な、なんだ〜、こりゃ〜・・・? 意表をつくタイトルには、かなり心動かされ、是非聴いてみたいと思いました。
ヴァリエーションも幅広い13曲は、アカペラサウンドの醍醐味ぎっしり、
メンバーの方々のオリジナル曲が中心で、作り手の個性により、曲ごとに、くるくる色合いも変わり、例えば、
・・・笑い弾け、のち・・胸きゅん、のち・・・しみじみ、じんわり、切なく哀しく、美しくとろけ消える・・・そんなアルバムです。
中でも私に印象的な曲たちを挙げるとするなら、一曲目は後述することとして、
アルバムのタイトルにもなっている二曲目の「笑わなしゃーない」、
「まあ〜!植木等さんが出ていらしたかしら!」、と思えるよう、
クレイジーキャッツ世代の私には、楽しいばかりではない、涙が出るような懐かしさすら感じられ、強く印象に残りました。
また、四曲目の「あなたが好き」、
こんな曲、今までかつて、どこでも聴いたことがない!
耳元でこんなこと囁かれたら、もう、どうしましょう状態、気恥ずかしくなるほどのセクシーさ、
いつまでも耳に残って離れないほど鮮烈な曲です。
十三曲目の「サンタへの手紙」、
シンプルな旋律に清らかなハーモニー、祈りが感じられます。
それが、この手紙を書いた男の子の気持ちをグッと引き立てて涙が滲みます。
チキガリさんのご出身から、これは阪神淡路大震災のものと思われ、
「私たちは、あの記憶をいつまでも忘れてはならない」、
あらためて心に深く刻ませていただける、大切な意義深い曲と言えると思います。
さて、チキガリさんの作品ではない一曲が、「夢の出逢うところ」、
これがこのアルバムを実に上手にまとめる役目を果たしているのではないかと、私には感じられます。
アルバムのOvertureとして、まずは一曲目にイントロだけ、
そして様々な曲たちが展開した最後、「サンタさんへの手紙」に続き、全曲がしっとりと歌い上げられるという手法、
・・・う〜ん、心憎いばかり・・・!
13もの曲たち、テーマはそれぞれ別々であっても、とどのつまり、「人生とは夢の如し」、とでもいうような、
無常の境地へと繋げてくれているのではないか、と思われるのです。
また、この曲は、テレビが夢の箱であった時代にワクワクしながら観た、聴いた「ディズニー・サウンド」が蘇るようで、
本当に心がウットリとろけるような素晴らしさ、複雑微妙な美しいハーモニーがたまりません。
それをまた、実に見事に歌い上げることのできるチキガリさん、本当に素晴らしい力量のグループであると感服です!
このコラボレーションに、私はもうもう、心からの大拍手〜〜〜!!!
ぱちぱちぱちぱち・・・素敵、素敵、本当に素敵で〜〜〜す!
チキガリさんに対しての以前のイメージは、さだまさしさんの曲をアカペラで歌う、といったものでした。しかし、このところ、大変意欲的にオリジナル作品や独創的魅力的アルバム制作に取り組んでおられます。私も、「Air」「タイムスリップ」「BLEND」など聴いて以来、かなり昔とは印象を異にしており、今後更なる進化の可能性も大いに感じられ、これからの活動も楽しみに期待させていただきたいと思っています。
素敵なアルバム、ありがとうございました。