犯罪に巻き込まれた人たちの側から描くという、クロフツ後期の構成の出発点となった名作!
クロフツが模索していた真のリアリズムの鉱脈を掘り当てた記念すべき作品です。
Kindle 価格: | ¥693 (税込) |
獲得ポイント: | 7ポイント (1%) |
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
フレンチ警部と毒蛇の謎 (創元推理文庫) Kindle版
私はジョージ・サリッジ。バーミントン動物園の園長だ。仕事はともかく家庭に満足しているとは言えない。だから博打に入れあげることにもなった。運命の女性に逢った今や、二重生活を支える資金も必要だ。だから“叔母の遺産で万事解決”の皮算用が吹っ飛んだ衝撃といったらなかった。あげく悪事のお先棒を担がされ、心沈む日々。しかも、事故と処理された一件をフレンチという首席警部が掻き回している……。クロフツ最後の未訳長編、いよいよ登場!
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2010/3/26
- ファイルサイズ4094 KB
この本を読んだ購入者はこれも読んでいます
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B007TAEW62
- 出版社 : 東京創元社 (2010/3/26)
- 発売日 : 2010/3/26
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 4094 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 352ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 400,722位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,289位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (Kindleストア)
- - 2,638位創元推理文庫
- - 2,697位英米の小説・文芸
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4つ
5つのうち4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
22グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人気シリーズとのことでまずまずです。作者の試みは自分には合いませんでした。
2010年5月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み応えがありました。途中からの展開もびっくりでした。ラストを明確に書かないところがまた良いですねえ。ちょっと変わった倒叙推理小説で、マニアの方にはオススメです。
2010年5月22日に日本でレビュー済み
邦題は安っぽいけれど中身は一流。
翻訳の良さも手伝ってか、読み易い。
ディクスン・カーの作品のように余計なおしゃべりもないし
ストーリー展開がストレートなので
ミステリの素人にもオススメできるのではないか。
終盤一寸駆け足になるのが難点といえばいえないこともないが
それを補って余りある味のあるお話で、ミステリとしてだけではなく
人間悲喜劇として読むこともできる「文学作品」である。
実はクロフツを読むのはこれがはじめてなのでうれしい巡り合いだった。
ヴィンテージミステリはやはり読んでおくべきものとあらためて感じさせられた。
絶版となっているクロフツ作品も復刊して欲しいものだ。
翻訳の良さも手伝ってか、読み易い。
ディクスン・カーの作品のように余計なおしゃべりもないし
ストーリー展開がストレートなので
ミステリの素人にもオススメできるのではないか。
終盤一寸駆け足になるのが難点といえばいえないこともないが
それを補って余りある味のあるお話で、ミステリとしてだけではなく
人間悲喜劇として読むこともできる「文学作品」である。
実はクロフツを読むのはこれがはじめてなのでうれしい巡り合いだった。
ヴィンテージミステリはやはり読んでおくべきものとあらためて感じさせられた。
絶版となっているクロフツ作品も復刊して欲しいものだ。
2010年12月7日に日本でレビュー済み
Freeman Wills Croftsの『Antidote to Venom』(1938年)の翻訳。
