本人達が「Big Audio Dynamiteにヒントを得た」と語っている通り、
あらゆる国や時代の多彩でモダンなダンス・ビートと、ロックンロールや
ソウルのクラシックを彷彿させるメロディや楽器の音が好対照を
描きながら同居している。アルバムを通して今まで以上に多様な
曲が並び、全然飽きさせない。さらにこの人たちの特徴として、
一曲ごと、そしてアルバム全体を通して様々なストーリーを感じさせてくれる
ところがあるが、その特徴は今作においても全く損なわれていない。
それどころか、歌詞だけでなく声や音やリズムを通して、こんなにひりひりと
誰かの人生の一場面を、自分の人生で起こったことみたいに感じさせてしまう
音楽があるだろうか。いやない。
全曲最高です。1曲目から熱く暑苦しい漢のロックンロール全開。
ハウス、ヒップホップ、ソウル、レゲエ、その他中東風のリズムなどが混在する
今作は、世界にはこんなに踊るための、生きるためのリズムがあるんだぜ、
と投げかけてくるかのよう。踊るしかない。
最後の「キラー・サウンズ」はバンド史上最高の名曲だと思う。
こんなに暑苦しいのに、最後はなぜか涼しく爽やかな気分になるのは不思議。
ボーナストラックは弾き語りなど、ちょっとリラックスした
ハード・ファイの一面が楽しめるので、ファンは迷わず買いです。