ジャケ写が気に入っている。ベイシー親分のうしろにフランク・ウェス、フランク・フォスター、サド・ジョーンズといったバンドの重鎮が並んでおり、フレディ・グリーンの姿がなくて、かわりにギターが置いてある。そして親分のいたずらっぽい微笑み…。
内容は上記重鎮たちの作品集で、かれらの作編曲の腕前を堪能できる。予想通り、やはりフォスターがわたしの好み。かれの「ひとひねり」はいつ聴いてもかっこいいと思う。サドはのちのサド・メル時代の作品よりは古風。伝統的なサウンドを重視しているのはベイシー・バンドで演奏することを考慮したからか。おなじみの曲ばかりでは飽きるので、こういう「新作集」を持っているとコレクションの充実感が増す。
ソリストたちも好調でわくわくさせてくれる。なかでもスヌーキー・ヤングのトランペットが抜群。ほかのソリストもいつもよりテンションが高めだ。
ボーナストラックの“Moten Swing”はアーニー・ウィルキンスの編曲。ベイシーのルーツを示す曲が最後に出てくるという仕掛けだ。