内容紹介
あのネナ・チェリーとザ・シングがコラボ!
リップ・リグ&パニックやニューエイジ・ステッパーズなどでも活躍し、80年代末から90年代はソロ・アーティストとして大きな成功を収め、ユッスー・ンドゥールからトリッキー、ゴリラズなど著名アクトとのコラボも多数、レイ・ペトリ率いるクリエイティヴ集団<バッファロー>にも名を連ね、音楽のみならずカルチャー全域のアイコンとして活躍した ネナ・チェリー。
一方、スウェーデン出身のリード奏者のマッツ・グスタフソン、アトミックでもおなじみのインゲブリクト・ホーテル・フラーテンとポール・ニルセン・ラヴの3人からなり、カトー・サルサ・エクスペリエンス、ジョー・マクフィー、サーストン・ムーア、ジム・オルークから大友良英まで、ジャンルを越え様々なアーティストたちと数多くコラボ、ジャズの域をはるかに逸脱した出音で人気を博す ザ・シング。
本作はこれら二つの奇才が出会い制作された痛快なカヴァー・アルバムで、スーサイド、マルティナ・トップリー・バード、ストゥージズにMFドゥームと、カヴァー曲のチョイスも絶妙。もちろんネナの継父=ドン・チェリーのレパートリーも収録されています!ボーナストラックにはヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコで知られるニコのカヴァー曲を収録予定!
本作は、抑制をきかせながらもヒリヒリとしてささくれ立った、シングの真骨頂ともいうべき烈火のごときスピリットがほとばしる力強い演奏。その上を、鳥のように自由に舞う、タフでコンシャスなネナ・チェリーのうた。突出した二つの個性が正面からぶつかり合い、あるときは反発し、またあるときは絶妙に混ざり合いながら、最高にスリリングで、マジカルで、ミラクルとしか言いようのないサウンドが湧き上がっております!
そう、フリージャズとロックを軽やかに往来 して見せた、自由で骨太かつエクスペリメンタルな化学反応が突出した問題作!また、NYノー・ウェイヴの雰囲気 も あって◎!!
ちなみに、ザ・シングというユニット名は、ファラオ・サンダース等も参加していたドン・チェリーのブルーノート録音『Where Is Brooklyn』の収録曲「The Thing」が由来しており、両者の結び付きは偶然ではないのが窺い知れます!
アーティストについて
ネナ・チェリーはポストパンクやラップなどのカテゴリーを越えて、音楽界の女性ポップ・スターのイメージを更新したパイオニア的存在のひとり。デビュー・アルバムの『Raw Like Sushi』のプロモーションでは妊娠7か月ながらタイトな衣装に身をまといテレビ出演を果たし、周囲を驚かせた。シングル曲を次々とチャートへと送り込み、確固たる地位を確立すると、ユッスー・ンドゥールとコラボ・シングル「7 Seconds」をリリース(48か国でチャート一位を獲得)したり、アルバム『Man』からのシングル曲「Woman」を英語のみならずスペイン語でもリリースするなど、独自の活動によりコンシャスな女性のロールモデルとしての立場を強固なものにしてゆく。徹底したアーティストとしてのこだわりとオープンな姿勢、適応力は、母親のモキがスウェーデン人のアーティストで、継父は偉大なジャズのトランペット奏者であるドン・チェリーという、幼少期の環境から培われてきたものだった。夏のあいだはスウェーデンの森の中で過ごしたり、或いはドン一家とLAのワッツで過ごしたり、またあるときは実の父親であるシエラレオネ出身のパーカッション奏者アマドゥ・ジャーとニューヨークのロフトで過ごしたり、過去の多様な体験が、彼女の多面的なアーティスト性の礎となっている。『Man』以降は、トリッキー、デイモン・アルバーンのゴリラズなどコラボレーションや客演参加に軸足を移し、2000年代に入ってからは、公私ともに長くパートナーであるCameron McVeyと娘のTysonと共にcirKusを結成し、アルバムを残している。
ザ・シングは2000年の春に結成され、最初のアルバム『The Thing』(正確には、Mats Gustafsson / Ingebrigt Håker Flaten / Paal Nilssen-Love名義の『The Thing』というアルバム)を、マッツ・グスタフソンがConny Lindströmと共に立ち上げた、Crazy Wisdomレーベルに吹き込んだ。バンドは続いてこのレーベルからジョー・マクフィーとのカルテットでカルテットで『She knows…』を録音。ザ・シングは、ドイツ、イングランドにアメリカという、異なる背景やルーツを持つミュージシャンたちによるユニット。三人は、かねてから、多様な音楽スタイルをエネルギッシュにぶつけあうことのできる新しい場を、欲していた。それがザ・シングとなった。ザ・シングはこれまでにThurston Moore、Joe McPhee、Ken Vandermark、Otomo YoshihideやJim O’Rourke、Peter Evansなどとステージを共にしてきた。現在はノルウェーのSmalltown Superjazzzを拠点にリリース活動を行っている。Mats Gustafssonはヨーロッパのフリー・ミュージックの巨匠Gush、AALY trioやPeter Brötzmann`s Chicago Tentetなどのユニットでも活躍。