ベースに新メンバーであるMasashi氏を迎え、新体制となってから2枚目となるシングル。
こちらはCDとライブDVDの付いた商品構成。
シングル作とはいえCD、DVDととても内容は濃く、長く楽しめる作品となっている。
CDの方は前作と同じく3曲入り。
タイトル曲「Philia」は彼らのメロディックスピードメタルがいかんなく堪能できる楽曲。
前作「DESTINY」は疾走する部分はありながらも全体的には穏やかな明るく優しい曲調であったのに対し、
こちらは出だしからヘドバン必至という感じのアップテンポなナンバーに仕上がっている。
もちろんただ早いだけではなく、彼らの売りである耳に残る美しいメロディーライン・ヴィジュアル系の中でも突出したテクニックは今作でも健在。
カップリング曲は「Judicial Noir」と「Desert Apple」。
「Judicial Noir」は、サビの哀愁漂うメロディーと少しダークな雰囲気が印象的なハードなナンバー。
個人的にはタイトル曲よりも気に入ってしまった程、一切の手抜きなしの良質曲。
もともと彼らに「捨て曲」というものは存在しないが、本当にシングルで出せるクオリティだと感じた。
特にギターソロ〜サビに入る流れは、今からライブで観るのが待ち遠しくなる程かっこ良い。
3曲目「Desert Apple」はボーカルなしのインストナンバー。
こちらはライブDVDにも収録されているのだが、ドラム、ベース、ギターのテクニックを存分に楽しめる楽曲に仕上がっている。
DVD収録の映像も見れば、ライブでのこの曲の位置付けもわかり、パフォーマンスも見ることでこの曲の魅力もより感じれるだろう。
怪しげなデジタル音から始まったと思えば、そこからドラムとベースが加わり、ギターが絡んでいく・・・という構成で、
ギターHIZAKIの奏でる美しいメロディーにうっとりさせられてしまう。
ベースのMasashi、ドラムのYukiのテクニックも存分に活かされた曲になっている。
途中、いきなりテクニカルな曲調に変わる部分は必聴ポイントでもあり、なんとも作曲者であるHIZAKIらしさを感じた。
ライブDVDは、昨年9月にC.Cレモンホールにて行われたライブから7曲を収録。
これだけで40分というボリュームがあり、とても見ごたえがある。
彼らはそのテクニックと美しい楽曲だけでなく、壮麗な衣装とメイクで演出するヴィジュアルも大きな武器としている。
このDVD7曲で、純粋に彼らのライブパフォーマンスも楽しむことができるし、
今作を機にライブに足を運びたくなった方の予習にも最適ではないだろうか...。
メジャーデビューしてしばらく経つが、彼らは大衆に媚を売るような売れ線ポップアーティストにセルアウトすることなく、
自らの美意識・拘りを追求し続ける希有な存在である。
ヴィジュアル系を愛する身としては彼らのような存在は心強く感じる。
今作の次はフルアルバム・・・と展開していくだろうが、今からどんなさらなる素晴らしい楽曲達を聴かせてくれるのか、楽しみでならない。