大勢がイベントを楽しんでる中で、イベントの趣旨自体を貶めて台無しにする、世界観無視の、作中で言われる”無礼者”の主人公。
リアルの恋愛感情を役に持ち込むライバルに、結局どっちつかずなヒロイン役。
ゲーム進行役も、何故か主人公に肩入れしてルール無視し、ゲーム自体を台無しにする片棒を担いでる、目も当てられません。
D&Dを初めとした、真の意味で役割を演じる=ロールプレイするゲーム、テーブルトークRPG経験者など向けの作品だろうと思いますが、
他者のロールプレイをぶち壊しにする主人公には、参加者は休日、それも何日もの長期間を費やしてる事を考えれば、全く共感できません。
ロールプレイすべきところでメタ視点で説得するライバル……はゲーム進行の観点からまだしも、それを茶化す主人公に、ヒロインもそれを笑う、最悪です。
かといって、ライバルの暴走理由(ヒロインを取られた=リアルな恋愛感情)にも、暴走内容にも全く共感できず、一体どこに向けているのかわかりません。
TRPGが好きな人ほど、世界観ぶち壊しにすることへの忌避感が大きいでしょう。
また、TRPG未経験者には「良い大人がごっこ遊びなんかして……」と言った感じでしょうし、その点で言えば主人公に多少共感できるかもしれませんが、
どっちつかずでふらふらする、精神不安定染みたヒロインの言動や行動的な魅力が薄いため難しいかと思います。
カメラも終盤理由もなくぶれて酔ってしまい、安っぽさが否めません。
衣装や舞台的な雰囲気はなかなかよいのですから、もうちょっとストーリーを頑張ってほしかった。
あるいは、ゲームを馬鹿にしてた主人公が無理に演じるうちに逆に入れ込んでしまい、自身が暴走、あるいは他者の引き金を引く……という感じでしたら、評価は一転してたかもしれません。