Ianの確か6枚目のソロアルバム。
IanがStone Roses以後、模索していた音楽探求が遂に頂点に達した記念すべき最高傑作。Roses時代の音楽性を敢えて避けて、独自のホワイト・ファンクを追及してきたIanの音楽がそのクリエイティヴィティに於いてピークに達した事が判る音楽。この作品でIanはとうとう元Rosesの桎梏から脱却して、完全なソロアーティストとして見事一人立ち出来た事を証明した名作。これで「元Rosesの・・・」という肩書が完全に不要になったアルバム。
だと思ってたら、Roses再結成でソロは一時中断。ここから新しいIanの音楽的遍歴が始まると思っていた人間としては少々がっくりきたのも真実でした。Roses再結成は嬉しかったし、そのライブもフジで観て盛り上がりましたが、今までRosesの過去を否定してきて、違うアプローチで音楽を探求してきた努力が無駄になるのでは、とか今までのソロのキャリアを否定する事になるのではと思って複雑な心境になりました。こういう風に思った方は多分世界で10人に満たないかもしれませんが、ファンとしての正直な気持ちです。
そういえば、これが出た頃のライブをフジで観たのですが、裏がAFPでそちらに客を獲られたせいか、あまり客が少なくて寂しかったです。ライブ自体は良かったですが・・・。Roses再結成ライブの時も他のヘッドライナーがRadioheadで各音楽誌の表紙は持ってかれてましたね。こちらも少し残念でした。
ともあれ、これが傑作である事は論を待たない事実だと思います。必聴。