マイアミの爆裂STONER/POP野郎、トーチの最新作。全8曲/21分、ってのはEPの扱いでいいのかしらん。08年のジャパンツアーでの衝撃は今もって鮮烈なわけだが、今作はそのツアー直後のギタリスト脱退以降、トリオ編成になって初めての作品となる。
編成が変わったとはいえ、ハナっから躍り出るのはもう、一発でそれだと判るTorche節。だが、全面に渡ってポップな層が浮かび上がった一方で、背後を占める音圧の平面的な感触が少々気になる。単にギターが抜けたから、ってわけでもなかろうが、とりわけ尺が延びた楽曲において、以前のようなねじ伏せるが如き躍動感やパワフルなリズムのうねりが薄まってしまったようにも感じるのだが。シューゲイザー的な爆音を繰り広げるTr.7"Face The Wall"、続けてやたらに蒼いフレーズを反復旋回させるTr.8"Out Again"とか、曲自体は嫌いじゃないんだが、このバンドに求めるものとはちょっと違うんだなー。タイトルとは裏腹に、このバンドにしては「ちょっと大人しすぎるんちゃう!?」という気がせんでもない。