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山本精一というと一般にはアヴァンギャルド、ノイズなどの文脈で語られるが、彼の本質は「歌モノ」にこそ宿っているのではないだろうか。
チャイナ氏の逝去に伴い羅針盤は解散したが、山本のなかにある歌心は決して消え去りはしない。
剥き出しの魂が行き場を失って徘徊している。
その結果として表象されたのがこのアルバムであり、アコースティックというシンプルなスタイルで奏でられる楽曲は、どれも静寂のなかで煌めいている。
オリジナル盤の弾き語りだけでなく、本人歌唱による往年の名曲「鼻」も必聴。
そしてどの曲もアコースティック・ギターの響きが優しい。
羅針盤の解散は残念だが、このような形で山本が再び歌い出した、という事実がなによりも嬉しい。
＜ついでに＞
本作にはVU「Candy Says」のカバーが収録されているが、この調子でカバー・アルバムなんかも出してもらえると嬉しい。
地方在住でなかなかライブに行けないもので…。
ニール・ヤングとか早川義夫とか五つの赤い風船などなど…
