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それから [DVD]

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それから [DVD]
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コントリビュータ 筒井ともみ, 森田芳光, 中村嘉葎雄, 小林薫, 森尾由美, 藤谷美和子, 松田優作, 風間杜夫, 夏目漱石, 美保純
言語 日本語
稼働時間 2 時間 10 分

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登録情報

  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 梱包サイズ ‏ : ‎ 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
  • EAN ‏ : ‎ 4988101146673
  • 監督 ‏ : ‎ 森田芳光
  • メディア形式 ‏ : ‎
  • 時間 ‏ : ‎ 2 時間 10 分
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/11/1
  • 出演 ‏ : ‎ 松田優作, 藤谷美和子, 小林薫, 風間杜夫, 美保純
  • 販売元 ‏ : ‎ 東映ビデオ
  • ASIN ‏ : ‎ B002MBCHGA
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
  • カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世の中の常識からはずれると、非常識者として、はみ出し者になるとわかりました。
2024年3月26日に日本でレビュー済み
1 夏目漱石の原作の内容
江藤淳によれば、『それから』は自分の足元だって危ないくせに社会を高みから眺めるインテリの転落を通じて、日本の近代化を批判した小説だという。

主人公代助の性格には「一方に於て社会的類型であり、他方において『我執』に取り憑かれた個人」という二面性があり、文明批評的性格が表に出ているため、三千代との恋愛は明瞭ではない。

二面性のうち社会的類型の面では、代助は家制度下における長井家の次男坊として、家長の扶養に甘んじる経済的基盤の薄弱な人物だが、そこから脱け出そうともせず、「こう西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がないから、ろくな仕事はできない。道徳の敗退もいっしょに来ている。僕一人が、何といったって、何をしたって、しようがないさ」と、文明批判を口実に仕事にさえ就かない。
これに対して漱石は、三千代に「私よく分からないわ。けれども、少し胡麻化していらっしゃるようよ」と批判させている。「高等遊民」なるものは所詮浅薄なものだという、インテリの戯画化である。

我執の面でも、好きな女三千代と友人の結婚を周旋して自己犠牲を見せながら、最後は徹底できずに彼女に引き寄せられていき、自分の言葉を裏切り、友人を裏切ってしまう。
その結果、あっけなく経済基盤を失った代助は電車に揺られながら、「日本の風土と近代化との間に生じる不協和音、炎症という現実」(江藤)そのもののようなジリジリ焦げ付く世の中の動きを初めて実感し、「自分の頭が焼け尽きるまで電車に乗ってゆこうと決心」するのである。

2 家制度の影響
集英社文庫版の石原千秋の解説には、作品の背景である家制度が詳しく書かれている。
当時の家制度は明治以前の公家、武家の慣習を法制化したもので、家長は財産管理、家族の居所指定、婚姻同意の権限を持つ反面、家族の扶養義務を負う。
男性血族の継承が重視され、家督は長男の単独相続。亡くなったら次男が引き継ぐ。三男以下は無用の存在だから分家していく。

次男は長男に事があった場合の予備、代役だから、長男の承継者の目途が立つまで家族の中で扶養され続ける。まさに代助は代役で、扶養されるがまま好き勝手にしているが、長男の息子が大きくなってきたこともあり、お役御免の時期が近付いている。

代助の結婚話が急に進むのは、①分家させて今後の扶養義務を免れること、②贈収賄事件の余波で一家の事業が危うくなる中、地主階級を一族に取り込むこと――という実家の2つの意図によるものだという。

また、当時の刑法には姦通罪があり、「有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ」とされていた。民法にも、姦通によって離婚または刑の宣告を受けた者は相姦者と婚姻することはできないとの規定があった。
仮に代助と三千代が肉体関係を結んでいたとすれば、平岡の告訴次第で2人は刑事罰を受けるばかりか、刑を終えた後も結婚できなかったはずだが、小説ではその一歩手前で踏みとどまった形になっている。

