フィンランド発、5人組ゴシックメタルバンドの2ndアルバム。
便宜上、ゴシックメタルと呼んだがこれは「Dark the Suns」と言う新しいメランコリー・メタルのジャンルなのかも知れない。
この2ndからメンバーが5人となり1stから大幅な進化を遂げたと言える。
サウンドはダイナミックさが増し、曲調にはかなり幅が出た。
時折、挿入される女性Vocalが楽曲の魅力を更に引き出していると言えよう。
1stでは見られなかった楽曲の展開の妙も感じられ、これは後の3rdにも継承されている。
基本的な音楽性、狂おしい切なさを感じさせる旋律に変化は無くバンドが正常な進化を遂げている事を再確認させられる。
正に慟哭と言う言葉がふさわしいこのバンドの楽曲はもっと評価されても良いのでは無いだろうか?
個人的には既存のどのバンドとも異なる印象を持った。
決して必要以上に自己主張をする事は無いが、ギターも印象に残る旋律を奏でとても良い仕事をしている。
1stで物足りなかった課題をこの2ndでは軽々とクリアしている。
楽曲もややアップテンポになって来た様に感じる。
だからと言ってこのバンドの本質が失われた訳では無く、より成熟した印象を持った。
若干、Keyboardの旋律に頼りがちだった1stとは違い、絶妙なバランスで静と動にメリハリが付いた。
素晴らしい作品だ。
現時点で何も文句の付けようが無い。
後は聞き手の好みだろう。
決して万人受けする音楽性では無いが、印象的な旋律が随所に散りばめられているので聴かず嫌いは勿体無い様な気がする。
騙されたと思って是非聴いてみて下さい。