フィードバック・ノイズの嵐が吹き荒れる衝撃のファーストに続いてリリースされたセカンドである本作は、
当然の如く賛否両論(というより否の方が多めの否賛両論)あったけど、今にして思えばジザメリは正しかったね。
1枚目が評判良かったからって同じことを繰り返してもしょうがない。
ミドルテンポの穏やかな歌をクリアに聴かせる普通のロックは、
ジザメリに全てを破壊する衝撃のみを求めていた人にとっては裏切りだったかもしれないが、
ヴェルヴェッツ師匠もそうであったように、前作からの落差は大きくて賛否両論ある方がロック的に正しい振る舞いだ。
そうは言うてもジザメリの場合、ファースト最高!このセカンドはチョットねー言いたくなる気持ちもわかる。
けど、冷静になって聴くと、ファーストよりもセカンドの方がオリジナル・アルバムとしての完成度は高い気がする。
(2CD+DVDエディションの完全版だとファーストはディスク2の曲の並びなども含め完璧であり全く比較にはならないけど。
アレだとディスク2が衝撃の本盤でありA面、オリジナル・アルバム中心のディスク1が地味目のB面だ)
ジザメリ・デビューの衝撃が正しく蘇ったファースト(2CD+DVD)に比べ、このセカンドの方は、
ディスク1は、オリジナル・アルバム、SOME CANDY TALKING EP、BBC RADIO SESSIONSであるのに対し、
ディスク2は、B-SIDESとOUTTAKESのみ(コレって悪く言えば、捨て曲の寄せ集め盤でしかないってことだよね?
といってもファーストからの自然な流れにある、やさぐれ感のある曲はコチラに多い)とにハッキリと整理されて並べられた曲順も、
穏やかで綺麗な内容と同様に破綻がなくて、それもまたセカンドっぽいなあと思える。
頭の中がグチャグチャになって何かを壊したり暴れ回りたくなるような衝撃は何一つないけど、
ミドルテンポの普通のロックに安心して心地好く浸っていられる。
SCT EP収録の前作タイトル・チューンが何故かコッチに入っていたり、
ビーチ・ボーイズの誰もが知っている超有名曲“Surfin’ USA”がコッチにも次作にも入るという、
次回に続くみたいなリンクする感じも何かイイな。
変に曲順を弄り回したりせず、何も考えないでただ並べたような朴訥とも言える構成が、かえって綺麗に纏まっているようにも思える。
ディスク1は表、ディスク2は裏、と印象がハッキリ分かれるのも、これはこれで良いと思う。
にしてもSCT EP収録曲が素晴らしい。“Some Candy Talking”には胸が躍るし“Taste of Cindy”も美味しいし、
前作のタイトル・チューン“Psychocandy”最高。オリジナル・アルバム以上にSCT EPが名作。
あとはねー、笑われるかもしれないんだけどー、“Happy Place”が大好き。この曲、何か好きなんだよねー。
ジザメリらしからぬ明るく軽快な曲調のポップ・ソングが何故か大好き。イイ曲だと思うんだよねー。
デストロオオォォォォォイイイィィィィィィィ!(そんな曲じゃねーし)