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８５年発表。何と言っても話題は女性議院の「ポルノ・ロック」発言をサンプリングした９．だろう。この曲はザッパの基本姿勢という意味においても重要だし、「表現の自由」の弾圧になりかねない音楽の歌詞の規制に対する警告・・・というよりも直接攻撃としても興味深い。８５年に合衆国レコード産業協会による自主検閲によるラベリング「保護者への警告 露骨な歌詞あり」が実施されるに至った反対行動の一環なのだが、ザッパはこの規制について実際に上院公聴会でも陳述するなどかなり積極的な姿勢をとっていた。
・・・と口上はこれくらいにしておいて、この作品はこういった社会的な重い要素は無視できるほど分かりやすいザッパ・ワールドが展開されており、彼の作品の中でも最も親しみやすいものの一つだ。
１．はストレートなファンクっぽいハード・ロックであり、バック・コーラスとの掛け合いなどザッパの曲としてはかなりポップである。ギターが気持ちいい。そしてお薦めなのは２．からのおそらくシンクラヴィアによるものであろう、ベードラとパーカッション、リード楽器などによる打ち込み風の楽曲である。特に打ち込み音楽をやっている人は絶対に聞いた方が良い。シンプルかつポップ、そして何よりもザッパらしい転調、和声など彼の魅力が必要最低限の音色で表現されている。したがってザッパ初心者にも絶対的にお薦めする。５．は中華っぽいメロディが生かされたコミカルな曲。６．と７．はモロなジャズやスタンダード風の曲である。
ザッパを見ていると「エコ」や「原発反対」などを売名で掲げる日本のアーティストの日和見的で危機感のない姿勢には呆れてしまう。
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