昨夏(‘10年)にリリースされた4作目。
!!!と言えば、パンクの精神性をダンスミュージックに注入した、極めてユニークなスタイルを追求するバンドであった、と僕は理解していた。
換言すれば、「踊れるパンク」とでも表現できるものであったかと思う。
アドレナリンの上昇指数が高く、かなり突き抜けた感じのある、アグレッシブなグループという印象が、前3作までには確かに、あった。
しかし、今作はやや趣を異にした作風となっている。
これまでにも無かった訳ではないのだが、レゲエ/ダブをより積極的に取り込んだりと、もっともっとダンスミュージック・サイドに踏み込んだ作品づくりを行っているのだ。
別角度から言うと、ロック色をやや薄めた形になっている、ということだ。
勿論、大きな流れから見れば、これまでのスタイルを受け継いでいて、作品全体としてのクオリティは高いと思う。プロダクションも素晴らしくいい。
そして何より、この手のポストパンク系のグループとしては、傑出した演奏技術を、いつものことながら披露してくれてもいる。
いいアルバムだと、思う。
しかし、何かが欠けている、という印象が残ってしまうというのは、正直に言っておかなければならない。
若干の迷いを抱きながら、だけれでも、彼らのミュージシャンとしての才能が作り上げせしめた作品、といったところだろうか。