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知りすぎていた男 [DVD]
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フォーマット | DVD-Video |
コントリビュータ | ジェームズ・スチュワート, ドリス・デイ, アルフレッド・ヒッチコック, ダニエル・ジェラン |
稼働時間 | 2 時間 |
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商品の説明
灼熱の異国で展開する巨大な陰謀劇。
要人暗殺に巻き込まれた一家の運命は?
【キャスト】
ジェームズ・スチュワート/ドリス・デイ/ダニエル・ジェラン
【スタッフ】
製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック
■製作:1956
■Disc枚数:1
■画面サイズ:16:9
■収録時間:120分
※映像特典、商品仕様、ジャケット写真などは予告無く変更となる場合がございます。
登録情報
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 83.16 g
- EAN : 4988102090685
- 監督 : アルフレッド・ヒッチコック
- メディア形式 : DVD-Video
- 時間 : 2 時間
- 発売日 : 2012/9/26
- 出演 : ジェームズ・スチュワート, ドリス・デイ, ダニエル・ジェラン
- 販売元 : ジェネオン・ユニバーサル
- ASIN : B008MIU07A
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,447位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 41位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 128位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー
4 星
「知りすぎていた男」とハーマン(2003年邦盤DVDレビュー)
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517(2003年、ユニヴァーサル社邦盤DVD)のレビュー。原題:The Man Who Knew Too Much、56年、120分、ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ出演。ヒッチコック監督。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。本作は英国時代の監督自身の「暗殺者の家」(34年、ピーター・ローレ)の再映画化。監督自身の発案ではないが非常な熱意ともって撮った作品とか。内容は多く述べないが、50年代、あるアメリカ人家族(スチュアート、デイ、子)が巻き込まれる暗殺と子供誘拐サスペンス。マラケシュとロンドンを舞台にした豊穣・極上な1本。陶然とさせられる美しく病んだ傑作「めまい」や、監督のパラノイアが感じられるニューロティックな「サイコ」「鳥」「マーニー」「見知らぬ乗客」等とも、捻じれたユーモアが前に出た作品群とも異なり、明るいユーモア・緩急を取り混ぜてサスペンスを盛り上げる。本作は脚本として至らないところがあるが些事は些事。本作の魅力・要諦は下記のコンサート・シーンと音楽との関わりであり、そこに身を任せればいい。監督はいつも通り意地悪だから、そこまで焦らす焦らす。本作のクライマックスである、ロンドンの広大なロイヤルアルバート・ホールシークエンスは絶品。大オーケストラの演奏が続く中、夫婦は暗殺を阻止できるのか、さらわれた子は無事に戻るのか。この場面は本作のリメイク元である「暗殺者の家」にもあるがはるかに洗練されていて手に汗握る。サスペンスでのカット割りと音楽の力を思い知る。カメラ、編集の稚拙なミレニアム以降の聖林映画が情けない。ご指摘の方あるように、そこではアーサー・ベンジャミン作の「Storm Cloud Cantata」が使われている。本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として出演(映画内公演ポスターにも名前が。そしてこの曲をロンドン・シンフォニーの編成に合わせて拡張編曲し実際の指揮もしている)。この曲は「暗殺者の家」でも使用されたが(「暗殺者の家」のために作曲されたという海外ソースもあるが真偽は不明)、本作では、ハーマンはヒッチコックに「オリジナルを使ってもよい」と言われた。しかしハーマンはこの曲の偉大さと映画との親和性を感じていたため、引き続きこの曲を使用することにした。Barbara Howittのメゾソプラノとコヴェント・ガーデン・コーラスをフューチャーしている。この曲の演奏開始からデイが叫ぶまでの12分は、ほぼこの音楽のリアルタイムとシンクロし、無声のショットのみで構成されていて唸る(台詞ありバージョンも作成されたが却下)。この歌詞はD. B. ウィンダム・ルイスが書いたもので、内容は本作の主演夫婦の巻きこまれた焦燥を表しているように思える。本作ではほんの少し変更と追加歌詞がある(以上海外サイトを参考に)。やや手練れた感があるが、職人芸の極みともいえる安定感と余裕。ドリス・デイの演技は余技に留まらずとても良い。絶望と焦燥と強さを繊細に感じさせる。本作に勝る他のヒッチ作品は多くがあるが、過小評価することはできない。リッチな気分で劇場を後にすることができる。撮影のロバート・バークスは相変わらずの美しさ。ロケ、セットともに良い。脇のベルナルド・ミルズ、レジー・ナルダーが好演。「ケ・セラ・セラ」と画質は以下参照。実質★4つ半。★オリジナルデータ:The Man Who Knew Too Much, US, 1956, 製作・配給Universal Pictures, 120min. Color (Technicolor)、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1 (VistaVision。