シリーズ物の途中の5巻のレビューを読む人なんて、この作品に何らかの思い入れが有る人くらいなんじゃないかな〜と思い、ネタバレ承知の変則レビューです。
5巻9〜10話はテーマ的に「締め」の巻です。
浅い見方をして「地味」を「中弛み」と捉えてしまう視聴者がいらっしゃる様で実に残念。
此処で本作のテーマ「親と子」をしっかりと語って落とし前を付けておき、残る3話で思いっきり「はっちゃける」訳だ。
加えて教頭の「能力」が実は只者では無い事をこっそりとアピールしている。
もう一つのテーマである「オカルト」も、それまでメインだった「UMA」「UFO」と言ったムー的な怪奇現象=似非オカルトではなく、本来指す所の「魔術」「心霊」をメインに持ってきて次回からの魔法大戦の予兆としている。
(超展開「変身」は実にアニメノチカラそのものであるし、魔法=ファンタジーなんて意識はラノベやアニメからくる偏った認識だ。)
そしてこの巻は、マヤが父親の思いを受け取り、オカルトを再び受け入れる回でもある。
次巻11話のマヤのはしゃぎ様を「文明に突然デレて変だ。」などと評する人が居るが、あれは「もう無理に父を憎む必要は無い、オカルトを嫌う必要も無い。」とオカルトに対するリミッターが解除されてはしゃいでいるのであり、オカルトにデレているのである。
更に最終回に向けての伏線「終業式にブンメー君を呼ぶ」講演依頼は、10話と11話の間、マヤがオカルトを再び受け入れた後、魔女災害に巻き込まれる怒涛の展開の前のこのタイミングにされたとしか考えられない。
11話のはしゃぐマヤは、文明にサプライズを仕掛けていた訳で、どのタイミングで此れを文明に告げようかとワクワクしていたのに違いないのだ。
(ところがどっこい、の展開で、マヤは激怒してヒールで文明をゲシゲシと蹴り捲るのだ。
最終回では「吊橋効果」の結果で微妙に文明にデレているが。)
この巻はマヤのオカルト嫌いに決着が付くと言う意味でも、地味ながら重要な回なのだ。
そんな意識でこの巻を見ておくと、次巻11話からの超展開も抵抗感少なく笑いと衝撃を楽しめるんじゃないかと思います。
つーか、想像的許容量低いぞ、みんな。
私は「神代純一郎」の正体はサンタクロースで、神の奇跡で事態を収拾してくれると予想して大外れだったよ。
(異次元宇宙人vsサンタクロース 魔法を越えるオカルトは、神の奇跡だ、ってね。)
ついでの記述(タイムパラドックスについて)
鍵が有れば扉が有る。
ノストラダムスの鍵が有れば扉が有り、扉は皆神山(神社)やその地下の宇宙樹の根っこと言った所だろう。
美風はその聖なる結界を破ろうとモスマンやチュパカブラでアタックを掛けていた訳で、美風ももう1つのノストラダムスの鍵だったのだろう。
まぁ、せっせと合鍵を制作していた訳で、その時間の流れではマヤはノストラダムスの鍵を捜索しないから教頭も学院外には目がいかず、UMAは跳梁跋扈し扉は開き(こずえはJK達が救出)、だが結果は美風の目論見も超えてとんでもない事に成り、美風も死んだかどうかしてしまったのだろう。
(自分が魔界に行く事が望みで、この世は野と成れ山と成れと言う予定なら、成功したのかも知れない。)
此れが時間の流れその1で、結果、文明が未来から遣って来る。
ひょっとしたらマヤとの協力関係が築けなかったりマヤが死んだりしてバッドエンドと言う流れも有ったかも知れない。
古いレコードの音跳びの様に何回か時間はループされ、遂に時間は微妙な歪み(個々人の記憶)を残しつつも流れ出す----。
とまぁ、タイムパラドックスについてはそう悩む必要は無いんじゃないかと。