エンジニアのZAKはライブ音源ならでの反響をことごとく排除した。
このデッドに仕上がった音に不満をもつ人は多いのではないか?
私もそうだった。ずいぶんと待たされ期待していた分最初聞いた時は「あれ、こんなもんか」とがっかりした。
ZAKの狙いはレックと中村達也の身体をより浮き彫りすることにあった。
誤魔化しのきかない音にする事で肉体のぶつかり合いから生じる刹那を感じてもらう。
設定の音量が小さいのもリスナー自身に意識的に音量を大きくしてもらう事でだろう。
そして爆音に設定しても不思議と耳は疲れない。だが身体は相当疲れる。
二人の濃厚な絡み合いに脂汗がじわっとにじみでる。
「2013」はまさに「軋轢、FRICTION」の名に相応しい作品となったのだ。
演奏のぎこちなさや高揚感が非常に生々しい。酸いも甘いも含めよいドキュメントである。
いつもいろんな意味でリスナーを裏切ってくれるFRICTION。
いつになるかわからないが次の新譜も非常に楽しみだ。