『雨に唄えば』(Singin' in the Rain)('52)
出演∶ジーン・ケリー、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズ、ジーン・ヘイゲン、ミラード・ミッチェル、シド・チャリシー、ダグラス・フォーリー、リタ・モレノ
監督∶ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
ミュージカル映画の古典的名作だが、この映画のことを初めて知ったのは全然違うところからだった。それは、スタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』('71)。主人公の不良少年アレックス(マルコム・マクダウェル)がワル仲間たちと一緒に民家に押し入り、楽しげに暴行の限りを尽くす場面。アレックスがミュージカル映画よろしく、踊りながら唄っていたのが『雨に唄えば』だった。
その後、MGMミュージカル映画の名場面を集めたアンソロジー映画『ザッツ・エンタテインメント』('74)で、初めてジーン・ケリーが唄い踊る"本物"の『雨に唄えば』を見ました。近未来SF映画『時計じかけのオレンジ』にパロディ・シーンが使われるぐらい超ポピュラーな映画だということでしょう。
元々"ミュージカル文化"のない日本でよく知られる欧米のミュージカル映画というと『ウエスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』『マイ・フェア・レディ』などの大作映画が多いと思う。アメリカでは、それ以前の1940年頃から『オズの魔法使』『踊る大紐育』『錨を上げて』『私を野球につれてって』『バンド・ワゴン』などが大ヒットして、ジーン・ケリー、フレッド・アステア、フランク・シナトラ、ジュディ・ガーランドらミュージカル・スターが大人気となる。
そんなミュージカル・スターの"個人芸"が売りだった時代を代表する1本が、この『雨に唄えば』だろう。主役のジーン・ケリーだけでなく、ドナルド・オコナーのアクロバティックなダンスや、後半ケリーと組んで見事なダンスと脚線美を披露するシド・チャリシーが素晴らしい。
[物語] 1920年代後半、サイレント映画全盛のハリウッド。場末の芸人やスタントマンから叩き上げの人気俳優ドン・ロックウッド(ケリー)と美人女優リナ・ラモント(ヘイゲン)は、モニュメンタル映画スタジオの看板スター。会社が流した噂で、二人は恋仲ということになっている。フェイク情報だが、リナの方は完全にドンに熱を上げていた。だがドンは、ひょんな事で知り合った駆け出し女優のキャシー・セルダン(レイノルズ)に恋してしまう。
そんな時、他社が製作した初のトーキー映画が大ヒット。映画界はこぞってトーキー時代に突入する。シンプソン社長(ミッチェル)の号令で、ドン&リナの新作企画もトーキーのミュージカルに変更されるが、リナは致命的な悪声と無教養な口調の持ち主だった。頭を抱えた社長とドンだが、ドンの無名時代からの相棒コズモ(オコナー)の発案で、リナの声を歌も上手いキャシーが吹き替えることに。社長もキャシーを気に入り、彼女を次代のスターとして売り出そうと考える。
リナには知らせずに"吹き替え作戦"は着々と進み、ついに新作は完成し完成披露試写の晴れ舞台を迎えることになる。だが社長とドンの目論見が、プライドの高いリナにバレてしまう。ドンとキャシーの仲に嫉妬・逆上したリナは、会社との契約を盾に社長を脅し、今後はキャシーを自分の専属吹き替え声優にして、オモテ舞台に絶対出られないようにしようとする。看板女優のワガママに会社存続の大ピ〰ンチ!!
