ハリウッドで「バディムーヴィー」はもう「超定番」だ。
デコボココンビを配置することで、観客はそのギャップに驚き、楽しむ。
しかし日本人から観ると、アメリカンジョークに彩られた作品はあまり面白くない。
肝心のセリフの「妙」が聞き取れないのが最大の難点だが、人種や格差による
違いは、日本ではあまりよく分からないのも要因だろう。
その点、本作は安心して観られる作品になっている。
サム・ジャクソンとユージン・レヴィが組む、と聞いただけでもう面白さは保障された
ようなものだが、実際は想像を超える「娯楽バディムーヴィー」に仕上がっていた。
サム・ジャクソンは普段と変わらぬ芝居だが(笑)、ユージン・レヴィは役柄で
演技を変えることができる素晴らしい俳優だ。
今回も「こいつ面倒くせえ」と思わせる口八丁のセールスマン役で、笑いの渦に巻き込む。
ユージンじゃなかったら、ずいぶんと印象の違う作品になっていたのでは。
デトロイトにたまたま歯磨きを売りに来たセールスマンが、犯罪組織との抗争に
突如巻き込まれる。脚本次第では凄く怖いサスペンスにも出来そうだが、
ユージンは危機また危機を、全て笑いに転化させる。
誤って拳銃を受け取ってしまうシーンなど、本当に大笑いできる「迷場面」だ。
特典映像は予告のみだが、DVDにしては画質も上々であり、中身も面白いので
ぜひ勧めたい作品だ。星は4つです。