最初のデパートの屋上から降りられなくなった象インディラの話から、もう胸が締め付けられてたまらなくなった。マスターが死んでバスから出られなくなって、吊り上げられた時も。ミイラが更衣室に消えていった、その意味を知った時も。ゴンドラでミイラとすれ違った時も。書いてる今でも苦しくなって泣きそうになる。
全体的にずっと暗い感じの雰囲気だったけど、嫌な感じがしなかった。普通だと浮いてしまうような、でも静かに優しい人たちが周りにちゃんといたからかな。リトルアリョーヒン本人ももちろん、すごくすごく優しかった。
ちょっと悔しかったのは、チェスを全く知らなくて、広い世界の端っこでも、分かりながら読みたかったなーと思った。ちょっとじゃないな、すごく悔しかった。
小川さんの選ぶ言葉とか見える景色とか、静かな感じが好きだった。また好きな本に出会えた。良かった。
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猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Kindle版
「大きくなること、それは悲劇である」──この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。
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出版社より
からだの美 | 妊娠カレンダー | やさしい訴え | 猫を抱いて象と泳ぐ | とにかく散歩いたしましょう | |
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カスタマーレビュー |
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価格 | ¥1,760¥1,760 | ¥638¥638 | ¥759¥759 | ¥814¥814 | ¥748¥748 |
文藝春秋刊/小川洋子の本 | ボールを投げるイチローの肩、羽生善治の勝利に震える中指、ゴリラの背中、スピンするときの高橋大輔の魅惑的な首、ハダカデバネズミのたっぷりとした皮膚のたるみ、貴ノ花のふくらはぎ、赤ん坊の握りこぶし――身体は秘密に満ちている。隠された美を掬い取り、やわらかに照らし出す。著者の創作の真髄に迫るような、極上の随筆16篇。 「文藝春秋」大好評連載を書籍化。 | 姉が妊娠した。つわりに苦しみ、家族に八つ当たりし、 母となる不安に苦しむ姉と接するうち、妹の心に芽生える不思議な感情。姉を苦しめるモノから姉を妹は守りたいという気持ちと裏腹に、妹はやがて、めまいのするような悪意の中へすべりこんで行く。家族の妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを、きらめく言葉で定着した芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」。 謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ジミトリイ」、小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。透きとおった悪夢のようにあざやかな三編の小説。 | 夫から逃れ、山あいの別荘に隠れ住む「わたし」が出会った二人。チェンバロ作りの男とその女弟子。深い森に『やさしい訴え』のひそやかな音色が流れる。挫折したピアニスト、酷いかたちで恋人を奪われた女、不実な夫に苦しむ人妻、三者の不思議な関係が織りなす、かぎりなくやさしく、ときに残酷な愛の物語。 | 「大きくなること、それは悲劇である」。 成長を恐れた少年は、十一歳の身体のまま成長を止め、チェス台の下に潜み、からくり人形「リトル・アリョーヒン」を操りチェスを指すようになる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す——。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。 | 愛犬ラブと朝晩散歩をする暮らしの中で、月に1回発表されたエッセイ46篇。「る」という文字を偏愛する三歳の姪の話で始まり、昔読んだ小説を読み返し、ストーリーが全然違うことに驚くことがしばしばあること、「偽医者」と「盗作」の記事を決して見過ごせないこと、ハダカデバネズミの社会への感嘆、眼鏡の数と加齢の話、「もう一人の小川洋子さん」と食事をしたこと、文鳥の理想の鳥かごを手に入れるまでの苦労など、すべてのエッセイに小説が隠れているような、磁力のある一冊。 |
判型 | 単行本 | 文庫 | 文庫 | 文庫 | 文庫 |
登録情報
- ASIN : B009A49B6G
- 出版社 : 文藝春秋 (2011/7/10)
- 発売日 : 2011/7/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1493 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 311ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,158位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。
1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。主な著書に『やさしい訴え』『ホテル・アイリス』『沈黙博物館』『アンネ・フランクの記憶』『薬指の標本』『夜明けの縁をさ迷う人々』『猫を抱いて象と泳ぐ』等。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小川洋子さんの作品を初めて取った私は、読み終えた素直な感想は「この作品で良かった」と思いました。チェスの事は分かりませんが、チェスを通して主人公の思想や関係者との繋がり方・・何よりも私の想像を遥かに超えた思想の深さは、チェスの世界観だけでなく現代を生きる私たちに何かを投げかけているようにも感じながら最後までドキドキしながら読む事ができ、関係者の方々に感謝します。
2024年2月9日に日本でレビュー済み
小川さんの作品には、いつも「静謐」さを感じます。
今回もとてもしっとりした、そして味わいのある「静謐」でした。
・・・
話は、唇の上下が繋がって出生した少年の数奇な人生についてです。
出生の事実に呼応するかのように寡黙な少年はふとしたことからチェスにのめり込み、やがて裏チェスクラブで「リトル・アリョーヒン」として働くことになります。
・・・
で、何が良いかというとやはり小川さんの筆致が素敵です。
