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カール・Th・ドライヤー コレクション/ クリティカル・エディション むかしむかし [DVD]

4.0 5つ星のうち4.0 1個の評価

仕様
価格
新品 中古品
DVD, ブラック&ホワイト, ドルビー 1枚組
フォーマット ドルビー, ブラック&ホワイト
コントリビュータ クララ・ポントピダン, カール・Th・ドライヤー
稼働時間 1 時間 18 分

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商品の説明

1920年から 1921年までスウェーデンとドイツでそれぞれ一本ずつ映画を監督した後、故国デンマークに戻ったドライヤーは、デンマーク最大の豪華映画館の持ち主にして、映画輸入業者でもあったソフス・マッセンの「最もデンマークらしい映画を作ってほしい」という求めに応じて、作家ホルガー・ドラックマンが1880年代に書いて大成功を収めたお伽話劇「むかしむかし」の映画化に着手した。
むかしむかし、イリア王国というところに、たいへん我儘な王女が住んでいた。外国から貴族がこの美しい王女を妃にすべく、毎日のように求婚に訪れるが、彼女のお眼鏡にかなう者はいない。国王も、王女の我儘に手をこまねいていた。あるときデンマークの王子が、この王女の美貌の噂を聞いて求婚のためにイリア王国の王宮を訪れるが、この王子も彼女を妃にすることが出来ない。失意のうちに森をさまよう王子の前に、不思議な人物が現れ、王子はこの人物から不思議なやかんをもらう。乞食に変装した王子はこのやかんをもって王女の所に行き、やかんをあげる代わりに今夜一晩王女の寝室で過ごすという条件をのませる。だが、深夜、見知らぬ男を寝室に入れていることがばれ、哀れにも王女は国外追放となる。彼女は陶工として働く乞食の男と生活を共にする。初めは傲慢であった彼女も、次第に真の愛情とは何かに気づいてゆく。
コペンハーゲンの王立劇場を始めとして、デンマーク各地の劇場でも繰り返し上演され、出版された戯曲はベストセラーとなった、この国民的な音楽劇の映画化作品は、ドライヤーが生涯で作った唯一のお伽話である。イリア王国の王女役には「サタンの書の数ページ」ですでにドライヤー作品に出演していた、名女優のクララ・ヴィート(ポントピダン)が扮している。またイリア王国の国王役は王立劇場の重鎮ペーター・イェアンドーフが演じた。これはこの俳優が生涯に出演した唯一の映画である。完成した映画「むかしむかし」はこの映画を製作したソフス・マッセンが所有する映画館パラス劇場で上映され、大成功した。撮影日数が限られ、また製作費もドライヤーが望む額からはかけ離れたものではあったが、最もデンマーク的な映画を製作して自分の劇場で上映するというソフス・マッセンの目的は完全に果たせた。そして間もなくこの作品はスウェーデン、ドイツ、フランスなどにも輸出され、デンマークの国民的な劇の映画化作品として親しまれた。
ドライヤーの無声映画「むかしむかし」は不完全な形でしか残されていない作品の一本だった。1990年代までは、ドライヤー作品の回顧上映などの際に、この作品は1時間に満たない不完全なフィルムとして上映された。だが近年発見されたごく短いフィルムを加え、さらにはスチール写真の使用及び字幕による説明を加えて、2002年にこの映画はデンマークの映画アーカイヴによって復元された。本DVDはこうして、物語の一貫性をもつ、修復・復元された「むかしむかし」の映像を完全に収録するものである。

登録情報

  • アスペクト比 ‏ : ‎ 1.33:1
  • メーカーにより製造中止になりました ‏ : ‎ いいえ
  • 製品サイズ ‏ : ‎ 30 x 10 x 20 cm; 117.93 g
  • EAN ‏ : ‎ 4523215056199
  • 監督 ‏ : ‎ カール・Th・ドライヤー
  • メディア形式 ‏ : ‎ ドルビー, ブラック&ホワイト
  • 時間 ‏ : ‎ 1 時間 18 分
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/4/28
  • 出演 ‏ : ‎ クララ・ポントピダン
  • 字幕: ‏ : ‎ 日本語
  • 販売元 ‏ : ‎ 紀伊國屋書店
  • ASIN ‏ : ‎ B004F9PRRI
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 1個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年1月10日に日本でレビュー済み
1922年の作品、次作は「ミカエル」。
しばらくドイツで映画を撮っていたドライヤーがデンマークに帰って来て撮った作品とのこと。

プリントは、デンマークの映画アーカイブのネガを使用したもの。
映画全体は完全な形のフィルムが存在しなかったので、もともとあったプリントに欠落部分の短いフィルムやスチール、そして字幕などで補って物語の全体像を再現したとのことです。
全体を見てみると、程度は相当悪いと言わざるをえません。
ドライヤーの初期作品を見ることのできる有難さをかみ締めながらも、突き放してみればキズだらけで、不自然なスチールの挿入が多々あり、お話を理解できるようにと多量の字幕が入り込んでいます。
とてもファンで特別な興味のある人以外には勧めることはできません。
他の最重要作品を見て、それでもなお興味のある人のみ購入を検討したほうが良いと思います。
一般的な意味では、以前出ていたBOX程度の作品を見れば十分だと思います。

さて、個人的な感想です。
私の興味は「ミカエル」の直前作であることでした。
お話は「つぐみのくちばしの王子」と同じ。
驚いたのはその映像の精緻さと美麗さ。
衣装や美術は壮麗で、映像は猛烈に耽美的です。
この流れは「ミカエル」にも受け継がれているように思います。
また、ところどころには幻想的な描写が見られ、既に「吸血鬼」を思わせる表現も見られます。

面白かったのは、デンマークで撮ったからかどうか分かりませんが、伝統的なドイツの映画作りとは違う爽快感が漂っていることです。
これはロケーションを多用していること、メイクが自然なことによるように思います。
鬱蒼とした森、風の吹き抜ける草原など、どこか風通しがよい気がしますし、厚い白塗りに強い光を当てたような人物ではなく、現代風で素直な人物描写は軽快です。
この風景は「奇跡」の荒涼としたデンマークの風景に繋がります。

ここから「ミカエル」に発展し、「吸血鬼」「奇跡」「ゲアトルーズ」に到達すると思うと、どこか感慨深いシーンが沢山見られます。

興味深いのは、22年といえばムルナウは「吸血鬼ノスフェラトゥ」、そして次の年に「フォーゲルエート城」を、フリッツ・ラングは22年に「ドクトル・マゼブ」を作っているところ。
それぞれの作品を各監督は見ていたのかどうか、気になるところです。
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