3 映画との差異
原作はインテリの転落物語だが、森田監督はそうした社会的側面ではなく、恋愛に焦点を当てており、その理由を次のように語っている。
「愛に飢えた男女が言葉遊びをやっていると考えれば、こんな現代風な恋愛ゲームはないんじゃないかと思えてくる。そこまで漱石が描こうとしてたかどうかは分かりませんが。僕は、この漱石ロマンの根底にある"純愛"も今だからこそ新しい愛の形だと思うんです」

そのためかもしれないが、原作の文明批評的な要素がかなり削られており、高等遊民の脆弱な立場や、代助の虫の良すぎる言い分がよくわからない。

また、原作では代助が実家から結婚にじりじり追い詰められていくさまがしつこく描かれているのに、映画ではあまり緊迫感が感じられない。だから実家からの追及が激しくなればなるほど、代助が八千代に引き寄せられていく流れが伝わってこない。

4 映像について
1)映像美への拘り
冒頭に近く印象的なのは、代助と平岡が再会を祝して飲むビールのグラスに夕陽が差し込み、キラキラ黄金色に輝くところだろう。さらに古い街灯の柔らかな光に照らされた石畳の道、路面電車、逆光に輝く屋台店…等々。
これらはやがてセットの書割的安っぽさが鼻についてくるのだが、全体的に華やかながら落ち着いた色調の画面、女性たちの和服姿、洋館の佇まい等、レトロで美しい画面作りは秀逸である。

2)イメージカットの意味
①百合の象徴するもの
百合はさまざまな象徴に利用されるが、ここでは清楚と男根を意味する。
結婚前の三千代と代助が百合を囲んで向き合うとき、百合は清楚の象徴だ。
次に、再会したとき三千代が買い求めてきた百合は、もはや清楚ではなく、夫に邪険にされ寂しい人妻の性的ニュアンスを漂わせている。
最後に代助が三千代に告白する時は、2人の背後に大きな百合の生花が置かれている。これは2人の関係がプラトニックから、肉体的な性愛に移行することを暗示しているのである。

②電車内のシーン
シーンⅰ)夕日の射す電車内に代助1人が乗っており、そのまま夕焼けに向かい走っていく。

これは代助の経済的基盤の脆弱さを比喩的に描写した、原作の次の箇所を少々変更したものだろう。
「乗り込んでみると、誰もいなかった。黒い着物を着た車掌の運転手の間に挟まれて、一種の音に埋まって動いて行くと、どこまでも電車に乗って、ついに下りる機会が来ないまで引っ張りまわされるような気がした」

シーンⅱ)夜間、暗い車内で左右の座席に10名ほどの乗客がいるが、彼らはそれぞれ花火を手にしており、それが順々にスパークを散らし始める。しかし、代助だけは花火を持っていない。

このシーンは、漱石『草枕』にある次のような汽車に関する記述を引用して、文明批判を暗示していると思われる。
「何百という人間を同じ箱へつめてごうと通る。情け容赦はない。汽車ほど個性を軽蔑したものはない。文明はあらゆる限りの手段をつくして、個性を発達せしめたる後、あらゆるかぎりの方法によってこの個性を踏みつけようとする」
近代化という名の電車に否応もなく詰め込まれた国民が、西洋の真似をしてエゴを発達させ、自分勝手に振る舞い始めたのに、代助はそれになじめないという意味だろう。

シーンⅲ)夜、電車の天蓋がないため夜空の満月が見え、何人もの背中を向けた同じ服装の人物がその月に向かって進もうとしているのに、代助は1人見向きもしない。

これも前述『草枕』の引用で、こちらは文明の電車が個性を無視して、西洋文明に向かって発展していこうとするさまを描いている。

③芸者遊び、桜の花びらに包まれる代助
肉体的な享楽に耽っても、代助がどうしようもなく孤独であることを表している。何故なら彼は愛情を求めているからで、だから「僕の存在にはあなたが必要だ。どうしても必要だ」という告白につながっていく。他方、三千代に対する愛のない平岡は、芸者遊びを楽しんでいるかのようだ。

