ピンク・マティーニの結成は15年前ですがピアニストのトーマス・M・ローダーデ―ルが
オレゴン州ポートランドで結成したクインテットが始まりです。
ラテン、ラウンジ、クラシカルと、音楽ジャンルを越えて洗練された独自のサウンドを聞かせます。
「スプレンダー・イン・ザ・グラス」は、全米ジャズ・チャート3位を記録。
ジャンルとしてはジャズになるのでしょうが、シャンソン、イタリアン・ポップス、ラテン系
に近いサウンドで、ジャンルにとらわれないミクスチャーな意外性があります。
主にカバー曲が多いのですがこのアルバムにはオリジナル曲も多数収録されています。
とにかくアレンジ、センスが抜群で、タイトル曲「草原の輝き」は後半にチャイコフスキーの
「ピアノ協奏曲第1番」が入っていてなんとも絶妙な素晴らしい演奏で聞かせます。
他にもカーペンターズでおなじみの名曲「シング」や2009年9月に亡くなったムーンドッグの
「ニュー・アムステルダム」などが収録されています。
聞きどころは日本盤ボーナストラックとして過去のアルバムに入っていた日本の曲の
カバーで美輪明宏の「黒蜥蜴の歌」、和田弘とマヒナスターズの「菊千代と申します」
由紀さおりの「タ・ヤ・タン」の3曲がありますがどれもいい雰囲気になっています。
私は3曲ともオリジナルを聞いたことがありませんが日本語でカバーしていることに驚きました。
このバンドは基本的に母国語でカバーしておりそれも魅力のひとつとなっています。
聞いているうちに不思議な世界にトリップしたような感じで病みつきになります。
輸入盤で出ている過去の作品も素晴らしいもので、気に入った方は聞いてみて下さい。