このレビューの見出しにも書いたが、10年ほど前、NHK朝ドラの『あまちゃん』を見た時、すぐ様この映画の設定を思い出した。主人公の母親(現在:小泉今日子←若い頃:有村架純)が、'80年代にアイドル歌手目指して上京するが、音痴の人気女優(現在:薬師丸ひろ子)の歌手デビューの影武者(吹き替え)をやらされ、オモテ舞台に出ることなく終わった……という設定。脚本のクドカンの頭にも『雨に唄えば』があったのかも……。
ワガママ悪声女優リナ役で、有名になってしまったジーン・ヘイゲンだが、この映画の直前作『アスファルト・ジャングル』(ジョン・ヒューストン監督)では、主役スターリング・ヘイドンの恋人役を。その前の『サイド・ストリート』(アンソニー・マン監督)では、脇役ながらナイトクラブの歌手役で美声を聴かせてくれてました。(どちらも吹き替えではなかったと思うが……歌は吹き替え?(笑))
この作品で、大物スター ジーン・ケリーの相手役に抜擢されて一躍人気女優になったデビー・レイノルズだが、"歌える女優"としてミュージカルなどが主だったようで、日本では『雨に唄えば』以外では、あまり騒がれることはなかったようだ。日本では、むしろ『スター・ウォーズ』のレイア姫役でお馴染みの女優キャリー・フィッシャーのママと言った方が通りがいいかも……。
雨に唄えば [DVD]
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フォーマット | 色, ドルビー |
コントリビュータ | スタンリー・ドーネン, ジーン・ケリー, デビー・レイノルズ, ドナルド・オコナー |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 43 分 |
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メーカーによる説明
雨に唄えば 製作60周年記念リマスター版 [Blu-ray] | 雨に唄えば [DVD] | |
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カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.4
11,283
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価格 | ¥1,400¥1,400 | ¥1,200¥1,200 |
製品仕様 | Blu-ray | DVD |
発表日 | 2013/12/4 | 2011/7/20 |
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 83.16 g
- EAN : 4988135861863
- 監督 : ジーン・ケリー, スタンリー・ドーネン
- メディア形式 : 色, ドルビー
- 時間 : 1 時間 43 分
- 発売日 : 2011/7/20
- 出演 : ジーン・ケリー, デビー・レイノルズ, ドナルド・オコナー
- 字幕: : 日本語, 英語
- 言語 : 英語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : ワーナー・ホーム・ビデオ
- ASIN : B0050ICMYY
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 51,712位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 285位外国のミュージカル映画
- - 807位外国のラブロマンス映画
- - 1,459位ステージ (DVD)
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イメージ付きのレビュー
5 星
流石!超高画質名作映画シリーズ。
このレビューは、雨に唄えば(Singin' in the Rain)[DVD]劇場版(4:3)【超高画質名作映画シリーズ37】デジタルリマスター版のレビューです。同名作品のソフトをゴチャ混ぜにしてしまうAmazonマジックを避けるために、あえて断っておきます。このDVDの販売元は、メディア・ディスク社という台湾の会社です。台湾製と言うことで怪しい感じもしますが、新聞は一軒に一部!じゃなくて、百聞は一見にしかず。比較のために本家本元の「50周年記念スペシャル・エディション2枚組」のDVDと比較してみましたので参考にしてください。画質に関しては十人十色で好き好きというものがありますので断言は出来ませんが、ハッキリ言って自分はこのメディアディスク社盤の方が綺麗だと思います。この映画のファンの方なら是非購入を考えた方が良いと思います。ただし、本編は映画前後に出て来る映画会社のロゴマーク部分がカットされています。この会社から販売されているソフトはみな、本屋さんなどで購入できるワンコインDVDと同じ編集カットがされているので、そのことを理解しておいてください。またこのDVDに関しては、音声のレベルが低めでボリュームを少し大きくする必要がありました。あくまでも私自身が感じた個人的な感想です。と言うことで、画質が良いと言うことを評価して星5つとさせていただきました。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月19日に日本でレビュー済み
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ラ・ラ・ランドのように、ハリウッドの夢と希望とお金と挫折みたいなテーマを含みながらも全体を通じて軽やかに明るく進むため、読後感はすがすがしい。
しかし何よりもやはりハリウッドの(演技力の)凄さにただただ圧巻されます。
しかし何よりもやはりハリウッドの(演技力の)凄さにただただ圧巻されます。
2023年11月14日に日本でレビュー済み
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別の映画作品の「グリーンマイル」で「雨に唄えば」の作品を知りました。
「グリーンマイル」の劇中で死刑囚コーフィー役のマイケル・クラーク・ダンカンが、「雨に唄えば」のジーン・ケリーが雨降る中楽しそうに踊るシーンをみて「あの人は天使だ」と呟いた台詞がありましたが、確かにジーン・ケリーは雨降る中傘を差さずに雨に濡れることを楽しそうに踊っているシーンはとても印象的でした。
「雨に唄えば」の全体のストーリーは、正直今の時代からみると凡庸ですが、この当時はこの作品は恐らく楽しまれたかなと思います。
かつて誰かの言葉で「天気に良いも悪いもない。自然はただ太陽を昇らせたり雨を降らすだけにすぎない。人にとっては雨は好ましく感じられない天候かもしれないが、雨は植物の渇きを潤し生命を育む役割をしている。雨を不快と思うか?それとも好ましくものと捉えるか?は、それはその人の心持ち次第だ。」という言葉を劇中のジーン・ケリーの演技をみてふと思い出しました。
雨の日は、楽しそうに雨の日の中で踊るジーン・ケリーを思い浮かべようと思います。
「グリーンマイル」の劇中で死刑囚コーフィー役のマイケル・クラーク・ダンカンが、「雨に唄えば」のジーン・ケリーが雨降る中楽しそうに踊るシーンをみて「あの人は天使だ」と呟いた台詞がありましたが、確かにジーン・ケリーは雨降る中傘を差さずに雨に濡れることを楽しそうに踊っているシーンはとても印象的でした。
「雨に唄えば」の全体のストーリーは、正直今の時代からみると凡庸ですが、この当時はこの作品は恐らく楽しまれたかなと思います。
