タイトル曲「屡流」は全体的にメロディがいい。V系と和風がうまく融合したようなメロディが前面に出されたストレートかつダークな曲で、シンプルな分スキがないのが強みだろう。特にサビは上海アリス幻樂団が好きな人には惹かれるものがあると思う。ついでに言えば歌詞もなかなかいい。
「絶ヲ望ム 」はダンサブルな曲調が特徴で、メロディはキャッチーさ重視、しかし変拍子があったりしてどこかひねくれた印象がある。これも悪くない出来だ。
「死人花 」はあさきを思わせる早口ボーカルや、静と動を強調した演奏陣、ヴァイオリンが怪しい雰囲気を出す。タイトル曲とは対照的なマニアックな曲。この曲も変拍子が使われており、一聴してドラムが複雑そうに聴こえるが実はそうでもないらしい。
「花魁譚」は「月ノ姫」のカップリングの再録ver。音の厚みが変わったくらいで、目立った変化はないっぽい。
己龍のポップな面とマニアックな面が存分に聞ける作品。初めて己龍に触れる人にオススメかな。