響き渡ります。
駅でのシーンが幾つかあり、いずれもセリフがカッコ良く、演出もとても印象的です。
舞踏会、バレエ、競馬場、ヴロンスキィがアンナを抱いて階段を降り連れ去るシーン等々、華やかな見処ばかり。
監督バーナード・ローズの《ベートーヴェン不滅の恋》も大好きですが、甲乙つけがたいです。
(このアンナが好きな人は、《不滅の恋》も絶対に気に入る!)
私は、レフ・ニコラェウィッチ・トルストイの、原作の愛読者で、
ロシア語は分からないので、数人の訳で読み、北御門二郎版を一番気に入っているのですが、
アンナの映画化は、ほぼ観ました。中途半端に二人の恋愛模様に焦点を当てたメロドラマ要素の物が多いです。
間違い無く、ソフィー・マルソーが、最も深く強烈にアンナに共鳴(というか同化!)しており、他の女優では比較にもなりません。
そして、バーナード・ローズが、最も、トルストイの思想に寄り添っていると思えます。
日々の単調な繰り返しこそが幸せだ、というメッセージを示す、農耕のシーンを入れた処が、非常に意味深いのです。アンナを愛する作家ミラン・クンデラ(ノーベル賞に値すると思っているのですが)も、牧歌的という事を書いています。
ソフィー渾身の、魂を込めたアンナ。うなるほど素晴らしい…。
いつもは可愛く親しみ易いソフィーですが、気取った上品な仕草を身につけ、
優雅で朗らかな落ち着いた貴婦人ぶりは、原作のアンナそのものでした。
華麗な舞踏会のシーンでは、シックな衣装の選択も絶妙。可憐な愛くるしいキティ嬢が、小気味良い程に引き立て役になってしまって、痛快です(笑)うら若く可愛いみんなのアイドルが、目一杯飾り立てて来たというのに、ことさら目立たない様に振る舞うアンナの、隠しきれない色香や耀く魅力に気圧されてしまう。ヴロンスキィが心を移すのも仕方なし、と納得です。ほんとに原作に忠実ですよ。
ショーン・ビーンの、ソフィー・マルソーの最高傑作。
2013年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原作の優雅内なイメージとはほど遠く、重複複製のせいか良くない。
2014年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これは よかった!!
トルストイ影武者は ちょっとわずらわしいかも
本を読んでいたので 幕間が飛んでも 思い出しながら 楽しめました
トルストイ影武者は ちょっとわずらわしいかも
本を読んでいたので 幕間が飛んでも 思い出しながら 楽しめました
2014年7月20日に日本でレビュー済み
Blu-ray発売希望です!宜しくお願いします。良い画像で見たい
2015年9月13日に日本でレビュー済み
何年たっても、またみたくなる作品。
汽車の前に飛び込む前の、ソフィーマルソーのかすかな笑顔が、忘れられない。
フランス革命から百年近くたっても、
旧制ロシアとは、こんな感じだったのか、と少し驚かされますが、日本の源氏物語にも重なるような、女性の心情は万国共通の感もあり。
トルストイの原作は、さすがにスビード感に欠けるきらいもありますが、
コンパクトにまとめた割に、この映画は真髄はついていると思います。
汽車の前に飛び込む前の、ソフィーマルソーのかすかな笑顔が、忘れられない。
フランス革命から百年近くたっても、
旧制ロシアとは、こんな感じだったのか、と少し驚かされますが、日本の源氏物語にも重なるような、女性の心情は万国共通の感もあり。
トルストイの原作は、さすがにスビード感に欠けるきらいもありますが、
コンパクトにまとめた割に、この映画は真髄はついていると思います。
2014年7月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主演女優ソフィーマルソーのファンなら 3つのアンナカレーニナ作品のうち
この作品をベストと推奨するのは当然だが
他の主演女優(グレタガルボ・ヴィヴィアンリー)ファンは如何でしょうかな
この作品をベストと推奨するのは当然だが
他の主演女優(グレタガルボ・ヴィヴィアンリー)ファンは如何でしょうかな