多くの人が知るリチャード3世像が、一枚の肖像画をきっかけに覆る。
怪我で病院のベッドから動けない有能な刑事が、ふとしたことから目に止まったリチャード3世の肖像画と、定着している悪人像との間の違和感から、歴史的事実を集めて歴史的評価を覆す過程が描かれる。定説となっているリチャード3世は、王位を手に入れるために子供だった甥たちをロンドン等で暗殺させ、権力を安定させるために言葉巧みに王妃を誘惑し、王冠を手に入れたのも束の間、正当な王位継承者に戦いで敗れ、逃げ損ねて殺される、というものだ。権力を手に入れるために欺瞞も暗殺も躊躇わず民に憎まれたと信じられているリチャード3世。ところが実は、家族思いで自分に厳しく、善政を敷いて国民に愛された、愛情深い男だった、ということを、作者は残された歴史的記録や手紙を結びつけて証明していく。
ベッド探偵である主人公は、一枚の肖像画を見て、判事の顔だと思う。それが極悪の犯罪者リチャード3世だと知って驚く。医師や看護師に見せると、それぞれの立場から、やはり、定説とは違った感想を述べる。そこで刑事は考える。歴史は権力者によって書き換えられる。リチャードを倒して新しい王朝を開いたヘンリーが、自分に都合の良いように側近に証言をさせ、罪を捏造してリチャードを極悪人に仕立て上げたのでは無いか。
もちろん事実は藪の中、何しろ500年前の話である。それでも、シェイクスピアやトーマス・モアの書いた戯曲や記述によって、リチャード3世の悪役像は歴史の中に、我々の頭の中に事実のように定着している。その恐ろしさ。繰り返し語られれば、嘘も歴史的事実となる。気をつけなくちゃ。
面白かった。
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時の娘 Kindle版
英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日1977/6/30
- ファイルサイズ742 KB
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登録情報
- ASIN : B009GCQNIQ
- 出版社 : 早川書房 (1977/6/30)
- 発売日 : 1977/6/30
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 742 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 284ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 189,783位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月8日に日本でレビュー済み
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2023年10月29日に日本でレビュー済み
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本が送られて来た時に、表紙と初めの10ページくらいが少しずつ折れ曲がっていだのが残念。表紙のリチャード3世の絵が特に大事なのに。
リチャード3世の遺骨を発見したおばさんの映画「ロスト キング500年越しの運命」を観てこの本を買った。内容はとても面白く、また訳もとても良い。江戸川乱歩や高木彬光にも影響を与えたという。しかも女性作家が男性名前で書いたといい、更にこの作品が1951年に書かれていて作者は次の年に亡くなっているというので驚いた。
リチャード3世の遺骨を発見したおばさんの映画「ロスト キング500年越しの運命」を観てこの本を買った。内容はとても面白く、また訳もとても良い。江戸川乱歩や高木彬光にも影響を与えたという。しかも女性作家が男性名前で書いたといい、更にこの作品が1951年に書かれていて作者は次の年に亡くなっているというので驚いた。
2018年4月10日に日本でレビュー済み
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第2節の中ほど、印刷抜けがあります。製本されてやつを買い直しました。
2023年7月5日に日本でレビュー済み
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故・高木彬光氏も絶賛の推理小説。
ベッドディテクティブ。
ミステリー好きなら必読の1冊。
ベッドディテクティブ。
ミステリー好きなら必読の1冊。
2023年9月13日に日本でレビュー済み