しかし邦盤DVDではこの表示がない)、Mono, ネガ35mm(horizontal),ポジ35mm★レビューのコードのDVDについて(ASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517、2003年邦盤DVD):全体では傷・パラ、ちらつき等は気にならない程度。色調がやや赤みがかるところあるが発色はいい。合成シーン等にやや粗がある程度で、32型モニターで観るかぎり特にストレスはない。リージョン2対応、NTSC プレス盤映像仕様は16:9LB、画面アスペクト比:ヴィスタ。ただし両端を少しトリミングしてワイド画面いっぱいにしてしまっている。片面2層、120min、カラー音声:英語、スペイン語5.1 ch サラウンド。Dolby Digital。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く字幕:日本語、英語他 On・Off 可メインメニュー、チャプターメニューあり〇映像特典:1 メイキング(約34分、4:3仕様、ヴィスタ、カラー、日本語字幕あり。関係者の近時のインタビューに当時の撮影風景写真、本編フッテージ、ポスター類等を挟んだもの。56年の映画ということを考えれば充実した内容。画質も良い)2 フォトギャラリー(4分強の動画仕様。各国各種ポスターと撮影時スチール。貴重)3 米劇場予告編(2分強、4:3仕様のフルフレーム。日本語字幕なし、画質は良くない)4 ヒッチコック予告編集(6分強、4:3仕様のヴィスタ、日本語字幕あり、画質は良くない。ユニヴァーサル作品のみ)〇付属物:なし発売・販売:パラマウントjp 2003年、PDI-7★他の商品邦盤DVDは同仕様・同マスターの模様。邦盤BDはASIN:B00AZQZ33I、JAN:4988102137861(13年、ジェネオン社)の1種。画質はいいというレビューがあるが比較はされていないので断言できない。またDVDにある特典についてもレビューが触れていず不明。大手慣例から推測するとない可能性が高い。import盤:邦盤DVD、BDが廉価で入手可能なので略。特典等豊富な盤が出ている可能性があるが調べ切れなかった。★以下はハーマン好き以外には蛇足なのでスルーしてください。ハーマン描き下ろしで出色なのはオープニング・クレジットの序曲音楽。このシーンはオーケストラの演奏シーンのワンショットで、だんだんカメラがシンバルに寄っていく。打ち鳴らされる一打。このOPとそこに挿入される文章が本作を一言で言い表しているといえる。この序曲は名曲(サロネン指揮・ロスアンゼルスフィル「Great Performances Bernard Herrmann」ASIN:B00077F9AM、JAN:0827969276723 や「アルフレッド・ヒッチコックのための音楽」ASIN:B00KZKWQQ6、JAN:5060113442413などで聴くことができる。オリジナル・サントラではなく再演。某動画サイトでも数種)。他にはハーマンのオリジナルは少しのシーンに流れるのみ。「ハリーの災難」から「マーニー」(そして音楽を完成させながらヒッチコックに全ボツにされた「引き裂かれたカーテン」)まで、ヒッチコック作品で鳴り響き、映画をリードした映画群と比して、結果、ハーマンのオリジナル音楽がごくわずかな作品となった。こんな事情もあり、本作のフルサイズのOriginal Soundtrackは公式には出ていない理由かも知れない。しかしハーマン指揮・編曲による「Storm~」とOPプレリュード曲だけでハーマンは十分に適切に本作で役目を果たしたといえよう。「Storm~」はMilan America 35884、ロイヤルフィル「Hitchcock 100years: A Bernard Herrmann Film Score Tribute」ASIN:B00000JMGI、JAN:0731383588426やバーンスタイン指揮・ロイヤルフィル「バーナード・ハーマン作品集」ASIN:B00WV0KXUO、JAN:4943674214600などで聴くことができる(この曲の総楽譜は出版されたことがないらしい)。デイが歌う有名な「Whatever Will Be, Will Be (Que Sera, Sera)」(リヴィングストンとエヴァンス作)が単なるテーマソングに留まらず重要な役割を果たし、本作の裏に流れる監督の「気分」みたいなものを表しているのではないだろうか。借用と思っていたが本映画のために書き下ろされたオリジナルとのこと。ドリス・デイが映画内で2度歌うという点も脚本上うまい。主題曲ではなく挿入歌といえるが、ヒッチコック作品ではそれすら珍しい。監督の挑戦であり、デイの起用も「歌える人で」という要素が働いたのかも知れない。下の画像は2003年邦盤DVD英語字幕選択より。
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2023年10月16日に日本でレビュー済み
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ジェームズ・スチュアートとドリス・ディの映画。素晴らしい。
2023年2月12日に日本でレビュー済み
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全体的に話にリアリティが感じられないので、スリリングな感じもしない。事件の起きた場所、事件の内容から夫婦だけで解決しましょう、というのはどう考えても無理がある。ヒッチコックにしてはイマイチな感じ。
2024年1月11日に日本でレビュー済み
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Lavish but overlong remake of Hitchcock's shorter and superior earlier version, that still omits some of the best scenes ( the dentist's chair, the shoot out ). In addition, Bernard Miles is no Peter Lorre, and James Stewart is no Leslie Banks.
