不思議な空気に包まれた日常
鎮西尚一とcore of bellsが贈る森のバザール密造酒で乾杯。「ほら飲みな」
何とも形容しがたい五人組バンドore of bellsのライブで繰り出される寸劇ともつかぬドン詰まりの舞台。そのフロントが今回の作品の二人。山形育弘と瀬木俊である。それで十分ではないか。♪ ひとりだけ別の部屋 ひとりだけ胆試し ひとりだけかなしばり ひとりだけ渚にて(core of bells 1st.アルバム「ボトルキープ2010」から『ソファ』より)上等じゃないか――鎮西尚一
彼らは飲んでなくても酔っ払ってた。だって春でしたもの。
図書館勤めの鮎子は幼馴染のイサオと宇津保のバンドのリハーサルに参加するため、出勤前に森の練習場に寄るのが日課だった。そんな鮎子に宇津保は森で密造酒を仕込んでいることを打ち明ける。鮎子の家に食事の招待をされた二人は鮎子の両親が旅行で海外に行っている筝を知る。「よし、今日から合宿だな」そんなイサオの一言で三人の合宿生活が始まった。そして、密造酒の期が熟した時、鮎子は再びぐい呑みに口をつけるのだった。