かつて誰かの言葉で「天気に良いも悪いもない。自然はただ太陽を昇らせたり雨を降らすだけにすぎない。人にとっては雨は好ましく感じられない天候かもしれないが、雨は植物の渇きを潤し生命を育む役割をしている。雨を不快と思うか?それとも好ましくものと捉えるか?は、それはその人の心持ち次第だ。」という言葉を劇中のジーン・ケリーの演技をみてふと思い出しました。
雨の日は、楽しそうに雨の日の中で踊るジーン・ケリーを思い浮かべようと思います。
2024年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ザッツエンターテインメント」の中のジーン・ケリーのダンスを見て、ぜひ買いたいと思い購入しました。
妻と2人で良き時代の「ダンス」を楽しみました。
妻と2人で良き時代の「ダンス」を楽しみました。
2024年4月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔見た時の声優さんと違っていたので、ちょっとガッカリでした。字幕で見直しました。
2023年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミュージカル映画の古典的名作。何度観ても面白い。この廉価盤の画質は並みだが、字幕版のほかに日本語吹替が収録されているのが売り。声優の好き嫌いはともかく、セリフの理解の助けになることは確かだ。
2023年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あんなに美味い歌と踊りを始初めてみました。ストーリーも良かったです。
2023年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなりリマスターされています。
他の国からのトップレビュー
Dr. Sharon
5つ星のうち5.0
Excellent remastered version
2024年5月29日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
The video is excellent, with great colours that pop, and looked amazing. The sound track was also cleaned up and sounded wonderful. I highly recommend the 4K version of this upbeat, funny movie.
Hugo Alejandro Sanchez Garcia
5つ星のうち5.0
El mejor musical de la historia, gran presentación!
2024年2月18日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
Si compras esta edición especial, no hace falta que comente sobre lo buena que es la película. En cuanto a la presentación, es excelente, cabe destacar algo importante que quizá no te digan en la descripción del producto, y es que los bonus extras están en la version de DVD, y no tienen subtitulos ni en inglés ni es español así que hay que traer fino el Listening si quieres disfrutarlos. De ahí en fuera es exactamente lo que promete. Gran calidad en todos los artículos del bundle.
Alphons Tjallinks
5つ星のうち5.0
Uitmuntende 4k disc
2023年11月3日にベルギーでレビュー済みAmazonで購入
70 jaar na de oorspronkelijke film (1952) bracht Warner Home Video deze perfecte transfer naar 4k disc uit. Het is meesterlijk gedaan, met levendige Technicolor kleuren en kristalheldere beelden en onberispelijke audio. De HDR maakt het helemaal af en tilt de weergtave naar een nog hoger niveau. Voor liefhebbers van klassieke films is dit een must have.
JGB Murcia
5つ星のうち5.0
Imprescindible película
2023年6月12日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Calidad blueray. Excelente imagen y sonido. Para un clásico del cine de siempre. Edición que tiene versión en castellano. Excelente para siempre.
c. m.
5つ星のうち5.0
Love This Move
2024年5月13日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
I do understand this movie is about the history of going from the silent film era
into the into the voice speaking / hearing Technical Challenges. I love the Lyrics to the song with the same Title as the movie, for me it brings back fun childhood memoirs of walking and dancing around in the rain waring my Mother’s see through pink tinted rubber rain coat, hat and boots. (As one can tell I am not a movie critic.)
into the into the voice speaking / hearing Technical Challenges. I love the Lyrics to the song with the same Title as the movie, for me it brings back fun childhood memoirs of walking and dancing around in the rain waring my Mother’s see through pink tinted rubber rain coat, hat and boots. (As one can tell I am not a movie critic.)