2022年3月8日に日本でレビュー済み
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一九五五年のこのヒッチコック映画は原題がTHE MAN WHO KNEW TOO MUCH。ヒッチコックが一九三四年に監督した映画とまったく同じタイトル、話もほぼ同じです。(古いほうの邦題は『暗殺者の家』です。)ちがうところは時代背景。それになんと言っても新しいほうには戦後に人気絶頂だったドリス・デイが出ているところ。顔立ちがなんとなく若いころのペギー葉山に似ているんです。そう言えばああいうタイプの女性歌手はみんないなくなりましたね。
2018年10月24日に日本でレビュー済み
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仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517(2003年、ユニヴァーサル社邦盤DVD)のレビュー。原題:The Man Who Knew Too Much、56年、120分、ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ出演。ヒッチコック監督。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。
本作は英国時代の監督自身の「暗殺者の家」(34年、ピーター・ローレ)の再映画化。監督自身の発案ではないが非常な熱意ともって撮った作品とか。内容は多く述べないが、50年代、あるアメリカ人家族(スチュアート、デイ、子)が巻き込まれる暗殺と子供誘拐サスペンス。マラケシュとロンドンを舞台にした豊穣・極上な1本。陶然とさせられる美しく病んだ傑作「めまい」や、監督のパラノイアが感じられるニューロティックな「サイコ」「鳥」「マーニー」「見知らぬ乗客」等とも、捻じれたユーモアが前に出た作品群とも異なり、明るいユーモア・緩急を取り混ぜてサスペンスを盛り上げる。本作は脚本として至らないところがあるが些事は些事。本作の魅力・要諦は下記のコンサート・シーンと音楽との関わりであり、そこに身を任せればいい。監督はいつも通り意地悪だから、そこまで焦らす焦らす。
本作のクライマックスである、ロンドンの広大なロイヤルアルバート・ホールシークエンスは絶品。大オーケストラの演奏が続く中、夫婦は暗殺を阻止できるのか、さらわれた子は無事に戻るのか。この場面は本作のリメイク元である「暗殺者の家」にもあるがはるかに洗練されていて手に汗握る。サスペンスでのカット割りと音楽の力を思い知る。カメラ、編集の稚拙なミレニアム以降の聖林映画が情けない。
ご指摘の方あるように、そこではアーサー・ベンジャミン作の「Storm Cloud Cantata」が使われている。本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として出演(映画内公演ポスターにも名前が。そしてこの曲をロンドン・シンフォニーの編成に合わせて拡張編曲し実際の指揮もしている)。この曲は「暗殺者の家」でも使用されたが(「暗殺者の家」のために作曲されたという海外ソースもあるが真偽は不明)、本作では、ハーマンはヒッチコックに「オリジナルを使ってもよい」と言われた。しかしハーマンはこの曲の偉大さと映画との親和性を感じていたため、引き続きこの曲を使用することにした。Barbara Howittのメゾソプラノとコヴェント・ガーデン・コーラスをフューチャーしている。
この曲の演奏開始からデイが叫ぶまでの12分は、ほぼこの音楽のリアルタイムとシンクロし、無声のショットのみで構成されていて唸る(台詞ありバージョンも作成されたが却下)。この歌詞はD. B. ウィンダム・ルイスが書いたもので、内容は本作の主演夫婦の巻きこまれた焦燥を表しているように思える。本作ではほんの少し変更と追加歌詞がある(以上海外サイトを参考に)。
やや手練れた感があるが、職人芸の極みともいえる安定感と余裕。ドリス・デイの演技は余技に留まらずとても良い。絶望と焦燥と強さを繊細に感じさせる。本作に勝る他のヒッチ作品は多くがあるが、過小評価することはできない。リッチな気分で劇場を後にすることができる。撮影のロバート・バークスは相変わらずの美しさ。ロケ、セットともに良い。脇のベルナルド・ミルズ、レジー・ナルダーが好演。「ケ・セラ・セラ」と画質は以下参照。実質★4つ半。
★オリジナルデータ:
The Man Who Knew Too Much, US, 1956, 製作・配給Universal Pictures, 120min. Color (Technicolor)、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1 (VistaVision。しかし邦盤DVDではこの表示がない)、Mono, ネガ35mm(horizontal),ポジ35mm
★レビューのコードのDVDについて(ASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517、2003年邦盤DVD):
全体では傷・パラ、ちらつき等は気にならない程度。色調がやや赤みがかるところあるが発色はいい。合成シーン等にやや粗がある程度で、32型モニターで観るかぎり特にストレスはない。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9LB、画面アスペクト比:ヴィスタ。ただし両端を少しトリミングしてワイド画面いっぱいにしてしまっている。
片面2層、120min、カラー
音声:英語、スペイン語5.1 ch サラウンド。Dolby Digital。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く
字幕:日本語、英語他 On・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1 メイキング(約34分、4:3仕様、ヴィスタ、カラー、日本語字幕あり。関係者の近時のインタビューに当時の撮影風景写真、本編フッテージ、ポスター類等を挟んだもの。56年の映画ということを考えれば充実した内容。画質も良い)
