ウェブプレーヤーを開く
JOJO広重氏率いる1970年代から活躍するノイズユニット、非常階段がヴォーカロイドの初音ミクを使用した異色アルバムです。
ミクのヴォーカルの合間を非常階段のトレードマークであるハーシュノイズがのたうつ様子は不気味な静謐さと破壊的情景に満ちて居ます。
緑魔子氏とJAGATARAのカバーである1,2曲目、ミクの朗読をフィーチャーしたオリジナルの3曲目は比較的ポップですが、それはあくまでもJOJO広重氏の作品として聴いた場合で、ジャケットのイラストや初音ミクの文字に釣られて購入された方には充分衝撃が有ると思います。
元々無機質な初音ミクの声が、まるで暴行を受けた後の如き茫然自失とした様子で、いけない物を聴いてしまった時の居心地の悪さを感じました。
そして、混沌としたノイズの洪水の中にヴォーカロイドが呑み込まれて行く4曲目「hatsune - kaidan 」はどこを切っても非常階段の音、としか言いようが無い激しい物です。
不快な点も多々有りながら、極端な物が持つ巧まざるユーモアすらも感じられます。
おかしな表現ですが、ちょっとポップな非常階段を聴きたい方、非常に激しい初音ミクを聴きたい方にはお薦めです。
ヴォーカロイド出現当初から現代音楽家やノイズアーチストによる作品を聴きたいと思っていたので個人的には非常に嬉しいCDでした。
haji氏のイラストも良いですが、トレバー･ブラウンにも描いて欲しかったですね。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
