このミステリ、子供の頃に確かあかね書房で読んで以来だと思うので、半世紀ぶりくらいの再読になるかと思います。
で、トリックの肝(きも)となる部分は覚えているように思ってたんですが、それが実際は曖昧で不正確だったりしたんで、今回の再読はかなり楽しめました。
殊に、著者クリスティーによる誤誘導にまんまと乗せられてたどり着いた終盤、われらがポワロによる推理の披露(ひろう)、その長広舌(ちょうこうぜつ)をふるうシーンは、スリリングだったなあ。わくわくしちゃいました。
にしても、この作品、1936年(昭和11年)に出版されてるんですねぇ。改めてびっくりしました。だって、現代でも十分に通用する、てか、極めて現代的な犯罪と言ってもおかしかないんじゃないかって思ったから。犯人の悪辣な企みだとか、ミステリとしての構造だとか、実に上手いこと練られてんなあって、ほんと、感心させられましたわ。
訳文は、不自然な日本語の文章などもなく、引っかかることなく読んでいくことができました。
ひとつ不満なのは、クリスティー文庫の表紙カバーの写真すね。なんて安っぽい写真を持ってきたんだろう。せっかくの名品が台無しやん!て、私はそう感じましたんや。
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ABC殺人事件 (クリスティー文庫) Kindle版
ポアロのもとに届いた予告状のとおり、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく、第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され……。新訳でおくる、著者全盛期の代表作。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2003/11/10
- ファイルサイズ687 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B009DEMDB8
- 出版社 : 早川書房 (2003/11/10)
- 発売日 : 2003/11/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 687 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 333ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 33,275位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 21位クリスティー文庫
- - 154位英米の小説・文芸
- - 181位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
有名なタイトルですので、好き嫌いはあっても外しません。
2022年12月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
犯人が意外だったので驚きでしたポアロの推理も相棒のヘイスティングスも良い味があってよかったです楽しかった
2022年11月19日に日本でレビュー済み
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久しぶりに読んでアガサクリスティーの魅力を再確認した。
2018年4月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今でこそ目新しさはないが、連続殺人に関するこの種のパターンの始祖として間違いなく本作は革新的作品という評価になるのだろう。
ただ、ミステリとして今読んでどれほど面白いかという観点からは残念ながらあまり好みではなかった。
一つは、偶発的な事象に頼っている部分が散見される点。(まぁそれはそういう賭けだったということでいいのかもしれないが。)
もう一つは、ある種の精神的な問題が本作の鍵となっている点。それを許していいのかという部分が非常にもやもやする。
個人的にはアクロイド殺し以上に引っかかるものがあった。
これらの点を除いた読み物としては悪くなかった。
ポアロとヘイスティングスの掛け合いは軽妙でところどころ思わず笑ってしまう。
事件の関係者や警察、目撃者等の人物が生き生きと描写されていて、オチに至るまで退屈せずに読めた。
ただ、ミステリとして今読んでどれほど面白いかという観点からは残念ながらあまり好みではなかった。
一つは、偶発的な事象に頼っている部分が散見される点。(まぁそれはそういう賭けだったということでいいのかもしれないが。)
もう一つは、ある種の精神的な問題が本作の鍵となっている点。それを許していいのかという部分が非常にもやもやする。
個人的にはアクロイド殺し以上に引っかかるものがあった。
これらの点を除いた読み物としては悪くなかった。
ポアロとヘイスティングスの掛け合いは軽妙でところどころ思わず笑ってしまう。
事件の関係者や警察、目撃者等の人物が生き生きと描写されていて、オチに至るまで退屈せずに読めた。
2020年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文庫がほしかったので
買いました
買いました
2020年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ある日ポアロ宛に一通の手紙が届く、差出人はABCを名乗る人物からの犯罪予告だった
ヘイスティングズはよくある悪戯だと決め付けるが、ポアロは嫌な予感を感じていた
犯罪が起きると予告された日、アンドーヴァーでアリス・アッシャーという老婦人が殺害される
現場に落ちていたのはABC鉄道案内、そして再びABCからの犯罪予告がポアロの元に届く…」
もうあらすじだけでわくわくしますよね。ABCを名乗る犯人、奇怪なルールに則った殺人、犯罪予告と犯罪証明書とも言うべきABC鉄道案内…全てが先への期待感を否が応でも高めます。
そして真相が明かされるクライマックス、犯人の行動、「偶然」起こった不運、人々の人間模様全てが一本の糸にまとまり綺麗に論理づけられ整頓される様は鳥肌が立つほどです。
全ての因子が数式に綺麗に当て嵌まりそれしかないというほど見事な解が、ポアロによって導きだされる美しさはクリスティの作品でもトップクラスだと思います。
勿論有名な作品ですし後世にも多大な影響を与えた作品なので、トリックを知っているという人は多いでしょうが、それでもこの美しさは全く色褪せません。名作です。
個人的にはこのハヤカワ版の表紙がおしゃれで凄く好きですね。
ヘイスティングズはよくある悪戯だと決め付けるが、ポアロは嫌な予感を感じていた
犯罪が起きると予告された日、アンドーヴァーでアリス・アッシャーという老婦人が殺害される
現場に落ちていたのはABC鉄道案内、そして再びABCからの犯罪予告がポアロの元に届く…」
もうあらすじだけでわくわくしますよね。ABCを名乗る犯人、奇怪なルールに則った殺人、犯罪予告と犯罪証明書とも言うべきABC鉄道案内…全てが先への期待感を否が応でも高めます。
そして真相が明かされるクライマックス、犯人の行動、「偶然」起こった不運、人々の人間模様全てが一本の糸にまとまり綺麗に論理づけられ整頓される様は鳥肌が立つほどです。
全ての因子が数式に綺麗に当て嵌まりそれしかないというほど見事な解が、ポアロによって導きだされる美しさはクリスティの作品でもトップクラスだと思います。
勿論有名な作品ですし後世にも多大な影響を与えた作品なので、トリックを知っているという人は多いでしょうが、それでもこの美しさは全く色褪せません。名作です。
個人的にはこのハヤカワ版の表紙がおしゃれで凄く好きですね。
2020年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カササギ殺人事件に触発されて読みました。推理小説の王道でしょう。マルコヴィッツ出演のテレビドラマも秀作です。