2 フォトギャラリー(4分強の動画仕様。各国各種ポスターと撮影時スチール。貴重)
3 米劇場予告編(2分強、4:3仕様のフルフレーム。日本語字幕なし、画質は良くない)
4 ヒッチコック予告編集(6分強、4:3仕様のヴィスタ、日本語字幕あり、画質は良くない。ユニヴァーサル作品のみ)
〇付属物:なし
発売・販売:パラマウントjp 2003年、PDI-7
★他の商品
邦盤DVDは同仕様・同マスターの模様。邦盤BDはASIN:B00AZQZ33I、JAN:4988102137861(13年、ジェネオン社)の1種。画質はいいというレビューがあるが比較はされていないので断言できない。またDVDにある特典についてもレビューが触れていず不明。大手慣例から推測するとない可能性が高い。
import盤:邦盤DVD、BDが廉価で入手可能なので略。特典等豊富な盤が出ている可能性があるが調べ切れなかった。
★以下はハーマン好き以外には蛇足なのでスルーしてください。
ハーマン描き下ろしで出色なのはオープニング・クレジットの序曲音楽。このシーンはオーケストラの演奏シーンのワンショットで、だんだんカメラがシンバルに寄っていく。打ち鳴らされる一打。このOPとそこに挿入される文章が本作を一言で言い表しているといえる。この序曲は名曲(サロネン指揮・ロスアンゼルスフィル「Great Performances Bernard Herrmann」ASIN:B00077F9AM、JAN:0827969276723 や「アルフレッド・ヒッチコックのための音楽」ASIN:B00KZKWQQ6、JAN:5060113442413などで聴くことができる。オリジナル・サントラではなく再演。某動画サイトでも数種)。
他にはハーマンのオリジナルは少しのシーンに流れるのみ。「ハリーの災難」から「マーニー」(そして音楽を完成させながらヒッチコックに全ボツにされた「引き裂かれたカーテン」)まで、ヒッチコック作品で鳴り響き、映画をリードした映画群と比して、結果、ハーマンのオリジナル音楽がごくわずかな作品となった。こんな事情もあり、本作のフルサイズのOriginal Soundtrackは公式には出ていない理由かも知れない。しかしハーマン指揮・編曲による「Storm~」とOPプレリュード曲だけでハーマンは十分に適切に本作で役目を果たしたといえよう。
「Storm~」はMilan America 35884、ロイヤルフィル「Hitchcock 100years: A Bernard Herrmann Film Score Tribute」ASIN:B00000JMGI、JAN:0731383588426やバーンスタイン指揮・ロイヤルフィル「バーナード・ハーマン作品集」ASIN:B00WV0KXUO、JAN:4943674214600などで聴くことができる(この曲の総楽譜は出版されたことがないらしい)。
デイが歌う有名な「Whatever Will Be, Will Be (Que Sera, Sera)」(リヴィングストンとエヴァンス作)が単なるテーマソングに留まらず重要な役割を果たし、本作の裏に流れる監督の「気分」みたいなものを表しているのではないだろうか。借用と思っていたが本映画のために書き下ろされたオリジナルとのこと。ドリス・デイが映画内で2度歌うという点も脚本上うまい。主題曲ではなく挿入歌といえるが、ヒッチコック作品ではそれすら珍しい。監督の挑戦であり、デイの起用も「歌える人で」という要素が働いたのかも知れない。
下の画像は2003年邦盤DVD英語字幕選択より。
本作は英国時代の監督自身の「暗殺者の家」(34年、ピーター・ローレ)の再映画化。監督自身の発案ではないが非常な熱意ともって撮った作品とか。内容は多く述べないが、50年代、あるアメリカ人家族(スチュアート、デイ、子)が巻き込まれる暗殺と子供誘拐サスペンス。マラケシュとロンドンを舞台にした豊穣・極上な1本。陶然とさせられる美しく病んだ傑作「めまい」や、監督のパラノイアが感じられるニューロティックな「サイコ」「鳥」「マーニー」「見知らぬ乗客」等とも、捻じれたユーモアが前に出た作品群とも異なり、明るいユーモア・緩急を取り混ぜてサスペンスを盛り上げる。本作は脚本として至らないところがあるが些事は些事。本作の魅力・要諦は下記のコンサート・シーンと音楽との関わりであり、そこに身を任せればいい。監督はいつも通り意地悪だから、そこまで焦らす焦らす。
本作のクライマックスである、ロンドンの広大なロイヤルアルバート・ホールシークエンスは絶品。大オーケストラの演奏が続く中、夫婦は暗殺を阻止できるのか、さらわれた子は無事に戻るのか。この場面は本作のリメイク元である「暗殺者の家」にもあるがはるかに洗練されていて手に汗握る。サスペンスでのカット割りと音楽の力を思い知る。カメラ、編集の稚拙なミレニアム以降の聖林映画が情けない。
ご指摘の方あるように、そこではアーサー・ベンジャミン作の「Storm Cloud Cantata」が使われている。本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として出演(映画内公演ポスターにも名前が。そしてこの曲をロンドン・シンフォニーの編成に合わせて拡張編曲し実際の指揮もしている)。この曲は「暗殺者の家」でも使用されたが(「暗殺者の家」のために作曲されたという海外ソースもあるが真偽は不明)、本作では、ハーマンはヒッチコックに「オリジナルを使ってもよい」と言われた。しかしハーマンはこの曲の偉大さと映画との親和性を感じていたため、引き続きこの曲を使用することにした。Barbara Howittのメゾソプラノとコヴェント・ガーデン・コーラスをフューチャーしている。
この曲の演奏開始からデイが叫ぶまでの12分は、ほぼこの音楽のリアルタイムとシンクロし、無声のショットのみで構成されていて唸る(台詞ありバージョンも作成されたが却下)。この歌詞はD. B. ウィンダム・ルイスが書いたもので、内容は本作の主演夫婦の巻きこまれた焦燥を表しているように思える。本作ではほんの少し変更と追加歌詞がある(以上海外サイトを参考に)。