クロフツの最後の未訳長編だったものである。
お馴染みのフレンチ警部もので、アリバイ崩しもちゃんと出てくる。
動物園や毒蛇をテーマとしているのが珍しくて面白い。犯行が複数人で分担され、犯人たちのすれ違いや視点のずれがプロットに生かされているのも良くできている。
なぜ、これまで訳されなかったのか不思議なくらいだ。確かに、ご都合主義的だったり、結末の何とも言えないキリスト者っぽさには不満が残るが。
充分に楽しめる一冊と思う。
クロフツの最後の未訳長編だったものである。
お馴染みのフレンチ警部もので、アリバイ崩しもちゃんと出てくる。
動物園や毒蛇をテーマとしているのが珍しくて面白い。犯行が複数人で分担され、犯人たちのすれ違いや視点のずれがプロットに生かされているのも良くできている。
なぜ、これまで訳されなかったのか不思議なくらいだ。確かに、ご都合主義的だったり、結末の何とも言えないキリスト者っぽさには不満が残るが。
充分に楽しめる一冊と思う。
2010年5月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
半分くらいまでは犯罪に加担せざるをえなくなる主人公の話が語られ他の方も指摘してますがそこら辺は普通小説としても読め、図らずも犯罪の片棒を担ぐ羽目になるこの小説の主役に少し同情したくなるほど周辺事情がこってり語られます。といっても主人公にも色々問題があって完全に肩入れはしませんが。後半からフレンチ警部が登場、些細なことから犯罪のにおいを嗅ぎつけ、捜査が始まり倒叙もの推理小説ぽくなります。
解説で指摘されてる通り一般的倒叙ものと違い犯罪の主犯ではなく共犯の側のドラマが描かれていてそこが実験作風に思えますが、あまり作為的にならず、普通に読めるところがミソだと思いました。推理小説の文学化を考えていたというチャンドラーが同じ時代の他の作家より注目していたのもこの辺の実験精神や倒叙もの特有の人間ドラマだったのかも。推理小説の枠、可能性を拡げようとしていた姿勢は偉いと思います。出版された1938年頃は他に「そして誰もいなくなった」、「レベッカ」、「ある詩人への挽歌」等がでてますが、作家同士お互い刺激しあいながら色々書いてたみたいですね。
これでクロフツは全て日本語で読めるそうですが(日本の方がファンが多い?)、何れ全ての作品が新訳や新版で読めるようになるといいですね。蛇足ですが、故・瀬戸川猛資さんが好きな作家で老後の愉しみにとってあると言ってたとか。もう少し長生きできたら全部読めたのにと思うと尊敬していた身としては悲しい・・・。
解説で指摘されてる通り一般的倒叙ものと違い犯罪の主犯ではなく共犯の側のドラマが描かれていてそこが実験作風に思えますが、あまり作為的にならず、普通に読めるところがミソだと思いました。推理小説の文学化を考えていたというチャンドラーが同じ時代の他の作家より注目していたのもこの辺の実験精神や倒叙もの特有の人間ドラマだったのかも。推理小説の枠、可能性を拡げようとしていた姿勢は偉いと思います。出版された1938年頃は他に「そして誰もいなくなった」、「レベッカ」、「ある詩人への挽歌」等がでてますが、作家同士お互い刺激しあいながら色々書いてたみたいですね。
これでクロフツは全て日本語で読めるそうですが(日本の方がファンが多い?)、何れ全ての作品が新訳や新版で読めるようになるといいですね。蛇足ですが、故・瀬戸川猛資さんが好きな作家で老後の愉しみにとってあると言ってたとか。もう少し長生きできたら全部読めたのにと思うと尊敬していた身としては悲しい・・・。
2019年2月3日に日本でレビュー済み
クロフツ最後の未訳長編。
冒頭、作者注ということで2つの宣言がなされています。
一つ目は「通常の叙述と倒叙を組み合わせた実験的試みだ」ということ。
即ち「半倒叙式」という新たな推理小説の分野に挑戦しようという,野心的な宣言です。
二つ目は「犯罪の前向きな描写を試みた」ということ。
これは読んでみてのお楽しみの部分だと思いますが、まさに倒叙式と組み合わせることで、その効果が最大限発揮される視点かと思います。
結果として、この二つの試みは、大成功であったと思います。
ストーリーは作品紹介にあるとおり、クロフツ作品お馴染みの組織トップという社会的地位を得た人が、プライベートな部分の破綻を避けるために犯罪に手を染めていくという他作と同様の設定となっています。
ただし、前述のとおり二つの試みのおかげで、まったく飽きさせない、読ませる作品となっています。
元エンジニア(鉄道技師)だったことを感じさせてくれる要素もありました。
作家として新境地にチャレンジする意欲と姿勢が感じられる名作です!
