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前作『Libra Scale』は，映画「X-Men」を思わせるダークなSF仕立てのドラマティックなアルバムで，「Champagne Life」，「One In A Million」，「Beautiful Monster」の3曲がブレイク。その勢いもそのままに，本作も新境地を突っ走っている感じでしょうか。
冒頭の「Cracks in Mr. Perfect」でグッと引き込まれてしまいました。煌びやかなキーボードに，何処となくドラマティックス「In The Rain」を思わせる甘く切ないギター・リフ。甘美で夢見心地なメロディーに，繊細でしなやかなNE-YOのヴォーカルが映えます。
感傷的なギターの調べで幕を開ける「Lazy Love」は，ゆったりと伸びやかなヴォーカルが心地良いですね。「Let Me Love You (Until You Learn to Love Yourself)」は，まばゆいばかりに明るいエレクトロ。今どきのサウンドと言えばそれまでですが， NE-YOが歌うとハマりますね。
スコットランドのDJ カルヴィン・ハリスがヴォーカルにNE-YOを起用した「Let’s Go」なんて，エレクトロを通り越してテクノ。シューティング・ゲームのBGMみたいなシンセ一辺倒のアップテンポながら，NE-YOが歌うとカッコいいんですよね。
とはいえ，R&B通なら，エレクトロよりもオーセンティックなサウンドが欲しくなるところ。そんな方には，繊細で感傷的な「Miss Right」に，そよ風のように爽やかで，甘酸っぱい「Jealous」でしょうか。
今どきのエレクトロに，美メロを交錯させた「Don't Make Em Like You」は，ダンス・ミュージックとR&Bのどちらも同等に重視するNE-YOらしい個性的なナンバー。ウィズ・カリファが参加しています。「Be the One」も，キャッチーなエレクトロと，感傷的な美メロが上手く融合された琴線に触れるアップテンポ。繊細で美しいピアノで幕を開ける「Forever Now」はシンセを交えて徐々に盛り上がり，やがて爽快なエレクトロに。甘美なメロディーをソリッドなビートで崩した「My Other Gun」は，斬新だけどスタイリッシュ。
少し変わったところでは，「Should Be You」。ファボラスとDiddyが参加した，陰のある孤高なミッドテンポ。ニヒルなラップと哀感漂うヴォーカルのコンビネーションが見事で，個人的には一番気に入ってしまいました。
というわけで，様々な趣向を凝らした楽曲が満載の本作。デビュー当時とは随分印象が変わりましたが，NE-YOだからこそできる，NE-YOだからこそハマる，そんな独創性あふれる会心作です。
Libra Scale
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| 価格 | — | ￥1,980 |
| 製品仕様 | CD+DVD | CD+DVD |
| 発売日 | 2013/3/6 | 2012/10/31 |