やや手練れた感があるが、職人芸の極みともいえる安定感と余裕。ドリス・デイの演技は余技に留まらずとても良い。絶望と焦燥と強さを繊細に感じさせる。本作に勝る他のヒッチ作品は多くがあるが、過小評価することはできない。リッチな気分で劇場を後にすることができる。撮影のロバート・バークスは相変わらずの美しさ。ロケ、セットともに良い。脇のベルナルド・ミルズ、レジー・ナルダーが好演。「ケ・セラ・セラ」と画質は以下参照。実質★4つ半。
★オリジナルデータ:
The Man Who Knew Too Much, US, 1956, 製作・配給Universal Pictures, 120min. Color (Technicolor)、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1 (VistaVision。しかし邦盤DVDではこの表示がない)、Mono, ネガ35mm(horizontal),ポジ35mm
★レビューのコードのDVDについて(ASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517、2003年邦盤DVD):
全体では傷・パラ、ちらつき等は気にならない程度。色調がやや赤みがかるところあるが発色はいい。合成シーン等にやや粗がある程度で、32型モニターで観るかぎり特にストレスはない。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9LB、画面アスペクト比:ヴィスタ。ただし両端を少しトリミングしてワイド画面いっぱいにしてしまっている。
片面2層、120min、カラー
音声:英語、スペイン語5.1 ch サラウンド。Dolby Digital。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く
字幕:日本語、英語他 On・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1 メイキング(約34分、4:3仕様、ヴィスタ、カラー、日本語字幕あり。関係者の近時のインタビューに当時の撮影風景写真、本編フッテージ、ポスター類等を挟んだもの。56年の映画ということを考えれば充実した内容。画質も良い)
2 フォトギャラリー(4分強の動画仕様。各国各種ポスターと撮影時スチール。貴重)
3 米劇場予告編(2分強、4:3仕様のフルフレーム。日本語字幕なし、画質は良くない)
4 ヒッチコック予告編集(6分強、4:3仕様のヴィスタ、日本語字幕あり、画質は良くない。ユニヴァーサル作品のみ)
〇付属物:なし
発売・販売:パラマウントjp 2003年、PDI-7
★他の商品
邦盤DVDは同仕様・同マスターの模様。邦盤BDはASIN:B00AZQZ33I、JAN:4988102137861(13年、ジェネオン社)の1種。画質はいいというレビューがあるが比較はされていないので断言できない。またDVDにある特典についてもレビューが触れていず不明。大手慣例から推測するとない可能性が高い。
import盤:邦盤DVD、BDが廉価で入手可能なので略。特典等豊富な盤が出ている可能性があるが調べ切れなかった。
★以下はハーマン好き以外には蛇足なのでスルーしてください。
ハーマン描き下ろしで出色なのはオープニング・クレジットの序曲音楽。このシーンはオーケストラの演奏シーンのワンショットで、だんだんカメラがシンバルに寄っていく。打ち鳴らされる一打。このOPとそこに挿入される文章が本作を一言で言い表しているといえる。この序曲は名曲(サロネン指揮・ロスアンゼルスフィル「Great Performances Bernard Herrmann」ASIN:B00077F9AM、JAN:0827969276723 や「アルフレッド・ヒッチコックのための音楽」ASIN:B00KZKWQQ6、JAN:5060113442413などで聴くことができる。オリジナル・サントラではなく再演。某動画サイトでも数種)。
他にはハーマンのオリジナルは少しのシーンに流れるのみ。「ハリーの災難」から「マーニー」(そして音楽を完成させながらヒッチコックに全ボツにされた「引き裂かれたカーテン」)まで、ヒッチコック作品で鳴り響き、映画をリードした映画群と比して、結果、ハーマンのオリジナル音楽がごくわずかな作品となった。こんな事情もあり、本作のフルサイズのOriginal Soundtrackは公式には出ていない理由かも知れない。しかしハーマン指揮・編曲による「Storm~」とOPプレリュード曲だけでハーマンは十分に適切に本作で役目を果たしたといえよう。
「Storm~」はMilan America 35884、ロイヤルフィル「Hitchcock 100years: A Bernard Herrmann Film Score Tribute」ASIN:B00000JMGI、JAN:0731383588426やバーンスタイン指揮・ロイヤルフィル「バーナード・ハーマン作品集」ASIN:B00WV0KXUO、JAN:4943674214600などで聴くことができる(この曲の総楽譜は出版されたことがないらしい)。
デイが歌う有名な「Whatever Will Be, Will Be (Que Sera, Sera)」(リヴィングストンとエヴァンス作)が単なるテーマソングに留まらず重要な役割を果たし、本作の裏に流れる監督の「気分」みたいなものを表しているのではないだろうか。借用と思っていたが本映画のために書き下ろされたオリジナルとのこと。ドリス・デイが映画内で2度歌うという点も脚本上うまい。主題曲ではなく挿入歌といえるが、ヒッチコック作品ではそれすら珍しい。監督の挑戦であり、デイの起用も「歌える人で」という要素が働いたのかも知れない。
下の画像は2003年邦盤DVD英語字幕選択より。
仕様も生産国もメディアも異なる商品頁のレビューが共有されているがASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517(2003年、ユニヴァーサル社邦盤DVD)のレビュー。原題:The Man Who Knew Too Much、56年、120分、ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ出演。ヒッチコック監督。オリジナルデータ、簡単な商品仕様は文末にあります。