冒頭、作者注ということで2つの宣言がなされています。
一つ目は「通常の叙述と倒叙を組み合わせた実験的試みだ」ということ。
即ち「半倒叙式」という新たな推理小説の分野に挑戦しようという,野心的な宣言です。
二つ目は「犯罪の前向きな描写を試みた」ということ。
これは読んでみてのお楽しみの部分だと思いますが、まさに倒叙式と組み合わせることで、その効果が最大限発揮される視点かと思います。
結果として、この二つの試みは、大成功であったと思います。
ストーリーは作品紹介にあるとおり、クロフツ作品お馴染みの組織トップという社会的地位を得た人が、プライベートな部分の破綻を避けるために犯罪に手を染めていくという他作と同様の設定となっています。
ただし、前述のとおり二つの試みのおかげで、まったく飽きさせない、読ませる作品となっています。
元エンジニア(鉄道技師)だったことを感じさせてくれる要素もありました。
作家として新境地にチャレンジする意欲と姿勢が感じられる名作です!
2010年7月26日に日本でレビュー済み
まず、初めに。
本書が、クロフツ最後の未訳長編と聞いて、ちょっと意外な気がした。なぜならーー
数年前にハードカバーで、論創社から「...漂う死体」が刊行され、(私の勘違いでなければ)、最後の一つ前の未訳長編、となるわけでだが、そんなことひと言もうたっていなかったからだ。
だから、まだ数編残っていて、これからは、論創社がハードカバーで刊行し続けるのかな、と漠然と決めてかかっていたからだ。
それはさておき。
本書は、翻訳が一番後回しになってしまったのがよく理解できないくらい、読んでいて面白い。クロフツ乃作品としてはなにか清新な雰囲気が有る。
舞台も、あんまり鉄道や船や時刻表が出てこず、事件そのものはありきたりの遺産相続だとか醒めた夫婦に愛人だとか、道具仕立ては平凡だが、読んでみるとそれなりにスラスラ読める。
私はクロフツのファンだが、正直言って、これまで読んだ長編の中には、なかなか先へ進まず、一ヶ月近くたってようやく読了、というのもあったが、本書は三日程で集中して読むことが出来た。
クロフツを三冊か読んだことのある推理小説愛好家の方は、是非、スルーせずに立ち寄って欲しいと思う。
ちなみに、これを機に、草原推理文庫で版権を所有していて現在廃盤になっているクロフツの全作品を、復刻して欲しい。そして、ヴァン・ダインやクリスティのように、常時カタログに載せておいて欲しいのだ。
本書が、クロフツ最後の未訳長編と聞いて、ちょっと意外な気がした。なぜならーー
数年前にハードカバーで、論創社から「...漂う死体」が刊行され、(私の勘違いでなければ)、最後の一つ前の未訳長編、となるわけでだが、そんなことひと言もうたっていなかったからだ。
だから、まだ数編残っていて、これからは、論創社がハードカバーで刊行し続けるのかな、と漠然と決めてかかっていたからだ。
それはさておき。
本書は、翻訳が一番後回しになってしまったのがよく理解できないくらい、読んでいて面白い。クロフツ乃作品としてはなにか清新な雰囲気が有る。
舞台も、あんまり鉄道や船や時刻表が出てこず、事件そのものはありきたりの遺産相続だとか醒めた夫婦に愛人だとか、道具仕立ては平凡だが、読んでみるとそれなりにスラスラ読める。
私はクロフツのファンだが、正直言って、これまで読んだ長編の中には、なかなか先へ進まず、一ヶ月近くたってようやく読了、というのもあったが、本書は三日程で集中して読むことが出来た。
クロフツを三冊か読んだことのある推理小説愛好家の方は、是非、スルーせずに立ち寄って欲しいと思う。
ちなみに、これを機に、草原推理文庫で版権を所有していて現在廃盤になっているクロフツの全作品を、復刻して欲しい。そして、ヴァン・ダインやクリスティのように、常時カタログに載せておいて欲しいのだ。