Robert Schumann(1810~1856)のピアノ協奏曲については、よくいっしょにCDに収録されるGriegのピアノ協奏曲を聴いていて、いつのまにかSchumannの協奏曲を聴いているうちにこちらの方が好きになってしまった、という多くの音楽愛好家がたどった道をやはり軌を同じくした。Griegの劇的なピアノ協奏曲の音楽的効果については、言うまでもないだろう。けれども幾度も聴いていると、Schumannの汲めども尽きぬ魅力に抗い難くなってくることが分かるのだ。今ではもちろん、GriegではなくてSchumannのピアノ協奏曲を好んで聴くし、それ以上に高い評価を彼のピアノ協奏曲に与えている。どのくらいかというと、Griegはもちろん、BeethovenやRachmaninovよりも高く、Brahms並みに評価している。