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「世界中のすべての印刷機が何年間か停止してしまったらどんなにいいだろう…」大衆の期待する通りの型にはめて書かれる書物に対する作者?の、この憤りは現代の出版業界にも当てはまる。当たりをとったテーマや内容までも量産体制で垂れ流し…さて、マンホールに落ちて入院生活を余儀なくされた警部は暇を持て余して過去に遡って二人の幼い甥を殺害したとされるリチャード三世の真実に迫ろうとする。歴史は時の権力者の都合の良いように書き換えられている。民衆は無責任に自分たちの信じたいことだけを信じようとする。伝聞ではなく残された事実だけをもとに仮説を繰り広げてゆくその面白さは抜群だが、エドワード・ヘンリー・リチャード誰が誰やら名前の泥沼にはまりこんで難渋した。
2014年4月25日に日本でレビュー済み
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20年前なら……
20年前なら(そのころなら自分も薔薇戦争の知識なんて全くなかったし)それなりに楽しめたかな、とは思うんですが、正直、今となっては厳しいかな、と。その目線で評価させていただきます。
エドワード五世を殺したのは誰か。通説ではリチャード3世ということになっているが、しかし、主人公はふとリチャード3世の肖像画を見て、それが信じられなくなった ー ということで話は始まります。
で、主人公はエドワード五世殺しの犯人はリチャード3世とは考えられない、という証拠を協力者を得ていろいろ探していく。探してみると、いろいろとリチャード3世が殺したとは考えにくいと思える根拠がいくつも出てくるじゃあないか、ということで話は進められるわけですが……
まあ、主人公が探り出していくリチャード三世が殺したと考えるのは難しいんじゃないか、こんなに疑義があるじゃないか、というところは、テンポよく示されていきます。ですが、そうなってくると、読み手としては、当然「じゃあ、誰が?」というのが気になってくるわけです。が、その辺になると、主人公の手際は鈍ってきます(笑)。リチャード三世が殺したと考えるのは難しい、と。まあ、それはいいんですけど、じゃあ、ヘンリー7世が殺したと考えるのか、となると、それはもっと難しかったりするわけです(笑)。
その辺の苦しさは著者も気付いていたようで、あまり突っ込まれません。
で、後半になってくると、自分たちに対立する側の人達を上から目線で罵倒しはじめます。この辺で自分は辟易しちゃいました。
で、最終的には……で話に幕を引いちゃう、と。
いや、まあ、アンタノイイタイコトモワカランデモナイケド ソレハリセイテキナタイドデスカネ
正直、主人公(というか作者?)の展開する論理は言うほど理性的とも知的とも思えませんでしたし、何より公平性が欠けている感が強くて自分はあまり楽しめませんでした。
まあ、歴史ミステリというのは、多かれ少なかれそういうものだ、と言われればそうなんでしょうが、弁護側あるいは検察側の一方だけの冒頭陳述と最終弁論を読まされたような……(^^;
それでも、論理が多少破綻があっても、最終的に、なんというか論理的な驚きでなくても、こう情緒的な何かをくれたなら、もう少し評価できるんですけど、そういうのもなかったです(いや、作者はそこもやろうとしていたような気もしますが、しかし、少なくとも自分の心に響くものはなかったです)。
まあ、それでも20年前なら確かに(内容とまた自分自身の読者的レベルという点でも)、とも思いますし、、歴史ミステリという分野の嚆矢というところにも敬意を払って、ちょっと星はオマケしときます。;-)
20年前なら(そのころなら自分も薔薇戦争の知識なんて全くなかったし)それなりに楽しめたかな、とは思うんですが、正直、今となっては厳しいかな、と。その目線で評価させていただきます。
エドワード五世を殺したのは誰か。通説ではリチャード3世ということになっているが、しかし、主人公はふとリチャード3世の肖像画を見て、それが信じられなくなった ー ということで話は始まります。
で、主人公はエドワード五世殺しの犯人はリチャード3世とは考えられない、という証拠を協力者を得ていろいろ探していく。探してみると、いろいろとリチャード3世が殺したとは考えにくいと思える根拠がいくつも出てくるじゃあないか、ということで話は進められるわけですが……
まあ、主人公が探り出していくリチャード三世が殺したと考えるのは難しいんじゃないか、こんなに疑義があるじゃないか、というところは、テンポよく示されていきます。ですが、そうなってくると、読み手としては、当然「じゃあ、誰が?」というのが気になってくるわけです。が、その辺になると、主人公の手際は鈍ってきます(笑)。リチャード三世が殺したと考えるのは難しい、と。まあ、それはいいんですけど、じゃあ、ヘンリー7世が殺したと考えるのか、となると、それはもっと難しかったりするわけです(笑)。
