![S-Fマガジン 2010年 05月号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51HjF5BbiLL._SY445_SX342_.jpg)
ミニアンソロジーですが、なかなか趣向を凝らしていて楽しめました。
「細部に宿るもの」…黄色い家に住む謎めいた女。彼女は不思議な洞察力で
助言を与え、かわりに食べ物や他の物を要求する。「ぼく」は母親の言いつけ
で黄色い家に度々通っていたが、そこがどんな所なのか分からない。
やがて食べ物や白いペンキの意味を知った時、そこに恐るべきものが…
「リッキー・ペレスの最後の誘惑」…不具の体を持つ少年リッキーは
地元のチンピラギャング団へ仲間入りするべく、試練を課される。それは
魔女と呼ばれる老女の家へ泥棒に入ること。しかし、そこには意外な
真相が…
「イグザム修道院の冒険」…ラヴクラフトの「壁の中の鼠」＋ホームズ物。
原作の舞台がイギリスで年代的にも合っているので、パスティーシュとしては
十分に有り。それにしても、ホームズの立ち直りが早い。
「ショゴス開花」…周囲の偏見に晒されながら研究に邁進する黒人学者
ハーディングは、ショゴスの生態を調べるべく、ある港町を訪れていた。
時あたかも第二次世界大戦前夜。海の彼方ではナチスが人種差別を国家
ぐるみで行うと宣言していた。
ハーディングの調査が進むにつれ、ショゴスの意外な生態が明らかに
なる。そしてハーディングが取った決断は、さらに奇妙なものだった…
（まさかショゴスが可愛く見える日が来るとは思いませんでした）
2編のコラムも興味深く、海の向こうでは未だに新作が量産されているようです。
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