商業映画に戻ってきたゴダールの復帰第2作目といわれる作品で、1982年に劇場公開された映画。
今回、僕は初めて見たが、話は簡単で、名画を映画で再現しようとしている主人公の監督が、「光に思想がない」とかなんとか言って、いつまで経っても映画を完成させる事ができない。
また、私生活では二人の女性との三角関係で心は揺れている。
そして、ついにスケジュールも予算も超過してしまい、映画製作中止の危機が迫ってくる。
そして最後は、映画は中断し、製作陣は解散してしまい、ジ・エンドといった単純な物語。
しかし、この映画、ストーリーを追ってるだけでは全く面白くないが、映像の美しさを楽しむのであれば余りあるくらい素晴らしい。
ファースト・シーンの飛行機雲の描写が群を抜いているが、それ以外にも、ただの街並み、自然、車、雪道などをこんなにも印象的に、美しく見せてくれる映画はなかなか無いような気がする。
そして、それは、ゴダールが作り出す構図の見事さであり、映像の色彩感覚の賜物だと思う。
88分と短い作品ではあるが、映像の断片を楽しむだけでも十分満足できる、美的感覚に優れた映画だと思う。
パッション 【ベスト・ライブラリー 1500円:第4弾】 [DVD]
フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | ジャン=リュック・ゴダール, イザベル・ユペール, ミッシェル・ピッコリ, ハンナ・シグラ |
言語 | フランス語 |
稼働時間 | 1 時間 28 分 |
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商品の説明
【1982年カンヌ国際映画祭でフランス映画高等技術委員会賞受賞!】
映画撮影隊の混乱した現場をヨーロッパの名優陣を揃えて描く。ゴダール・ファンに人気の高い一作。
スイスらしい風景の村で撮影隊が映画の撮影中。監督はポーランド人のジェルジー、プロデューサーはハンガリー出身のラズロ(L・サボ)、助監督のパトリックはスイス人、撮影監督のクタールはフランス人とスタッフはヨーロッパ各国の混成。彼らがヴィデオで撮っている『パッション』とは、レンブラントやドラクロアの名画を生きた人物で再現しようというもの。膨大な予算を投じ、撮影が始まって四ヵ月も経つというのに、監督は光の具合が気にくわぬとNGの連発で・・・。
■1982年スイス・フランス映画/1983年劇場公開
■カラー
■本編:約88分
■4:3(スタンダードサイズ)
■片面2層
■音声:フランス語(2.0chモノラル)
■字幕:スペイン語・ポルトガル語・日本語
《特典》
コリン・マッケイブによる作品紹介、ポスター(静止画)、写真ギャラリー(静止画)
☆3万円が当たる!!チャンス7キャンペーン☆
商品に封入されている専用ハガキに印字されている7桁の数字と、毎週金曜日にジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントのホームページにて発表する当選番号が一致すると現金3万円がもらえる!毎週5名様に当たる、総額360万のドリームボーナス!
※番号が一致しましたらその当選ハガキにてご応募ください。
キャンペーン期間:2009年7月10日~2010年1月31日
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : フランス語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4988102749538
- 監督 : ジャン=リュック・ゴダール
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 1 時間 28 分
- 発売日 : 2009/11/6
- 出演 : ハンナ・シグラ, ミッシェル・ピッコリ, イザベル・ユペール
- 字幕: : 日本語, ポルトガル語, スペイン語
- 言語 : フランス語 (Mono)
- 販売元 : ジェネオン・ユニバーサル
- ASIN : B002M2DWJA
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 256,082位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 25,702位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2006年2月1日に日本でレビュー済み
本編は約88分となっており、これは劇場公開時と同じ上映時間です。
今回は適切なマスターを使用して商品化されているようで、
正常な形で鑑賞できることがまず喜ばしい事と思えます。
画質に関しては最近再公開されたリマスターのフィルムを
