轟音が一帯に散りばめられたフィルターの向こうに広がる美しい景色、
を思わせる一枚です。
見渡す限り遠くまでピークを迎えているザリザリノイズの中、
目を凝らしてうっすらと見えてくる太陽の光であったり、埠頭であったり、地平線であったり。
何か切ない記憶のような、思い出のような気配もするし、
綺麗な、されどボンヤリとしていて抽象的で微かな情報の前面に、過剰なノイズフィルターをぶっ挿すことで
逆に幻想を抱かせるくらい極限的に美しく現しているというか。
不可解の海の中を身体全体を以ってまさぐって、
やがて感動を出産できる音でした。