本作は英国時代の監督自身の「暗殺者の家」(34年、ピーター・ローレ)の再映画化。監督自身の発案ではないが非常な熱意ともって撮った作品とか。内容は多く述べないが、50年代、あるアメリカ人家族(スチュアート、デイ、子)が巻き込まれる暗殺と子供誘拐サスペンス。マラケシュとロンドンを舞台にした豊穣・極上な1本。陶然とさせられる美しく病んだ傑作「めまい」や、監督のパラノイアが感じられるニューロティックな「サイコ」「鳥」「マーニー」「見知らぬ乗客」等とも、捻じれたユーモアが前に出た作品群とも異なり、明るいユーモア・緩急を取り混ぜてサスペンスを盛り上げる。本作は脚本として至らないところがあるが些事は些事。本作の魅力・要諦は下記のコンサート・シーンと音楽との関わりであり、そこに身を任せればいい。監督はいつも通り意地悪だから、そこまで焦らす焦らす。
本作のクライマックスである、ロンドンの広大なロイヤルアルバート・ホールシークエンスは絶品。大オーケストラの演奏が続く中、夫婦は暗殺を阻止できるのか、さらわれた子は無事に戻るのか。この場面は本作のリメイク元である「暗殺者の家」にもあるがはるかに洗練されていて手に汗握る。サスペンスでのカット割りと音楽の力を思い知る。カメラ、編集の稚拙なミレニアム以降の聖林映画が情けない。
ご指摘の方あるように、そこではアーサー・ベンジャミン作の「Storm Cloud Cantata」が使われている。本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として出演(映画内公演ポスターにも名前が。そしてこの曲をロンドン・シンフォニーの編成に合わせて拡張編曲し実際の指揮もしている)。この曲は「暗殺者の家」でも使用されたが(「暗殺者の家」のために作曲されたという海外ソースもあるが真偽は不明)、本作では、ハーマンはヒッチコックに「オリジナルを使ってもよい」と言われた。しかしハーマンはこの曲の偉大さと映画との親和性を感じていたため、引き続きこの曲を使用することにした。Barbara Howittのメゾソプラノとコヴェント・ガーデン・コーラスをフューチャーしている。
この曲の演奏開始からデイが叫ぶまでの12分は、ほぼこの音楽のリアルタイムとシンクロし、無声のショットのみで構成されていて唸る(台詞ありバージョンも作成されたが却下)。この歌詞はD. B. ウィンダム・ルイスが書いたもので、内容は本作の主演夫婦の巻きこまれた焦燥を表しているように思える。本作ではほんの少し変更と追加歌詞がある(以上海外サイトを参考に)。
やや手練れた感があるが、職人芸の極みともいえる安定感と余裕。ドリス・デイの演技は余技に留まらずとても良い。絶望と焦燥と強さを繊細に感じさせる。本作に勝る他のヒッチ作品は多くがあるが、過小評価することはできない。リッチな気分で劇場を後にすることができる。撮影のロバート・バークスは相変わらずの美しさ。ロケ、セットともに良い。脇のベルナルド・ミルズ、レジー・ナルダーが好演。「ケ・セラ・セラ」と画質は以下参照。実質★4つ半。
★オリジナルデータ:
The Man Who Knew Too Much, US, 1956, 製作・配給Universal Pictures, 120min. Color (Technicolor)、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1 (VistaVision。しかし邦盤DVDではこの表示がない)、Mono, ネガ35mm(horizontal),ポジ35mm
★レビューのコードのDVDについて(ASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517、2003年邦盤DVD):
全体では傷・パラ、ちらつき等は気にならない程度。色調がやや赤みがかるところあるが発色はいい。合成シーン等にやや粗がある程度で、32型モニターで観るかぎり特にストレスはない。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9LB、画面アスペクト比:ヴィスタ。ただし両端を少しトリミングしてワイド画面いっぱいにしてしまっている。
片面2層、120min、カラー
音声:英語、スペイン語5.1 ch サラウンド。Dolby Digital。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く
字幕:日本語、英語他 On・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1 メイキング(約34分、4:3仕様、ヴィスタ、カラー、日本語字幕あり。関係者の近時のインタビューに当時の撮影風景写真、本編フッテージ、ポスター類等を挟んだもの。56年の映画ということを考えれば充実した内容。画質も良い)
2 フォトギャラリー(4分強の動画仕様。各国各種ポスターと撮影時スチール。貴重)
3 米劇場予告編(2分強、4:3仕様のフルフレーム。日本語字幕なし、画質は良くない)
4 ヒッチコック予告編集(6分強、4:3仕様のヴィスタ、日本語字幕あり、画質は良くない。ユニヴァーサル作品のみ)
〇付属物:なし
発売・販売:パラマウントjp 2003年、PDI-7
★他の商品
邦盤DVDは同仕様・同マスターの模様。邦盤BDはASIN:B00AZQZ33I、JAN:4988102137861(13年、ジェネオン社)の1種。画質はいいというレビューがあるが比較はされていないので断言できない。またDVDにある特典についてもレビューが触れていず不明。大手慣例から推測するとない可能性が高い。
import盤:邦盤DVD、BDが廉価で入手可能なので略。特典等豊富な盤が出ている可能性があるが調べ切れなかった。
★以下はハーマン好き以外には蛇足なのでスルーしてください。
