【解説】
一大座談会“日本のいちばん長い日”は『文藝春秋』8月号に掲載されるや、水面下で繰り広げられていた終戦の舞台裏を明らかにしたものとして大きな反響を集め、やがてこれを基に当時司会を務めた半藤一利氏(当時33歳・文藝春秋社員)の筆で、終戦秘話を描いたドキュメント小説『日本のいちばん長い日』が昭和40年(1965年)に出版(当時は諸事情で“大宅壮一編”として出版。現在は半藤氏の名義で“決定版”が再刊行されている)。翌年には、これを原作とする東宝“8・15”シリーズ第1作『日本のいちばん長い日』(岡本喜八監督)が公開され、大ヒットとなった。
やがて時が過ぎた平成19年(2007年)、この座談会は半藤氏の解説を加えて『日本のいちばん長い夏』(文春新書)として改めて出版され、終戦の真実を後世に語り継ぐ貴重な資料として再評価されている。
本作は、この座談会の再現を主軸にストーリーが展開していく。主人公はテレビ番組の演出家。彼は大胆にも、スタジオに建てられた料亭のセットに当代きっての文化知識人を一挙に集結させ、彼らを俳優として起用するという“文士劇”スタイルをもって当時の模様を再現しようと試みる。さらに彼は原作者でもある半藤氏や、集まった文化人たち個々にも撮影の合間を縫って取材を敢行し、それぞれの戦争観などを吐露させていく。
【キャスト】
木場勝己 池内万作 キムラ緑子
湯浅卓(国際弁護士)中村伊知哉(慶應義塾大学教授) 青島健太(スポーツライター)山本益博(料理評論家) 松平定知(アナウンサー) 富野由悠季(アニメ映画監督)林望(作家・日本文学者) 鳥越俊太郎(ジャーナリスト) 立川らく朝(医師・落語家) 島田雅彦(小説家) 田原総一朗(ジャーナリスト)市川森一(脚本家) 江川達也(漫画家) デイヴィッド・ディヒーリ(ジャーナリスト)
【スタッフ】
監督・脚本:倉内均
製作:與田尚志
原作:半藤一利【編】『日本のいちばん長い夏』(文春新書)
【公開日】2010年8月公開
【スペック】
●映像特典
◆完成発表記者会見・湯浅卓、中村伊知哉、立川らく朝、松平定知 各氏出演「秘話公開!なぜ文化人が“俳優”に?」
◆トークショー“歴史探偵”半藤一利VS“ガンダムの父 ”富野由悠季
「激論!昭和史最大の謎“終戦”に迫る!!」
◆出演者紹介・データファイル
DSTD03316/4,700円(税込4,935円)/COLOR/本編111分/片面2層/1.主音声:ステレオ/16:9 LB
【販売元】東映株式会社【発売元】東映ビデオ株式会社