私は最近、落ち込んだり物事を悲観的にとらえることが多くなっていたのですが、本作を聴き、歌詞に込められた意味に思いを馳せていたら、とても前向きで明るい気持ちになれました。
国内盤(初回生産限定盤)のブックレットには、音楽評論家の方々の解説だけでなく、歌詞の対訳者の方による「訳者からみた『レッキング・ボール』全13曲」という論考が掲載されています。
こういった解説は、たとえるならば、「難しいけれど解くのが楽しいクイズの答えを先に見てしまう」ような意味合いをはらんでいるので、先に読んでしまうのか、何回も聴いて自分なりの解釈ができた後で読むのかは、個人の好き好きだと思います。
私はせっかちなので先に読んでしまったのですが、このアルバムの良さを深く理解するための手がかりをつかめたので、先に読んで良かったと思いました。本作のような形で、対訳者の論考が載っている国内盤には初めて出合いましたが、実に粋な計らいです。
この論考を読み、私はWe Take Care Of Our Ownの後ろに省略されている言葉は1つだけではなく、いろいろな言葉があてはまりうるのだろうなと思いました。今後、じっくり聴いてどんな言葉が入るのか、あれこれ想像して楽しもうと思います。
時に力強く、時に優しく、リスナーの心に寄り添ったブルース・スプリングスティーンの言葉の数々に感動しました。
最高に格好いい!