ハーマン描き下ろしで出色なのはオープニング・クレジットの序曲音楽。このシーンはオーケストラの演奏シーンのワンショットで、だんだんカメラがシンバルに寄っていく。打ち鳴らされる一打。このOPとそこに挿入される文章が本作を一言で言い表しているといえる。この序曲は名曲(サロネン指揮・ロスアンゼルスフィル「Great Performances Bernard Herrmann」ASIN:B00077F9AM、JAN:0827969276723 や「アルフレッド・ヒッチコックのための音楽」ASIN:B00KZKWQQ6、JAN:5060113442413などで聴くことができる。オリジナル・サントラではなく再演。某動画サイトでも数種)。
他にはハーマンのオリジナルは少しのシーンに流れるのみ。「ハリーの災難」から「マーニー」(そして音楽を完成させながらヒッチコックに全ボツにされた「引き裂かれたカーテン」)まで、ヒッチコック作品で鳴り響き、映画をリードした映画群と比して、結果、ハーマンのオリジナル音楽がごくわずかな作品となった。こんな事情もあり、本作のフルサイズのOriginal Soundtrackは公式には出ていない理由かも知れない。しかしハーマン指揮・編曲による「Storm~」とOPプレリュード曲だけでハーマンは十分に適切に本作で役目を果たしたといえよう。
「Storm~」はMilan America 35884、ロイヤルフィル「Hitchcock 100years: A Bernard Herrmann Film Score Tribute」ASIN:B00000JMGI、JAN:0731383588426やバーンスタイン指揮・ロイヤルフィル「バーナード・ハーマン作品集」ASIN:B00WV0KXUO、JAN:4943674214600などで聴くことができる(この曲の総楽譜は出版されたことがないらしい)。
デイが歌う有名な「Whatever Will Be, Will Be (Que Sera, Sera)」(リヴィングストンとエヴァンス作)が単なるテーマソングに留まらず重要な役割を果たし、本作の裏に流れる監督の「気分」みたいなものを表しているのではないだろうか。借用と思っていたが本映画のために書き下ろされたオリジナルとのこと。ドリス・デイが映画内で2度歌うという点も脚本上うまい。主題曲ではなく挿入歌といえるが、ヒッチコック作品ではそれすら珍しい。監督の挑戦であり、デイの起用も「歌える人で」という要素が働いたのかも知れない。
下の画像は2003年邦盤DVD英語字幕選択より。
本作は英国時代の監督自身の「暗殺者の家」(34年、ピーター・ローレ)の再映画化。監督自身の発案ではないが非常な熱意ともって撮った作品とか。内容は多く述べないが、50年代、あるアメリカ人家族(スチュアート、デイ、子)が巻き込まれる暗殺と子供誘拐サスペンス。マラケシュとロンドンを舞台にした豊穣・極上な1本。陶然とさせられる美しく病んだ傑作「めまい」や、監督のパラノイアが感じられるニューロティックな「サイコ」「鳥」「マーニー」「見知らぬ乗客」等とも、捻じれたユーモアが前に出た作品群とも異なり、明るいユーモア・緩急を取り混ぜてサスペンスを盛り上げる。本作は脚本として至らないところがあるが些事は些事。本作の魅力・要諦は下記のコンサート・シーンと音楽との関わりであり、そこに身を任せればいい。監督はいつも通り意地悪だから、そこまで焦らす焦らす。
本作のクライマックスである、ロンドンの広大なロイヤルアルバート・ホールシークエンスは絶品。大オーケストラの演奏が続く中、夫婦は暗殺を阻止できるのか、さらわれた子は無事に戻るのか。この場面は本作のリメイク元である「暗殺者の家」にもあるがはるかに洗練されていて手に汗握る。サスペンスでのカット割りと音楽の力を思い知る。カメラ、編集の稚拙なミレニアム以降の聖林映画が情けない。
ご指摘の方あるように、そこではアーサー・ベンジャミン作の「Storm Cloud Cantata」が使われている。本作のオリジナル音楽をつけたバーナード・ハーマンが指揮者として出演(映画内公演ポスターにも名前が。そしてこの曲をロンドン・シンフォニーの編成に合わせて拡張編曲し実際の指揮もしている)。この曲は「暗殺者の家」でも使用されたが(「暗殺者の家」のために作曲されたという海外ソースもあるが真偽は不明)、本作では、ハーマンはヒッチコックに「オリジナルを使ってもよい」と言われた。しかしハーマンはこの曲の偉大さと映画との親和性を感じていたため、引き続きこの曲を使用することにした。Barbara Howittのメゾソプラノとコヴェント・ガーデン・コーラスをフューチャーしている。
この曲の演奏開始からデイが叫ぶまでの12分は、ほぼこの音楽のリアルタイムとシンクロし、無声のショットのみで構成されていて唸る(台詞ありバージョンも作成されたが却下)。この歌詞はD. B. ウィンダム・ルイスが書いたもので、内容は本作の主演夫婦の巻きこまれた焦燥を表しているように思える。本作ではほんの少し変更と追加歌詞がある(以上海外サイトを参考に)。
やや手練れた感があるが、職人芸の極みともいえる安定感と余裕。ドリス・デイの演技は余技に留まらずとても良い。絶望と焦燥と強さを繊細に感じさせる。本作に勝る他のヒッチ作品は多くがあるが、過小評価することはできない。リッチな気分で劇場を後にすることができる。撮影のロバート・バークスは相変わらずの美しさ。ロケ、セットともに良い。脇のベルナルド・ミルズ、レジー・ナルダーが好演。「ケ・セラ・セラ」と画質は以下参照。実質★4つ半。
★オリジナルデータ:
The Man Who Knew Too Much, US, 1956, 製作・配給Universal Pictures, 120min. Color (Technicolor)、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1 (VistaVision。しかし邦盤DVDではこの表示がない)、Mono, ネガ35mm(horizontal),ポジ35mm
★レビューのコードのDVDについて(ASIN:B00008MTYS、JAN:4560128823517、2003年邦盤DVD):
全体では傷・パラ、ちらつき等は気にならない程度。色調がやや赤みがかるところあるが発色はいい。合成シーン等にやや粗がある程度で、32型モニターで観るかぎり特にストレスはない。
リージョン2対応、NTSC プレス盤