5 俳優、音楽について
俳優陣は芸達者揃いだが、とくに目立つのは兄夫婦。
機転が利いて代助思いの兄嫁を演じる草笛光子、豪放磊落で代助の屈折した心中など理解出来そうもない兄・中村嘉葎雄が素晴らしい。

三千代役の藤谷美和子は、タイトルシーンに浮かび上がるくすんだセピア色の写真が何より素晴らしい。儚げだが実は重い恋愛を受け止める強さのある女性が十分伝わってくる。

代助の松田優作は達者に軽やかな高等遊民と、恋愛に真摯な若者役を演じわけている。

本作で唯一日本アカデミー賞(助演男優賞)を獲ったのが平岡役小林薫だが、受賞にはやや疑問がある。作り物めいた大仰なコトバ遣いは原作通りだからやむを得ないにしても、口調が一本調子だし、友人と再会した嬉しさや、親しさが感じられない。

特筆すべきは、破天荒な食い詰めインテリを自在に演じ切ったイッセー尾形。蕎麦屋で自分を真似る噺家を揶揄って、突然ロシア語の演説をし始めるところなどは笑える。

最後に梅林茂。本作には全編を通して、1つのメインテーマとそのいくつかの変奏曲が流れているが、その上品でさり気ない哀感が、映画に調和し引き立てている。見事な楽曲だ。

6 評価
映画は原作通りである必要はなく、代助と三千代の恋愛パートだけを抜き出してきても問題ない。

ただ、原作では再会後の代助、三千代の行動には派手な部分がなく、彼らの恋愛は明治期の家制度との関係でリアリティを付与されているのに、映画ではその家制度の部分の描写が希薄であり、かといって独自の内面描写を付加しているわけでもないから、あまり2人の心の起伏が伝わってこない。恋愛映画としては、いま一つ印象が弱い理由である。

最大の欠点は、ラストに近く代助と平岡が面談する際、代助が三千代と愛し合っていることを打ち明けるセリフがひと言もないままなことだろう。だから会話の流れがぶっつり切れたまま、3年前に結婚を仲立ちしたのがどうしたこうしたという変な話になっている。

それはさておき映像は秀逸だし、役者も芸達者揃い、音楽も見事で、傑作と呼ぶに吝かではない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年5月25日に日本でレビュー済み
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藤田美和子の控え目な、けなげさがよかった。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年9月9日に日本でレビュー済み
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原作のある映画は原作を映画を見る前に読まずに見るか、原作を読んでストーリー以外の面を楽しむかだと思います。
私は小説を読んでから見たのですが映像で十分に楽しめました。
まず、男性の衣装の粋な所を見るのがポイント。そして、松田優作と藤谷美和子の会話の沈黙の間が絶妙です。これは小説では表現出来ないでしょう。小説では行間を読むのに似ています。
今は亡き松田優作。未だに彼を越す男優は出てきていません。
そして藤谷美和子は今はどうしているのだろうかなどと考えを巡らせたりしました。
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2019年7月16日に日本でレビュー済み
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いわゆる文芸作品という映画は、だいたい一回見れば十分と言う感じのものがほとんどだと思いますが、この作品は何度見てもやはり素晴らしいです。
もし日本映画で文芸作品というジャンルのランキングを作ったら、筆頭にあがるべき作品だと思います。
役者がいいです。松田優作の煮え切らない知識人、藤谷美和子演じる薄幸な人妻、小林薫の傲岸な夫、中村嘉葎雄の明治期の財界人、笠智衆の江戸時代生まれの父親像。草笛光子の理解ある義姉役。森尾由美の闊達な金持ちの令嬢、などなど。
(羽賀研二と美保純はミスキャストか)
淡々と物語を進行させ、最後の破局に導く森田監督の抑制の効いた演出は特筆ものです。監督の映画は全部見てませんが、彼の生涯の最高傑作ではないでしょうか。
セリフはかなり漱石の原作に忠実ですが、明治言葉に違和感をあまり感じさせないのもすごい。
特にラスト近くの松田優作と藤谷美和子の二人きりの長回しのシーンは静寂の中に緊張感を伴い凄絶な感じすらします。
それと、これはカミさんが指摘したことですが、でてくる女性の着物の素晴らしさ。普段映画をあまり観ないカミさんが、じっと観ていたので、これだけでも着物に関心のある方は見る価値がありそうです。
インバウンドとかクールジャパンという言葉がもてはやされる昨今ですが、こうした日本映画の傑作がもっと海外の方にも見てもらえたらと思います。
もはや古い映画の範疇ですが、まだ見ていない方は是非ともご覧になることをお勧めします。
(余談ですが、DVDのパッケージは、安っぽくてダメですね。かなり損してます)
29人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年5月5日に日本でレビュー済み
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確かその後4~5年経った頃にレンタルビデオで観た記憶があります。
その時の衝撃は結構なものだったなあ。そう、家族ゲームの森田監督と松田優作が今度は文芸作品?とか思ったり。

