リリースから既に1ヶ月近くが経とうとするのに、音楽シーンにおける本作の扱いが、あまりに限定的で極小であることに、若干の苛立ちすら覚える。・・・
そんな感覚に捉われてしまうほど、このアルバムが放出するパワー&エナジーには、凄絶なものがあり、その摩訶不思議な魅惑のサウンドに、僕などはすっかり虜にされてしまった。・・・なんでもっとメディアは彼らのことを取り上げないんだろう?
のっけから11分超の長尺曲(しかもその前半部分はアンビエント感たっぷりのエクスペリメンタルなインスト)でスタートするこの5th作は、恐らく、今年を代表する超強力盤となる。少なくとも僕はそう信じている。とにかく、桁違いのポテンシャルを有する作品なのだ。
基本は、前作の流れを受け継いだものになっているとは思う。
エスニックでオーガニックな楽曲を、ハイテク、ハイファイサウンドにより構築、膨大な音の情報量で聴き手を圧倒する、といった趣だ。
が、よりエレクトロニクスを大胆に取り入れた本作は、純粋にいい意味でメジャー感が増しており、更なるスケールアップを遂げているという印象を、強烈にアピールしていると思う。
ポップ感と前衛的な部分とが、絶妙のバランスで組み合わされつつ、めくるめく音のカレイドスコープを繰り広げていくのだ。
まさに、恍惚と陶酔の48分間だ。
ブルックリン一派の出世頭といえば、それは確かにVAMPIRE WEEKENDなのかもしれない。
しかし、サウンドの前衛性や唯一無比のオリジナリティ、ロック/ポップミュージックにおける貪欲なるイノベーターとしての存在感といった側面においては、僕は迷うことなくこのGGDをその最右翼に推しておきたい。
とにかく、これはここで僕がゴチャゴチャ御託を並べるより、実際に聴いて頂くしかない。
時代の最先端の音が、ここにはぎっしりと詰まっている。
そして、時代を超えた名作になる可能性を秘めた作品だと、僕は思う。