作品のからくりは分かっていたのですが(シドニー・ルメット監督の映画は、強く印象に残っています)、今回、山本やよい訳で読んでみて、改めて見事なミステリだなと、ため息ついてました。ラスト近くの展開など、涙が止まらなかったです。殊に、ある人物の正体が明かされた時(文庫本の404頁)、「おおっ!」と、心のなかで声をあげてました。
驚きのからくりを知っていてなお、堪能できる作品です。それはこのミステリが、トリックそれのみにもたれかかっているのではなく、大胆不敵なそのトリックを十全に生かすだけの仕掛けが、話の序盤から効果的に配置されていたからだと感じたんですね。
話の全体を見渡し、その時々に効果的な場面を持ってくるアガサ・クリスティーの大局観の素晴らしさ、お話作りのうまさったら、ほんと、ただならぬものがあるなあと唸らされました。
からくりを知っていても涙してしまった、この素晴らしいミステリに乾杯!
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オリエント急行の殺人 (クリスティー文庫) Kindle版
真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……ミステリの魅力が詰まった永遠の名作。
※掲出の書影は底本のものです。
※掲出の書影は底本のものです。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2011/4/5
- ファイルサイズ966 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
著者について
アガサ・クリスティー
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
登録情報
- ASIN : B009DEMNUY
- 出版社 : 早川書房 (2011/4/5)
- 発売日 : 2011/4/5
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 966 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 333ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 8,767位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。
1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な憶測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。
1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年9月2日に日本でレビュー済み
レポート
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6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2024年1月4日に日本でレビュー済み
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前から気になっていたから購入。とてもサクサク読めました!一度は読んでほしい作品です!
2023年6月12日に日本でレビュー済み
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めちゃおもしろい
感動しちゃった
最後のくくりまで人間味があっていいね
感動しちゃった
最後のくくりまで人間味があっていいね
2021年1月27日に日本でレビュー済み
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映画のカバーが素敵なので買いました。
2022年11月6日に日本でレビュー済み
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TVドラマを先に見たのでその印象が強い。原作よりドラマの方が面白い。
2024年2月28日に日本でレビュー済み
<旧版本で再読>
あまりにも有名な古典。たとえ読んでいなくても、犯人は知ってるという人が少なくないだろう。
娘は知ってるだろうか。
もし知らないようであれば、いずれ何らかの形で知らされてしまう前に、一読を進めておこう。
事件発生、関係者から聞き取り、謎解きと、極限まで余分を削ぎ落した硬派な推理小説だが、意外に冒頭ポワロが見送りと挨拶するプラットホームに停車していたのは、シリアのアレッポ駅からイスタンブルに向けて発進しようとしているタウルス急行だったw【注1】
シリアがシリヤと表記されていたり、イスタンブル(イスタンブール)がスタンブールと表記されていたり、名称表記にやや戸惑った。察するところ、ラ・サン・ソフィ寺院というのは、アヤ・ソフィアのことなのだろう。
オリエント急行の行程は、現在の国割りでは、おそらくトルコ⇒ブルガリア⇒セルビア⇒クロアチア⇒スロベニア⇒イタリア⇒フランスのルートであったと思われる。列車が立ち往生したヴィンコヴチとブロッドの間というのはクロアチア領内だ。本作が発表された当時はユーゴスラビア王国であった。
複数の国を跨ぐ列車内には、各国を通過中にはその国の警官が同乗するのが普通だったようで、しかし本作の事件発生当時、ユーゴスラビアの警官は乗っていなかったことを登場人物がぼやく場面があった。同地の治安は当時も悪かったようで、現に本作が上梓された1934年には、ユーゴスラビア国王アレクサンダル一世がマルセイユで暗殺されている……。倉山満に言わせると、こういった民族紛争の原因を作った戦犯の筆頭はウッドロー・ウィルソンである。
もちろん再読だが、本作の重要な背景であるアームストロング家の事件が、『翼よあれがパリの灯だ』で有名なパイロット、チャールズ・リンドバーグの長男誘拐殺人事件を元にしていたとは、まったく覚えていなかった。
実際の事件のほうは、――本当に有罪だったのかどうかは疑問があるらしいが――数年後に"犯人"が逮捕された。しかし本作執筆の時点では逮捕前だったというから、結末を含めて、言霊鎮魂にもなっているのが興味深い。
それにしても、この事件に対して、著者の怒りが漏れ出ているのが興味深い。
身の危険を感じていたラチェットは、列車の中で見かけたポワロに警護を依頼して、ポワロはにべもなく断るのだが、その際のポワロの言い分はこうだ。
「あなたの顔が気にいらないのですよ」(P.44)
ポワロは新聞の粗い写真で見ただけの筈だが、この時点でラチェットの正体に気がついていたw
せっかく上に倉山満の名を挙げたので、これも一応書いておく。
オリエント急行が走破するトルコ以西の欧州はコーカソイドの国だから不自然ではないのだが、オリエント急行の食堂車でブーク氏は、「あらゆる階層、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人々が集っている」(P.36)と云った。その"あらゆる"の中に有色人種ははまずいなかったであろうことは指摘しておこう。
ほかにもミセズ・ハバードは、「わたしたち、西洋の理想をとりいれて、東洋の人にそれを認めさせなくちゃなりませんわ」(P.39)なんて宣うが、特に彼らが差別主義なわけではなく、この時代の白人は、自分たち以外の人種のことをナチュラルに啓蒙、教育してやらねばならない劣った存在と見ていたということに他ならない。【注2】
本作はたしか近年新たに映画化されたと記憶しているが、まず間違いなく、キャストの中には黒人がいるだろう。ドラマの『SHERLOCK(シャーロック)』のように、舞台を現代に移しているなら構わないのだが、時代そのままで有色人種を配置しているのでは?