そう、当時はサブカル全盛期。耽美的な映像が結構溢れてた時代。林海象監督の「夢見るように眠りたい」は’86年、「20世紀少年読本」は’89年。そーか、これら作品より前だったのか。

この映画がきっかけで夏目漱石さん沼にハマった気がします。今となっては。
で、30年以上の時を経て改めて観てみると、当時はぼんやりと観ていたものが色々とクリアに映ります。
とにかくキャスティングが素晴らしい。全ての主要な配役が全ての役にドンピシャ。松田優作さん、藤谷美和子さんはもとより、小林薫さん、中村嘉葎雄さん、草笛光子さん。特に中村嘉葎雄、草笛光子の兄夫婦は、ビデオで観た当時も「あーこれはとてもイメージ通り」と思った記憶があります。

この作品に星ひとつをつけてる方のレビューを読んで、まぁ、好き嫌いは当然ながら、うん、映画って色々あるんですよ?娯楽にもいろんな種類がある様にね。洋画と比べてどうこうっても、そもそも「映画産業」自体の考え方が違うのでね。ハリウッドみたいな映画を日本でどうこう出来るはずも無く、日本映画には日本映画のメソッドがありますから。良し悪しありながらもショボい予算の中でどれだけ佳作が作れるか?でしか映画が出来ない国なのです。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年12月13日に日本でレビュー済み
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 優作さんと言えば、緊張感が漂うハードな男のアクションの作品が多いが、
この作品は優作さんの作品としては、とても異色作で文学作品で秀作です。

 優作さんが、静かな大人しい内向的なインテリな青年を淡々と演じてるが、
どことなく、ひょうひょうとしながら、とぼけた感じのする優作さんの演技の
雰囲気と存在感が面白いのと好感が持てます。
森田芳光監督による個性的な演出の間の撮り方の面白さもあって、単調であるのに
間延びすることなく退屈なく最後まで観せてしまうシュールな世界観の作品です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年10月17日に日本でレビュー済み
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アマゾンプライムで、「夏目漱石の妻」、「漱石悶々 夏目漱石最後の恋」を見た。
小説のドラマ化ではなくて、漱石という人物を描いたオリジナルドラマだったが、
それぞれ大変面白かった。それは漱石という人物が魅力的ということ。

今回は小説「それから」の映画化だが、映像は素晴らしく、セリフもずっしり重みがあり、
松田優作の演技はさすがと思ったけれど、作品はそれほど良いとは思わなかった。
小説を読んだ者にはまだマシだったかもしれないが、映画は大分カットされている部分があるようで、
その背景を知らないと気持ちが乗ってこないからだ。
終盤30分頃から興味が持てたが、それでも小説をカットしている部分が多々あり、感動とは程遠かった。

明治時代の男女、結婚、漱石の小説「こころ」に見るような友人関係、
などの時代背景、時代の倫理観には興味が持てた。
またその時代からすれば、かなり進んだ人間を描いているとは思った。

見終わって、漱石の小説(坊っちゃんは別として)の映像化は難しいと感じた。
やはり、小説の名文をじっくり読んでいくのが良い。
比較的映像に向きそうな「草枕」なんかも映像にするとだめになるのじゃないか。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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