イギリスはリヴァプールで2004年に結成されたトリオの2ndアルバム。
私は07年に発表された1stで初めてその存在を知ったが、その1stは相当良かった。
有り得ない程ポップな曲にアホ過ぎるコーラスが乗っかり、聴くだけで元気になれた。
何よりも私が気に入っていたのは、おセンチな曲ですら笑ってしまうような歌詞にあり、
ユーモアのセンスだった。
で、この2ndだが、1stでの彼らの良さが驚くほど消え失せている。
本作が手元に届く前にNMEでまさかのヒドイ評価を受けていたので、そんな訳ない、
と怒り気味で聴いたが・・・ホントに良くなかった。
エレクトロの要素が強まり、曲のヴァリエーションは増えている。
また、終始脱力気味だった1stとは異なり、ヴォーカルやコーラスにも気迫が感じられる。
しかし、それに反比例して肝心のポップやユーモアが欠落してしまった。
彼らの才能とユーモアがあれば能天気で適当にウ〜とかア〜とか言ってるだけで素晴らしい曲が
生まれるはずなのに、今回は無駄に気合いを入れ過ぎてしまったような気がする。
または反対にアルバム出せ、って言われたから、やる気の無いまま本当に適当にやってしまったのか。
とはいえ最悪という訳ではなく、これが1stであれば若干楽しみなバンドが出てきた、
と感じていたと思う。そんな感じ。
皮肉なことに、打ち込みと浮遊するシンセが気持ち良い、彼らにとって新機軸と言える
テクノポップまがいのM6"Techno Fan"が歌詞も含め一番魅力的だった。
次作は以前のようにポップとユーモアが炸裂する最高のアルバムになることを期待しています。