湯川潮音さんの音楽にぼくが強く惹かれるのは、光と闇の両方を内包している、綺麗でナイーブで優しい、その声と言葉。
今作クレッシェンドは、これまでのどの作品よりも開けていて、自由。メロディーからは人懐っこいチャーミングさを感じることができる曲もあります。
胸がきゅってなるような切なさ、凛とした強さと儚さなどこれまでの作品にあった魅力は無くさないまま、新しいページを捲って あらたな地平に立った、最高傑作だと思う。
1曲目のLovers Dartは聴いていて嬉しくなるような、素敵なムードの名曲で すぐに大好きになった。
言葉もメロディーもまっすぐな‘電話のむこう’
祈りのように響く‘ここから見る丘’ など自作の曲たちも本当に本当に素晴らしい。
名曲‘ルビー’にも溢れている、まるで子守唄や童謡みたいに普遍的なメロディーを紡ぐ彼女の才能は、もっと多くの人に届いてほしい。
楽器の音も心地よくって、そこに重なる潮音さんの声を聴いていると、心が浄化されていくような感覚になる。
アートワークやブックレットの中の写真も、作品の雰囲気を象徴しているようで素敵です。
心に明かりを灯すような、大好きで大切なアルバム。