使用せられているためか、比較的良好。初公開時・ヴィデオ発売時に
行なわれていた不粋なぼかし処理も消滅して、まともな形で
鑑賞することが可能になりました。
『パッション』といえば最近メル・ギブソン監督作品が話題になりましたが
スイスの寒々しい光景を自然光撮影を得意とするラウル・クタールが撮影監督として
14年ぶりに復帰して話題になった本タイトルも注目に値する作品と云えましょう。
飛行機雲を追った冒頭部分のショットはゴダールがatonと共同開発した
手持ちカメラでの監督本人による撮影です。
特典として55分にわたるヴィデオ作品『パッションのためのシナリオ』が収録
されています。これは映画公開後に改めて製作され、ゴダール本人によって
映画が作られるに至った経緯や役者、スタッフ達との日々の齟齬や映画製作の
労苦を比較的率直に語った映像で、独立した作品としてフィルモグラフィーに
数えられています。特典映像としても資料価値的にも収録されている事は
大変有難いです。このような点は他のメーカーも大いに見習って頂きたいものです。
今回は適切なマスターを使用して商品化されているようで、
正常な形で鑑賞できることがまず喜ばしい事と思えます。
画質に関しては最近再公開されたリマスターのフィルムを
使用せられているためか、比較的良好。初公開時・ヴィデオ発売時に
行なわれていた不粋なぼかし処理も消滅して、まともな形で
鑑賞することが可能になりました。
『パッション』といえば最近メル・ギブソン監督作品が話題になりましたが
スイスの寒々しい光景を自然光撮影を得意とするラウル・クタールが撮影監督として
14年ぶりに復帰して話題になった本タイトルも注目に値する作品と云えましょう。
飛行機雲を追った冒頭部分のショットはゴダールがatonと共同開発した
手持ちカメラでの監督本人による撮影です。
特典として55分にわたるヴィデオ作品『パッションのためのシナリオ』が収録
されています。これは映画公開後に改めて製作され、ゴダール本人によって
映画が作られるに至った経緯や役者、スタッフ達との日々の齟齬や映画製作の
労苦を比較的率直に語った映像で、独立した作品としてフィルモグラフィーに
数えられています。特典映像としても資料価値的にも収録されている事は
大変有難いです。このような点は他のメーカーも大いに見習って頂きたいものです。
2013年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まあ、ファンアイテムでしょうけどゴダールの何が表現したいのかわからない惰性作そのもの
2013年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ゴダールが描きたかったものなんだろうけど芸術とは言えない。オナニー映画。
2008年6月22日に日本でレビュー済み
アートです。
映画制作の舞台裏を描いているのですが、その映画が絵画をモチーフにしたアートな作品です。しかし製作の遅れや、資金不足の問題。ほかにも撮影場所の村でのいざこざや、労働問題など、シリアスなできごとに悩まされながらも、映画撮影は進んでゆきます。そこは華々しき芸術のけだるい世界です。
映画制作の舞台裏を描いているのですが、その映画が絵画をモチーフにしたアートな作品です。しかし製作の遅れや、資金不足の問題。ほかにも撮影場所の村でのいざこざや、労働問題など、シリアスなできごとに悩まされながらも、映画撮影は進んでゆきます。そこは華々しき芸術のけだるい世界です。
2012年2月15日に日本でレビュー済み
劇中の映画製作の中で、ゴヤなどの名画を “活人画” として再現しているのですけど
その静止画は、ハッと息を呑むような美しさを見せているんですよね。
画が動いてこその “映画” だけれども
止まった画で、映画的に見せるゴダール・・・・
その静止画は、ハッと息を呑むような美しさを見せているんですよね。
画が動いてこその “映画” だけれども
止まった画で、映画的に見せるゴダール・・・・
2003年11月16日に日本でレビュー済み
作風はかなりドキュメンタリータッチです。歴史に残る名作絵画を映画で表現しようと試みる映画監督とスタッフ、そして撮影現場近くで生活している工場の経営者、そこで働く女工たちが織り成すストーリーです。正直ストーリーそのものは腕を組み、眉間にしわを寄せて観るようなものではありません。気楽に「映画作りの舞台裏作品」としてみると良いと思います。分かりづらいシーンなどもありますが、それほど気にすることはないと思います。
この作品で注目したところは、ストーリーよりも映画全編に漂う雰囲気です。この作品では照明などは使わずに、光と影を巧みに表現しています。劇中に光と影について「昼と夜が見える」「開放的と閉鎖的」「誰だって二つの間で探してる」「影というものは存在しない、光の反映でしかない」というセリフがあります。フランス映画に限らず、ヨーロッパ映画では自然の光と限られた照明のみで演出している作品が数多いように思いますが、この映画を見終わったとき「なるほど、光と影の演出にはこういう意味があったのか!!」と思いました。