チェスにのめり込む「リトル・アリョーヒン」。デパートの屋上から降りられなくなった「インディラ」に思いを致し、自室の壁の隙間に入り込んだ「ミイラ」と会話をして、落ち着いたところで眠りに落ちる。
素人の私がさらっと書くと実につかみどころのない表現になりますが、ちょっと変わった少年を優しく、静かに、幻想的に描くのです。
・・・
また、それ以外の周囲のキャラクターもいいですね。
寡黙な家具職人のおじいさん、無条件の愛で少年を包むおばあさん、廃バスで少年にチェスをじっくり教えるマスター、長じておじいさんとともに家具職人となる弟、闇チェスクラブのパトロンの老婆令嬢、現実の世界に現れた少年のヒロイン的な「ミイラ」、養老院で年中白衣で仕事をする総婦長。
全員が全員、ちょっと優しすぎる気もしますが、セリフ繰りがどれも巧みで、また愛のある格言のようなセリフが随所に潜みます。
まあチェックするわりにはそのまんまですが笑
・・・
ということで、久々の小川作品でした。相変わらず素晴らしい。
この静かで愛すべき作品、どう表現すればよいのでしょうか。雪のふる寒くて静かな日、外を眺めながら、ホッと一息お茶を飲むかのような気持ち?余計分かりませんね笑
暖かく、優しい、そしてちょっぴり悲しい作品でした。
今回もとてもしっとりした、そして味わいのある「静謐」でした。
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話は、唇の上下が繋がって出生した少年の数奇な人生についてです。
出生の事実に呼応するかのように寡黙な少年はふとしたことからチェスにのめり込み、やがて裏チェスクラブで「リトル・アリョーヒン」として働くことになります。
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で、何が良いかというとやはり小川さんの筆致が素敵です。
チェスにのめり込む「リトル・アリョーヒン」。デパートの屋上から降りられなくなった「インディラ」に思いを致し、自室の壁の隙間に入り込んだ「ミイラ」と会話をして、落ち着いたところで眠りに落ちる。
素人の私がさらっと書くと実につかみどころのない表現になりますが、ちょっと変わった少年を優しく、静かに、幻想的に描くのです。
・・・
また、それ以外の周囲のキャラクターもいいですね。
寡黙な家具職人のおじいさん、無条件の愛で少年を包むおばあさん、廃バスで少年にチェスをじっくり教えるマスター、長じておじいさんとともに家具職人となる弟、闇チェスクラブのパトロンの老婆令嬢、現実の世界に現れた少年のヒロイン的な「ミイラ」、養老院で年中白衣で仕事をする総婦長。
全員が全員、ちょっと優しすぎる気もしますが、セリフ繰りがどれも巧みで、また愛のある格言のようなセリフが随所に潜みます。
まあチェックするわりにはそのまんまですが笑
・・・
ということで、久々の小川作品でした。相変わらず素晴らしい。
この静かで愛すべき作品、どう表現すればよいのでしょうか。雪のふる寒くて静かな日、外を眺めながら、ホッと一息お茶を飲むかのような気持ち?余計分かりませんね笑
暖かく、優しい、そしてちょっぴり悲しい作品でした。
2022年11月2日に日本でレビュー済み
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この小説から伝わってくるのは、温度と匂い。文字を追いながら、触覚と嗅覚が刺激される。最初から最後までずっと、もわっとした温かい吐息のような空気と甘い香りを感じる。
それはまるで、母親の胎内にいるかのような、静かで温かな世界なのだ。
この物語では、登場人物たちが小さな箱に閉じ込められているような描写が繰り返し出てくる。これは作者の小川洋子さん自身が意識しているのかわからないけど、彼女は外の世界に出て競ったり闘ったりすることを嫌っていて、母の胎内から出ることなく美しいものをただ愛でていたいという欲望があるのかな?と思った。そしてその美しいものを大事に閉じ込めてしまいたいというような。そんな少女のような心を感じた。主人公も、最初から最後までずっと何かの箱に入っていて、その中から出ることなく美しいものを外の世界に送り出し、自分は終ぞそこから出ることなく死んでゆく。
とても美しくて小さな宝箱をそっと覗き見るような物語でした。
それはまるで、母親の胎内にいるかのような、静かで温かな世界なのだ。
この物語では、登場人物たちが小さな箱に閉じ込められているような描写が繰り返し出てくる。これは作者の小川洋子さん自身が意識しているのかわからないけど、彼女は外の世界に出て競ったり闘ったりすることを嫌っていて、母の胎内から出ることなく美しいものをただ愛でていたいという欲望があるのかな?と思った。そしてその美しいものを大事に閉じ込めてしまいたいというような。そんな少女のような心を感じた。主人公も、最初から最後までずっと何かの箱に入っていて、その中から出ることなく美しいものを外の世界に送り出し、自分は終ぞそこから出ることなく死んでゆく。
とても美しくて小さな宝箱をそっと覗き見るような物語でした。
2023年9月6日に日本でレビュー済み
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博士の・・の面白さを期待するとガックリする
2022年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
穏やかな凪の中にいるような静かなストーリーですが、少年や登場人物の一つ一つの言葉が美しく、独特な世界観の中に惹き込まれました。チェスを指す少年の繊細な感情や仕草に共感出来ているようで共感出来ない。そんなどこか不思議な感情にさせてくれる傑作です。
2021年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「人間は、脆いが故に美しい」というテーマの映画や小説が好きな私にとっては最高の作品でした。本作においてチェスが重要な役割を担いますが、チェスを知らない人でも理解できるよう丁寧に描写されています。おすすめしたい一作です。
2020年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主人公が死んで終わるストーリーのホッと感とやるせ無さの切なさ。
色々なカラクリエピソードは面白いけれど。
でもこれ以上のhappy endは望めない哀しい哀しいお話でしたね。
久しぶりの小説でスルスル読めたけど読後感が切なさしか残らなかったなあ。
博士の愛した‥の何だか温かい読後感を期待したい方にはチト違うかも。
色々なカラクリエピソードは面白いけれど。
でもこれ以上のhappy endは望めない哀しい哀しいお話でしたね。
久しぶりの小説でスルスル読めたけど読後感が切なさしか残らなかったなあ。
博士の愛した‥の何だか温かい読後感を期待したい方にはチト違うかも。