新録音源としては2003年の『フィア・ユアセルフ』(スパークルホースのマーク・リンカスとのコラボレーション・アルバム)以来6年ぶりとなる、ダニエル・ジョンストン待望のフル・アルバムが遂に完成!
プロデューサーは元ジェリーフィッシュのメンバーにして、ベック、エール、ポール・マッカートニー等とのコラボレーションでもお馴染みのジェイソン・フォークナー!
◯近年のダニエルの作品中では屈指の名曲と言っていいだろう「僕はただ曲を書こうとしているサイコなのさ」と歌われる冒頭の「Mind Movies」から、緻密でありながらいい具合に力が抜けたところもあるジェイソンのプロデュース・ワークが光る傑作。
まさに「ダニエルの脳内にあるロックンロール・シンフォニーを取り出して、完全に具現化する」という作業を見事にやってのけている。
◯ベック、R.E.M.、スマッシング・パンプキンズらとの仕事で全米きってのセッション・ドラマーとして知られるジョーイ・ワロンカーが6曲で参加し、マニー・マークやヴィンセント・ギャロのバンドメンバーとして活躍するウディ・ジャクソンが2曲で参加している他は、すべての楽器演奏をダニエルとジェイソンの2人が担当している。
◯2006年に日本公開されたドキュメンタリー映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』は世界中で大きな話題となり、DVDも絶賛発売中。最近再び旺盛なツアー活動も行っており、2008年夏には、「An Evening with Daniel Johnston and Friends」と題する欧州ツアーを行い、マーク・リンカス(スパークルホース)、スカウト・ニブレット、ジェイムズ・マクニュー(ヨ・ラ・テンゴ)、ノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)、ジャド・フェア(ハーフ・ジャパニーズ)という錚々たる顔ぶれからなるスペシャル・バンドが編成された。ひょっとしてまさかの再来日もあるかも!?
インターネットの検索エンジンに「ダニエル・ジョンストン」と入れてみたら、アメリカで最も奇想天外なポップの才能について書かれた何百ものページを見出すだろう。
1981年のカセット音源『Songs of Pain』の頃から、ジョンストンは30年近くを費やし、報われない愛や恐ろしい災難や実存的な苦悩にまつわる悲痛な物語を、世界中に広がって行く熱狂的なオーディエンスに見せてきた。
その結果として、彼はブルーズマンのロバート・ジョンソンやカントリーの伝説ハンク・ウィリアムズにも似たアメリカ的な人物として熱烈に支持されている。
ジョンストンは同業ミュージシャンにとってのカルト・ヒーローでもあり、その音楽は全くの作為のなさと否定しようがないシンプルな輝きによって評価されている。
幅広い著名アーティストたちがジョンストンの曲をカヴァーしており、ベック、ウィルコ、ソニック・ユース、TV・オン・ザ・レディオ、M ・ウォード、フレーミング・リップス、などもその例に漏れない。