フィンランド産フォーク/ネイチャー系ブラックメタル・バンド、October Fallsが2010年に出した3rdアルバムです。全3曲で40分。うち2曲が20分近い長さという大作指向のバンドです。
ヴォーカルは全編スクリーム。前作より少しパワーと邪悪さが増した気がします。激パートと静パートのメリハリや、全体に流れる切ない哀メロなど、今回もやはりドラマティック。雨の音や雷鳴などの効果音も、楽曲のドラマ性を効果的に演出しています。なおアルバムは全曲繋がっており、アルバム1枚で1曲と言えるかも。
前作は晩秋の雰囲気がありましたが、本作は完全に冬。人間の存在など意にも介さず猛威を振るう、荒ぶる大自然といった様子です。
切ないコード進行の上を流れる美しいメロディ。そして裂帛と慟哭の叫び。前作も大変素晴らしい内容でしたが、本作はメリハリや力強さという点でそれをも上回る傑作です。メロブラ好きやデプレブラック好きにもおすすめ。