その辺の苦しさは著者も気付いていたようで、あまり突っ込まれません。
で、後半になってくると、自分たちに対立する側の人達を上から目線で罵倒しはじめます。この辺で自分は辟易しちゃいました。
で、最終的には……で話に幕を引いちゃう、と。
いや、まあ、アンタノイイタイコトモワカランデモナイケド ソレハリセイテキナタイドデスカネ
正直、主人公(というか作者?)の展開する論理は言うほど理性的とも知的とも思えませんでしたし、何より公平性が欠けている感が強くて自分はあまり楽しめませんでした。
まあ、歴史ミステリというのは、多かれ少なかれそういうものだ、と言われればそうなんでしょうが、弁護側あるいは検察側の一方だけの冒頭陳述と最終弁論を読まされたような……(^^;
それでも、論理が多少破綻があっても、最終的に、なんというか論理的な驚きでなくても、こう情緒的な何かをくれたなら、もう少し評価できるんですけど、そういうのもなかったです(いや、作者はそこもやろうとしていたような気もしますが、しかし、少なくとも自分の心に響くものはなかったです)。
まあ、それでも20年前なら確かに(内容とまた自分自身の読者的レベルという点でも)、とも思いますし、、歴史ミステリという分野の嚆矢というところにも敬意を払って、ちょっと星はオマケしときます。;-)
2018年2月25日に日本でレビュー済み
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数年前「リチャード三世の遺骨発見!」というニュースを知ってから、気になっていて読んでみたいと思っていたジョセフィン・テイ作の長編推理小説『時の娘』を、入手して読むことにした。
何十年ぶりかで読んだ漱石の『倫敦塔』も本書を手にすることに背を押してくれたようである。
漱石は、この随筆のなかでポール・ドラローシュの描いた「ロンドン塔の王子たち」から、この二人の少年を幻視しながら書いていたのが印象的だった。
本書は、ジョセフィン・テイが1951年(昭和26年)に、発表したグラント警部シリーズの一作である。
『時の娘』なぞという題名が不思議なので少し調べてみたら、フランシス・ベーコンの「真理は、永遠の娘であり、権威の娘ではない」という名言からの典拠であることを知った。
なるほど怪我で動けずベッドで探偵するグラント警部は、こともあろうに五世紀も前の歴史上の人物「リチャード三世」の真の姿に迫ろうとして思考を巡らせるのが本書のテーマである。
リチャード三世については、シェークスピアの戯曲によって極悪人という烙印を押され何世紀も世に喧伝されている。
「リチャード三世の遺骨発見!」のニュースを、あらためて読んでみたら、リチャード三世の名誉回復に血道をあげている歴史愛好家も大昔から存在していたようで、そのうちの一人(フィリッパ・ラングリー)が、リチャードの遺骨発掘(2012年9月)したことに貢献したことなどを知ったのである。
発見された遺骨は、DNA鑑定が行われた結果、2013年2月に遺骨はリチャードと断定され、「せむし」とされた体形は誇張ではなかったことが証明された(「せむし」という発見で、グラント警部の本書中での仮説は残念ながら外れていた)。
俳優のベネディクト・カンバーバッチがリチャード三世のDNA分析で血縁者と判明し、レスター大聖堂に「国王の礼をもって」改葬されたとき、桂冠詩人キャロル・アン・デュフィーによる詩を朗読した。
評者は、「リチャード三世の遺骨発見!」というニュースを、ジョセフィン・テイ女史が泉下で知ったら、どんなに驚いたかなどと思いを巡らせながら本書を読み進んでしまったのです。
ベッドで寝ているグラント警部の手足となって歴史資料を漁っていたアメリカ青年ブレント・キャラダインは、リチャード三世の汚名を雪ごうとする歴史家たちが書いた資料など数多く見つけ、本を書こうと意気込んでいたから気落ちしてグラントに、このことを話す。
「大発見などそうそうそこらにころがっているわけではないよ。先駆者になれなかったら、改革運動の先頭に立ったらいいじゃないか?」と励まし、「何にたいして?」「トニイパンディ」と、グラント警部が言うと、キャラダインは途端に気を取り直して元気をになる。(P327)
「トニイパンディ」(Tonypandy)というのは、広く信じられている歴史的な神話、当事者が虚構と知りながら意図的に流布され信じられるようになった偽史の代名詞として用いている言葉である。
グラント警部が、二人の容疑者を比較した箇条書きをしてみた。
まぁ、このことはネタバレになるから、ここで詳しくは書かないでおこうと思う(すべて状況証拠でしかないのだが)。
