未来世紀ブラジル [Blu-ray]
フォーマット | 色, Blu-ray, DTS Stereo, 吹き替え, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | マイケル・ペリン, ジョナサン・プライス, テリー・ギリアム, キム・グライスト, ロバート・デ・ニーロ |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 2 時間 24 分 |
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
夢と現実の交錯が織り成す狂気のギリアム・ワールド!ついにブルーレイ化!
冒頭のシーンのみUS公開版採用のスペシャル・カット版本編を収録!
<キャスト&スタッフ>
サム…ジョナサン・プライス(島田 敏)
タトル…ロバート・デ・ニーロ(池田 勝)
ジル…キム・グライスト(戸田恵子)
ジャック…マイケル・ペイリン(江原正士)
監督・脚本:テリー・ギリアム
製作:アーノン・ミルチャン
脚本:トム・ストッパード/チャールズ・マッケオン
音楽:マイケル・ケイメン
●字幕翻訳:戸田奈津子 ●吹替翻訳:宇津木道子
<ストーリー>
20世紀のどこかの国。情報局の小官吏サムの慰めはヒーローになった自分が天使のような娘と大空を飛ぶ夢想に耽ることだった。ある日、書類の印字ミスから善良な靴職人が大物テロリストと間違われて処刑されてしまう。後処理のため未亡人のアパートを訪れたサムは、そこで夢の中の娘に出会う……。
<ポイント>
★1080p HDの超高画質ハイビジョン映像
★ピュアなデジタルサウンドを体現するロスレス・オーディオ
★本編を観ながら操作ができるポップアップ・メニュー
★月刊HiVi監修「プレミアム・ブルーレイの楽しみ方」(12ページ特製解説書)封入
★豪華“オプティカル・エンボス仕様”アウターケース付
●冒頭「午後8時49分」「20世紀のどこかの話」というテロップ部分が、オリジナル版が黒バックに青文字であったのに対し、本商品はテーマ曲が流れる中、主人公サムが空を飛ぶ映像がバックになりテロップが黒文字で出るというUS公開版のスペシャル・カットを収録!(冒頭のみがUS公開版)
●情報管理社会の狂気と、そこから抜け出そうともがく人間を痛烈に描く、SFカルト映画の金字塔!
●DVDでは未収録だった日本語吹替版を初収録!
※日本語吹替音声は、現存するテレビ放送当時のものを収録しております。そのため一部吹替の音源がない部分は字幕スーパーとなっております。
<特典>
●メイキング「『ブラジル』って何?」
●オリジナル劇場予告編
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 0.28 g
- EAN : 4988142870322
- 監督 : テリー・ギリアム
- メディア形式 : 色, Blu-ray, DTS Stereo, 吹き替え, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 24 分
- 発売日 : 2012/2/3
- 出演 : ジョナサン・プライス, ロバート・デ・ニーロ, キム・グライスト, マイケル・ペリン
- 字幕: : 日本語, 英語
- 販売元 : 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- ASIN : B0067XIHEA
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 127,763位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,443位外国のSF映画
- - 9,326位ブルーレイ 外国映画
- - 12,232位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
そのほとんどは二度観なくても良いものだったが、本作と「ブレラン」は違った。
内容は全く違うものだが、どこか未来を暗澹とさせる「カオス」を作り出すことで、
この両作品は際立った。
ブラジルは最初観た時からあの「テーマ」が頭から離れず、時々あの陽気な
スコアが脳内で流れだす(笑)。
順序は「ブレラン」の方が先だが、それを真似た嫌いは一切ないのに、どこか
暗い未来を描きだす・・・。
古くは「メトロポリス」や「モダンタイムス」も同様のテーマ性を持っていたが、
実際の世界も「レトロ」でこそないが、これらの「情報統制社会」が実現しているのが
恐ろしい。
もともと本作はイギリス映画だ。「モンティパイソン」ばりに大笑い出来るシーンも
多くあるが、あのラストには驚かされたものだった。
これが賛否両論で、アメリカの配給を手掛けた20世紀FOXとユニヴァーサルで
結論が違うバージョンが出来る始末になった。
T・ギリアムは「トラブルメーカー」としても知られるが、O・ウェルズらに比べれば
大人しいものだ。大学出のインテリに乗っ取られたハリウッドのエグゼクティブたちと
意見が合わないだけだろう。
昔のハリウッドもパインウッドも、日本の活動写真だって「博打打ち」の世界だった。
この傑作がHD化されるのは大変喜ばしいことで、VFXの場面に粗い場面はあるものの
概ね1985年の作品としては上出来なレストアだと思う。
ただ、特典映像の新録がないのが残念。SDでのメイキングは30分だが、これは撮影時