欧米人はとかく物事を対比したがる傾向があると何かで読んだことがありますが、この映画ではその一端を知る事ができ、他のヨーロッパ映画を観るときに今までとは違った角度から考えることが出来るかと思います。そういう意味で興味深い作品でした。
この作品で注目したところは、ストーリーよりも映画全編に漂う雰囲気です。この作品では照明などは使わずに、光と影を巧みに表現しています。劇中に光と影について「昼と夜が見える」「開放的と閉鎖的」「誰だって二つの間で探してる」「影というものは存在しない、光の反映でしかない」というセリフがあります。フランス映画に限らず、ヨーロッパ映画では自然の光と限られた照明のみで演出している作品が数多いように思いますが、この映画を見終わったとき「なるほど、光と影の演出にはこういう意味があったのか!!」と思いました。
欧米人はとかく物事を対比したがる傾向があると何かで読んだことがありますが、この映画ではその一端を知る事ができ、他のヨーロッパ映画を観るときに今までとは違った角度から考えることが出来るかと思います。そういう意味で興味深い作品でした。
2007年7月9日に日本でレビュー済み
映画監督ゴダール作品である「Passion(パッション)」は、私がもっとも好きな映画作品の一つである。
もっとも映画を考えるとき、映画が、単なる娯楽なのであるか、音楽や美術のような芸術の領域のものであるかについて、極めて複雑微妙な判断をしなければならないが、映画というジャンル全体を芸術ということはできないものの、この映画作品は、紛れもなく芸術作品であるといえる。
私の尊敬するある芸術家は、作曲家ベルクに関して、「作品というものは迷路のようなものでなければならず、その中で人が道に迷い得るようなものでなければならない。一回で決定的にその道筋が発見されてしまうような作品は、神秘を欠いた、平板な作品である。作品の神秘とは、まさに、多くの水準における読みとりによる多価値性というものである。」と述べたが、正しく、この概念こそ芸術性を定義するものといえよう。
ゴダールの作品は、そのほとんどが迷路のようなものであり、見るものを錯綜させる。しかし、その中で、指標となるもの(すなわち抽象的なある印象的な場面)が存在し、それが、作品全体と有機的に関連しているのである。これにより、見るものは、これら指標を手がかりにしながら、少しずつ迷路の全体像をつかむことができる(多価値性を見出す)。
たとえば、パッションにおいては、冒頭の飛行機雲、解雇されたイザベルが木にぶら下がるシーン、「貧しきものは正しい」と語る老人、散りばめられるように挿入されたドヴォルザークのピアノ協奏曲などがいえる。
パッションは、極めて禁欲的な作品ではあるが、これ程見るものを引き付ける作品はない。ハリウッド映画に見慣れたものにとっては、つまらないものと思われるが、使い捨てのような作品に満足することに懐疑心を感じるのであれば、これをお勧めしたいと思うところである。
もっとも映画を考えるとき、映画が、単なる娯楽なのであるか、音楽や美術のような芸術の領域のものであるかについて、極めて複雑微妙な判断をしなければならないが、映画というジャンル全体を芸術ということはできないものの、この映画作品は、紛れもなく芸術作品であるといえる。
私の尊敬するある芸術家は、作曲家ベルクに関して、「作品というものは迷路のようなものでなければならず、その中で人が道に迷い得るようなものでなければならない。一回で決定的にその道筋が発見されてしまうような作品は、神秘を欠いた、平板な作品である。作品の神秘とは、まさに、多くの水準における読みとりによる多価値性というものである。」と述べたが、正しく、この概念こそ芸術性を定義するものといえよう。
ゴダールの作品は、そのほとんどが迷路のようなものであり、見るものを錯綜させる。しかし、その中で、指標となるもの(すなわち抽象的なある印象的な場面)が存在し、それが、作品全体と有機的に関連しているのである。これにより、見るものは、これら指標を手がかりにしながら、少しずつ迷路の全体像をつかむことができる(多価値性を見出す)。
たとえば、パッションにおいては、冒頭の飛行機雲、解雇されたイザベルが木にぶら下がるシーン、「貧しきものは正しい」と語る老人、散りばめられるように挿入されたドヴォルザークのピアノ協奏曲などがいえる。
パッションは、極めて禁欲的な作品ではあるが、これ程見るものを引き付ける作品はない。ハリウッド映画に見慣れたものにとっては、つまらないものと思われるが、使い捨てのような作品に満足することに懐疑心を感じるのであれば、これをお勧めしたいと思うところである。