たぶん、今売れっ子の女優の過去作を掘り出してきて便乗販売するたぐいのものかと錯覚してしまうに違いない。商品の説明からもこの作品がトワイライト・サーガの撮影の合間に撮った比較的新しい(2010年)タイトルでサンダンス映画祭に出品されたインディ系の作品だということも判らないとだろうし。
原題の「ライリー家にようこそWelcome to the Rileys」では地味すぎるにしてももうちょっとなんとかならなかったのかと思う。
内容は、一人娘を交通事故で亡くしたショックで自閉症気味になってしまった妻ロイスとの同居に疲れた主人公の初老の男ダグは浮気相手のウエイトレス、ヴィビアンにも先立たれて惰性的な日々を送っていたが、たまたま出張でニューオリンズでのコンベンションに来た折、仲間と共に出かけたストリップ・クラブでプライベート・ダンスに誘ったマロリーという名の亡くなった娘にそっくりな家出少女と出会う。
彼女が未成年だと知ったダグは勢いでそのダンスを断る代わりに一日100ドルで彼女に家に泊まり込み、更正させようとする。一方、なんとかして自閉症を克服しようと努力を続けていたロイスは、ようやく自力で車を運転出来るようになり、そのまま夫の居るニューオリンズまで旅を続けてやって来る。そして見知らぬティーン・エイジャーと同居している夫を発見して・・・。
映画はそれぞれ心に重い傷を抱えた三人が、ふとしたきっかけで出会うことにより化学反応のような現象が起こって中和され、再び新しい人生に向かって歩き始めるという感じでエンディングを迎える。
インディーズの女優という側面をも持つクリステン・ステュワートの一連の作品(Speak, Cake Eaters等)の一つで、手堅い共演陣に囲まれて薄幸の少女役をこれまた手堅くこなす芸達者な所を見せる地味ながらも割と良くできた佳作だと思う。役柄上彼女のヌードシーンもあるし・・・。でも、本邦未公開、ビデオスルーにしても、パッケージのデザインはせめて上品なオリジナルをなぞって欲しかった。米盤の画質。音質は標準