映像仕様は16:9LB、画面アスペクト比:ヴィスタ。ただし両端を少しトリミングしてワイド画面いっぱいにしてしまっている。
片面2層、120min、カラー
音声:英語、スペイン語5.1 ch サラウンド。Dolby Digital。やはり映画は原語の方がはるかに観る者に響く
字幕:日本語、英語他 On・Off 可
メインメニュー、チャプターメニューあり
〇映像特典:
1 メイキング(約34分、4:3仕様、ヴィスタ、カラー、日本語字幕あり。関係者の近時のインタビューに当時の撮影風景写真、本編フッテージ、ポスター類等を挟んだもの。56年の映画ということを考えれば充実した内容。画質も良い)
2 フォトギャラリー(4分強の動画仕様。各国各種ポスターと撮影時スチール。貴重)
3 米劇場予告編(2分強、4:3仕様のフルフレーム。日本語字幕なし、画質は良くない)
4 ヒッチコック予告編集(6分強、4:3仕様のヴィスタ、日本語字幕あり、画質は良くない。ユニヴァーサル作品のみ)
〇付属物:なし
発売・販売:パラマウントjp 2003年、PDI-7
★他の商品
邦盤DVDは同仕様・同マスターの模様。邦盤BDはASIN:B00AZQZ33I、JAN:4988102137861(13年、ジェネオン社)の1種。画質はいいというレビューがあるが比較はされていないので断言できない。またDVDにある特典についてもレビューが触れていず不明。大手慣例から推測するとない可能性が高い。
import盤:邦盤DVD、BDが廉価で入手可能なので略。特典等豊富な盤が出ている可能性があるが調べ切れなかった。
★以下はハーマン好き以外には蛇足なのでスルーしてください。
ハーマン描き下ろしで出色なのはオープニング・クレジットの序曲音楽。このシーンはオーケストラの演奏シーンのワンショットで、だんだんカメラがシンバルに寄っていく。打ち鳴らされる一打。このOPとそこに挿入される文章が本作を一言で言い表しているといえる。この序曲は名曲(サロネン指揮・ロスアンゼルスフィル「Great Performances Bernard Herrmann」ASIN:B00077F9AM、JAN:0827969276723 や「アルフレッド・ヒッチコックのための音楽」ASIN:B00KZKWQQ6、JAN:5060113442413などで聴くことができる。オリジナル・サントラではなく再演。某動画サイトでも数種)。
他にはハーマンのオリジナルは少しのシーンに流れるのみ。「ハリーの災難」から「マーニー」(そして音楽を完成させながらヒッチコックに全ボツにされた「引き裂かれたカーテン」)まで、ヒッチコック作品で鳴り響き、映画をリードした映画群と比して、結果、ハーマンのオリジナル音楽がごくわずかな作品となった。こんな事情もあり、本作のフルサイズのOriginal Soundtrackは公式には出ていない理由かも知れない。しかしハーマン指揮・編曲による「Storm~」とOPプレリュード曲だけでハーマンは十分に適切に本作で役目を果たしたといえよう。
「Storm~」はMilan America 35884、ロイヤルフィル「Hitchcock 100years: A Bernard Herrmann Film Score Tribute」ASIN:B00000JMGI、JAN:0731383588426やバーンスタイン指揮・ロイヤルフィル「バーナード・ハーマン作品集」ASIN:B00WV0KXUO、JAN:4943674214600などで聴くことができる(この曲の総楽譜は出版されたことがないらしい)。
デイが歌う有名な「Whatever Will Be, Will Be (Que Sera, Sera)」(リヴィングストンとエヴァンス作)が単なるテーマソングに留まらず重要な役割を果たし、本作の裏に流れる監督の「気分」みたいなものを表しているのではないだろうか。借用と思っていたが本映画のために書き下ろされたオリジナルとのこと。ドリス・デイが映画内で2度歌うという点も脚本上うまい。主題曲ではなく挿入歌といえるが、ヒッチコック作品ではそれすら珍しい。監督の挑戦であり、デイの起用も「歌える人で」という要素が働いたのかも知れない。
下の画像は2003年邦盤DVD英語字幕選択より。
このレビューの画像
2020年12月25日に日本でレビュー済み
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大学のゼミを思い出しました。
Take a boy. Takeは連れて行ってと言うのですね。私は連れてってと訳していました。
Prime minister は総理大臣なのですね。ministerを相と訳さず、大臣と訳した方が良いのですね。
Take a boy. Takeは連れて行ってと言うのですね。私は連れてってと訳していました。
Prime minister は総理大臣なのですね。ministerを相と訳さず、大臣と訳した方が良いのですね。
2013年10月1日に日本でレビュー済み
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この作品を見た記憶がなく、はじめて見るようなつもりで見始めた。途中、何度か睡魔に襲われたものの、なんとか見終えた。モロッコのマラケシュから始まり、イギリスへ舞台を移す。その前後あたりからじぶんは「これはかつて見ている」と確信できるようになった。とくにドリス・デイが「ケセラ・セラ」を歌うところ、何か所かあるが、その最初のシーンで見たことを思い出した。劇場で見たのだから、たぶん文芸坐である。それをすっかり忘れていた。ダニエル・ジェランが出ていたとは、今晩、はじめて気がついた。付録でついているメイキングのフィルム、要領よくまとめているが、娘のパットは「父が、父が」としゃべりすぎである。そのなかでの収穫は、この作品がヒッチコックのイギリス時代の作品「暗殺者の家」のリメイクだったということを知ったことだろう。それこそ本当に見た記憶がないもので、ペーター・ローレが悪役をつとめているというだけで、ちょっと見たくなってしまう。ヒッチコック自身は『「暗殺者の家」は素人の名作、「知りすぎた男」はプロの作品』と言ったとか……。その違いを見てみたいわけだ。