汀さんは細やかな感情(センチメント)を叙情豊かに歌い上げることについては
卓越したものを持っている歌い手さんだと思う。
ピアノ(その他ドラムなど色々)が弾ける汀さんがなぜギターを手に持ったのか。
それはご本人に聞いてみないと正確にはわかりませんが,
ピアノは大きなスケールで世界観を構成するには向いてますが,
内的な世界の繊細なセンチメントを表現するのにはギターだったのだと思う。
本アルバムでも,「最終電車」「東京タワー」では
そのような20歳の女の子の等身大の繊細な感情が表現されています。
「ガタンゴトン ホームにすべりこむ
あぁ、今日も情けないままだった…」
「明日の朝来ないでって思う私を励まして」
即効性栄養ドリンクのようなメッセージソングや
チープな恋愛ソングがあふれる中,
汀さんの曲は放電系とでもいうのか力が抜けていて心地よい。
そのささやくような歌声は,どの誰の歌よりも耳に近く心に沁みるのです。
録音技術的な問題はやや気になりましたが,
以上,お勧めします。