それは歴史改変だからやめてほしい。
【注1】本作の描写の限りでは、ポワロはシリアでの事件のためにイギリスから招聘されたように読めるが、『メソポタミアの殺人』後にポワロがイスタンブルに滞在中なのを知って、渡りに船と依頼されたと読み取っておくべきだろう。
【注2】白人による差別というと、つい過激な黒人との闘争を思い浮かべてしまうが、先日YouTubeでみたような、日本のアニメをアメリカでローカライズする際の改変問題についても、底には間違いなく他人種(他の思想信条)へのナチュラルな蔑視感覚があるのだと強く感じた。先の日米戦争でも、日本が暴発するに至った表面的な理由は、アメリカその他による禁油だが、より根源的な理由は、世界の大国入りして発言権の大きくなった黄色い猿への嫌がらせであった。
あまりにも有名な古典。たとえ読んでいなくても、犯人は知ってるという人が少なくないだろう。
娘は知ってるだろうか。
もし知らないようであれば、いずれ何らかの形で知らされてしまう前に、一読を進めておこう。
事件発生、関係者から聞き取り、謎解きと、極限まで余分を削ぎ落した硬派な推理小説だが、意外に冒頭ポワロが見送りと挨拶するプラットホームに停車していたのは、シリアのアレッポ駅からイスタンブルに向けて発進しようとしているタウルス急行だったw【注1】
シリアがシリヤと表記されていたり、イスタンブル(イスタンブール)がスタンブールと表記されていたり、名称表記にやや戸惑った。察するところ、ラ・サン・ソフィ寺院というのは、アヤ・ソフィアのことなのだろう。
オリエント急行の行程は、現在の国割りでは、おそらくトルコ⇒ブルガリア⇒セルビア⇒クロアチア⇒スロベニア⇒イタリア⇒フランスのルートであったと思われる。列車が立ち往生したヴィンコヴチとブロッドの間というのはクロアチア領内だ。本作が発表された当時はユーゴスラビア王国であった。
複数の国を跨ぐ列車内には、各国を通過中にはその国の警官が同乗するのが普通だったようで、しかし本作の事件発生当時、ユーゴスラビアの警官は乗っていなかったことを登場人物がぼやく場面があった。同地の治安は当時も悪かったようで、現に本作が上梓された1934年には、ユーゴスラビア国王アレクサンダル一世がマルセイユで暗殺されている……。倉山満に言わせると、こういった民族紛争の原因を作った戦犯の筆頭はウッドロー・ウィルソンである。
もちろん再読だが、本作の重要な背景であるアームストロング家の事件が、『翼よあれがパリの灯だ』で有名なパイロット、チャールズ・リンドバーグの長男誘拐殺人事件を元にしていたとは、まったく覚えていなかった。
実際の事件のほうは、――本当に有罪だったのかどうかは疑問があるらしいが――数年後に"犯人"が逮捕された。しかし本作執筆の時点では逮捕前だったというから、結末を含めて、言霊鎮魂にもなっているのが興味深い。
それにしても、この事件に対して、著者の怒りが漏れ出ているのが興味深い。
身の危険を感じていたラチェットは、列車の中で見かけたポワロに警護を依頼して、ポワロはにべもなく断るのだが、その際のポワロの言い分はこうだ。
「あなたの顔が気にいらないのですよ」(P.44)
ポワロは新聞の粗い写真で見ただけの筈だが、この時点でラチェットの正体に気がついていたw
せっかく上に倉山満の名を挙げたので、これも一応書いておく。
オリエント急行が走破するトルコ以西の欧州はコーカソイドの国だから不自然ではないのだが、オリエント急行の食堂車でブーク氏は、「あらゆる階層、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人々が集っている」(P.36)と云った。その"あらゆる"の中に有色人種ははまずいなかったであろうことは指摘しておこう。
ほかにもミセズ・ハバードは、「わたしたち、西洋の理想をとりいれて、東洋の人にそれを認めさせなくちゃなりませんわ」(P.39)なんて宣うが、特に彼らが差別主義なわけではなく、この時代の白人は、自分たち以外の人種のことをナチュラルに啓蒙、教育してやらねばならない劣った存在と見ていたということに他ならない。【注2】
本作はたしか近年新たに映画化されたと記憶しているが、まず間違いなく、キャストの中には黒人がいるだろう。ドラマの『SHERLOCK(シャーロック)』のように、舞台を現代に移しているなら構わないのだが、時代そのままで有色人種を配置しているのでは?
それは歴史改変だからやめてほしい。
【注1】本作の描写の限りでは、ポワロはシリアでの事件のためにイギリスから招聘されたように読めるが、『メソポタミアの殺人』後にポワロがイスタンブルに滞在中なのを知って、渡りに船と依頼されたと読み取っておくべきだろう。
【注2】白人による差別というと、つい過激な黒人との闘争を思い浮かべてしまうが、先日YouTubeでみたような、日本のアニメをアメリカでローカライズする際の改変問題についても、底には間違いなく他人種(他の思想信条)へのナチュラルな蔑視感覚があるのだと強く感じた。先の日米戦争でも、日本が暴発するに至った表面的な理由は、アメリカその他による禁油だが、より根源的な理由は、世界の大国入りして発言権の大きくなった黄色い猿への嫌がらせであった。
2020年9月17日に日本でレビュー済み
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「そして誰もいなくなった」と双璧だと思います。最高の推理小説です。