「歴史は勝者によって書かれる」という言葉があるが、ブレント・キャラダインが蒐集してくる史料からグラント警部が推定すると、リチャードを貶めたら、誰が多くを得たかを考えれば、おのずと二人の少年を亡きものとした犯人を指し示すことが可能となる。
著者自身も本書『時の娘』を、発表したことでリチャード三世の「トニイパンディ」を、世に問いたかったのは間違いないだろう。
本書を読み終え、詳しく調べたらロンドン塔に幽閉された後のエドワード五世と弟リチャードの消息は、現在に至るまで判明していない。
本書『時の娘』が、歴史ミステリの傑作であると思いながら楽しんで読み終えることができました。
<追記>
イギリスの歴史に詳しくない評者のような読者にとって、登場人物紹介が少ないのは不親切であると苦言を呈したい。
なぜならランカスター家とヨーク家の系図以外の登場人物が多すぎるからです。
何十年ぶりかで読んだ漱石の『倫敦塔』も本書を手にすることに背を押してくれたようである。
漱石は、この随筆のなかでポール・ドラローシュの描いた「ロンドン塔の王子たち」から、この二人の少年を幻視しながら書いていたのが印象的だった。
本書は、ジョセフィン・テイが1951年(昭和26年)に、発表したグラント警部シリーズの一作である。
『時の娘』なぞという題名が不思議なので少し調べてみたら、フランシス・ベーコンの「真理は、永遠の娘であり、権威の娘ではない」という名言からの典拠であることを知った。
なるほど怪我で動けずベッドで探偵するグラント警部は、こともあろうに五世紀も前の歴史上の人物「リチャード三世」の真の姿に迫ろうとして思考を巡らせるのが本書のテーマである。
リチャード三世については、シェークスピアの戯曲によって極悪人という烙印を押され何世紀も世に喧伝されている。
「リチャード三世の遺骨発見!」のニュースを、あらためて読んでみたら、リチャード三世の名誉回復に血道をあげている歴史愛好家も大昔から存在していたようで、そのうちの一人(フィリッパ・ラングリー)が、リチャードの遺骨発掘(2012年9月)したことに貢献したことなどを知ったのである。
発見された遺骨は、DNA鑑定が行われた結果、2013年2月に遺骨はリチャードと断定され、「せむし」とされた体形は誇張ではなかったことが証明された(「せむし」という発見で、グラント警部の本書中での仮説は残念ながら外れていた)。
俳優のベネディクト・カンバーバッチがリチャード三世のDNA分析で血縁者と判明し、レスター大聖堂に「国王の礼をもって」改葬されたとき、桂冠詩人キャロル・アン・デュフィーによる詩を朗読した。
評者は、「リチャード三世の遺骨発見!」というニュースを、ジョセフィン・テイ女史が泉下で知ったら、どんなに驚いたかなどと思いを巡らせながら本書を読み進んでしまったのです。
ベッドで寝ているグラント警部の手足となって歴史資料を漁っていたアメリカ青年ブレント・キャラダインは、リチャード三世の汚名を雪ごうとする歴史家たちが書いた資料など数多く見つけ、本を書こうと意気込んでいたから気落ちしてグラントに、このことを話す。
「大発見などそうそうそこらにころがっているわけではないよ。先駆者になれなかったら、改革運動の先頭に立ったらいいじゃないか?」と励まし、「何にたいして?」「トニイパンディ」と、グラント警部が言うと、キャラダインは途端に気を取り直して元気をになる。(P327)
「トニイパンディ」(Tonypandy)というのは、広く信じられている歴史的な神話、当事者が虚構と知りながら意図的に流布され信じられるようになった偽史の代名詞として用いている言葉である。
グラント警部が、二人の容疑者を比較した箇条書きをしてみた。
まぁ、このことはネタバレになるから、ここで詳しくは書かないでおこうと思う(すべて状況証拠でしかないのだが)。
「歴史は勝者によって書かれる」という言葉があるが、ブレント・キャラダインが蒐集してくる史料からグラント警部が推定すると、リチャードを貶めたら、誰が多くを得たかを考えれば、おのずと二人の少年を亡きものとした犯人を指し示すことが可能となる。
著者自身も本書『時の娘』を、発表したことでリチャード三世の「トニイパンディ」を、世に問いたかったのは間違いないだろう。
本書を読み終え、詳しく調べたらロンドン塔に幽閉された後のエドワード五世と弟リチャードの消息は、現在に至るまで判明していない。
本書『時の娘』が、歴史ミステリの傑作であると思いながら楽しんで読み終えることができました。
<追記>
イギリスの歴史に詳しくない評者のような読者にとって、登場人物紹介が少ないのは不親切であると苦言を呈したい。
なぜならランカスター家とヨーク家の系図以外の登場人物が多すぎるからです。
2021年12月16日に日本でレビュー済み
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嬉しくて早速読んでいます。