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アメリカで大きな注目を集めている新人Nicolas Jaarのファースト。
Keith Jarrettらのピアノ・ジャズと、John ZornやCaptain Beefheartなどに代表されるアヴァンギャルド・ジャズ、そしてRicardo Villalobosなどの東欧、南米系マイクロハウスから強い影響を受けたとされる、他に例を見ない独特なサウンドが特徴的な素晴らしいアルバム。
ジャジーで美しいピアノやオルガンを反復し、そこにダーティーなミニマル・ヒップホップビート、Portisheadの"Dummy"のような鬱々としたギター、アフリカンジャズ系のサックス、都会的な虚無感をもつダブステップ、不穏で印象的なボイスサンプル、さらにそれらの音を切り貼りした「サウンドコラージュ」を被せてくる。
まさに「怪作」と呼ぶに相応しい。
ダンスミュージックの音響技術によって、ブラックミュージック特有の不気味さや退廃美を際立たせる、という手法をとった作品はこれまでにもあったけれど、これほどアヴァンギャルドで、かつこれほど聞きやすい作品は珍しいのではないでしょうか。
中でももっとも印象的だった曲は、5. "Keep Me There"、11. "Specters of the Future"。
前者は、不気味なボイスサンプルやギターに強烈なビートや衝動的なサックスが加わっていく、いわゆる「Sick Track」。最初にあげたRicardo Villalobos、Captain Beefheart、John Zornらの影響がとても強く反映された曲。
一方後者はピアノとダブステップのようなボイスサンプルを用いたクールな曲。
どちらもサウンドコラージュが素晴らしく、このアルバムの特徴が非常によく出ています。
万人受けするとは言いがたいれど、気になった方は是非試聴を。
ファーストアルバムでこの完全度は素直に凄い。
個人的には2011年度にリリースされたアルバムの中でも最高峰に位置する作品だと思う。
今後のシーンを牽引してくれるだろうという期待もこめて☆5
追記：
どうやらバージョンによっては7曲目「I Got A Woman」が収録されていないものもある様子。
上述した2曲と並ぶ大名曲です。絶対にカットするべきではなかった。
他の国からのトップレビュー
mark Fawcett
A CLASSIC ALBUM
2023年12月28日に英国でレビュー済みAmazonで購入
Angelo S.
Grande Album
2022年10月22日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Francisco Dias
Great album, timely delivered
2021年9月23日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Emmanuel fj
Muy buen servicio
2019年9月3日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
Domenciel
Intéressant
2015年7月2日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