に収録されたものである。
星は文句なく5つだが、新しいメイキングがあればもっとよかった。
システム、社会規範が人を支配する国家にあって、流されるままの主人公は、夢にまで見た理想の女性と出会い、自分で生き方を選択する道を選ぶ。
だが、彼にとって理想の生き方を実践するためには、この国家の社会規範は不都合だった。
彼は社会に抵抗し、規範に抗うことも選んだ。
しかし、おおよその場合、社会は誰かの個人的な都合などには屈しない。
主人公は責任を放棄し、抵抗を攻撃に変える。この時点で彼は逸脱した。
映画のなかで、彼は自分に都合のよいことしか信じない。
夢で見た女性との恋。夢のなかでは髪がありヒーローな自分。
事実や現実よりも、彼は自分の妄想や都合を優先する。
だから、彼女を爆弾魔と疑ったり、配管工をテロリストと疑ったりする。
彼らの人となり、客観的な事実より自分を信じているのだ。
だから彼は妄想に逃げ込む。ハッピーエンドな妄想に。
自分の都合以外を顧みず、そのためには他者を貶めて憚らない主人公の姿は、国家の都合を優先して作り上げられた規範が個人を踏みつける様子と重なる。
個のレベルか公のレベルかの違いはあれど、ひとつの理不尽への優なき反抗は、相対するもうひとつの理不尽を生み出すだけなのだ。
現代社会において、自分の信じる勝手な都合を基準に、他者を貶める人間のいかに多いことか。
この映画を観ながら、そんなことを考えている自分に笑った。
こう書くとよくあるディストピア映画に思えるかもしれませんが、はっきり言ってその通りの映画です。私の勝手な解釈ではオーウェル「一九八四年」をネタにその世界を「ブレードランナー」風近未来的に映像化した映画、と思いました。役者の演技、演出も全体的に神経症ぎみな感じが漂い、戯画化乃至カリカチュアされているように観えました。暗くなりそうなネタを明るく処理し逆説的効果をだそうというギリアムの意図はチェスタトン的諧謔味を感じました。
で、題名のブラジルに関しては、特典映像でスタッフ、キャスト共々口をそろえて「よくわからない」と申しておりますが、私も判りません。私見でない知恵を絞って解釈してみると、敢えて謎めいた題名をつけることで監督が観た人に何の意味かよく考えるように仕向け、その考察により観客をこの映画の虜囚にし、この映画のファンにさせようという魂胆ではないか、と思いましたがどうでしょうか。その他では前述したような明るい雰囲気の中暗い話を語ることによって違和感をだすため、全体にサンバっぽい音楽を流して陽気に嫌なことを語るという異化作用を醸そうという狙いではと思いました。
が、そういう解釈ぬきでも近未来(今はもう近過去ですが)の高度管理社会を皮肉ったSF映画として単純に楽しめます。余計な解釈を抜きにして戯画化されたSF映画として楽しむのが無難かもしれません。
一番最初に観た時は確か高校生くらいだったような気がしますが、実を言うと殆ど覚えてなくて、今回が初見の感覚で観ましたが割と楽しめました。機会があったらご鑑賞を。
公開当時より、一層グロテスクさを増す現実の管理社会の中にある現在の私たちにとっては、丁度良い大人のおとぎ話です。
テリー・ギリアム監督がんばれ!
聞き覚えのあるタイトルで、レンタル落ちが安かったので、何となく購入。
公開から36年後にして、初めて鑑賞したのですが・・・・
これ、死ぬほど面白いじゃん!
人間の喜怒哀楽、全てが詰まったミラクル級の傑作です。
管理社会やお役所仕事を皮肉った、ブラックコメディでもあり。
キッチュなイメージ溢れる、ファンタジー映画でもあり。
ロマンチックな冒険譚でもあり。
ディストピア物の、おぞましいスリラーでもあり。
終盤の、めくるめく4段オチに至るまで、全てが完璧です。テリー・ギリアム、神。
これを観ずして、俺は36年も何をしていたんだ、と思います。
いや、若い頃に観たとしても、本作の味わいは理解できなかったかも知れませんが。
腐った世界の真ん中で、俗に溺れず生きているサム。
愚かなまでの純粋さは、感情移入に価します。
しかしディストピアの暗黒社会で、その愚かさが許されるはずもなく・・・・。
そして、彼は自分だけの楽園へ辿り着くのです。
この物語は、世界と折り合えない者が、心の安息を得るまでの旅だったのだと思います。
本作を譬えて言うなら、ドロドロに濃いブラックコーヒー(ブラジルだけに)。
痛いほどの苦味を受け止められる、大人のための作品なのです。
ブックが広がるのを抑える為、収納時は帯は必需、しかしその帯は形状を含め取り外ししにくいのは大変困りもの。いっそケースにすればよかったのでは?
ちなみに作品自体は星5つ以上です。
評判通りの傑作です。
「不条理」と「管理社会」。
言うなれば、オーウェルの「1984」とカフカの「審判」を
融合させたような映画です。
レトロな未来社会の描写も、モダンタイムスを思い出させる徹底的に
管理化される社会の描写も、丁寧に描き込まれています。
黒服を着て、同じように動く役人達。どういう状況下に置かれているのか
主人公すら分からない社会。自分の存在すら曖昧模糊とする世界。
ともすれば、独りよがりな映画になりそうですが、
ストーリーもスピーディーで、全く飽きのこない作品です。
「現代社会への警鐘」とも「不条理」とも「管理化される個人」とも
幾通りにでも、解釈できる映画です。
監督のギリアムにひたすら拍手です。
ただただ圧倒されました。
是非、オーウェルの「1984」とカフカの「審判」を
読んでからもう一度見て下さい。魅力が倍増します。